第12話 罪滅ぼしの戦い14 旅路の振り返り13(キャラ名版)
ミスターT「とまあ、これが一部始終の様相か。ミツキTとティルフィアが生身の身体の具現化ができた事は割合にするが。」
最後の方の振り返りは、今し方行われた最終決戦の様相。何時の間にか俺以外はその場に座り込み、一連の様相を念話を通して振り返っていた。
念話を通しての一念は、放った側の描写をダイレクトに投射する。ほぼ寸分狂いなく表現できるとあって、当時の様相を実体験できた感じである。かく言う俺も全く同じだ。
ギース達やカール達にジーク達は草創期の様相を知らなかったので、今までの流れを全て振り返り色々と思いを巡らせているようである。罪悪感もあるのだろうが、それ以上に現れる自身達が持つ使命の方を強く感じ取ったようだ。
それに先にも挙げたが、ギースやカールの長寿命の面々は、後の世界の建て直しに絶対に必要不可欠の人材となる。特に後世への語り継ぎという部分では、彼ら以外に適任者はいないだろう。それだけ長寿命の存在は必要不可欠だ。
ジーク達は俺達人間と同じ短命ではあるが、語り継ぐという事はできる。否、短命だからこそできる事が多い。何故そう言い切れるのかは、俺達と同じ人間だからだ。現に同郷の地球在住の地球人達は、数多くの事変を乗り越えて今に至っている。
語り継ぐ存在がどれだけ重要かは言わずともながな感じだ。忘却に至る事こそが最悪の事態に発展していくのだから。強いては、再び先の各事変を巻き起こす事に繋がってしまうのだ。だからこそ、この概念に関しては絶対的に優先しなければならない。
地球だろうが異世界惑星だろうが、行う事は全く同じだ。ならば、後は我武者羅に突き進むのみでいい。後々振り返れば、その行動が正しかったと思える時が必ず来るのだから。
ミツキ「いやぁ~、振り返りって、本当に良いものですね!」
ナツミA「ポチそれ・・・。」
ミツキ「ボケぐらいよござんしょ!」
シルフィア「ぶっ! アッハッハッ!」
総括的に語られたのは、ミツキによるボケである。某映画解説者氏の有名な台詞を捩ったそれを聞いたナツミAが、真底呆れ顔でツッコもうとする。すると、逆ギレ的に黙認せよと言う感じで反論するのだ。その様相を見たシルフィアが爆笑しだしている。
元ネタを知っている者だからの対応なのだろうが、即座に爆笑で切り替えしたシルフィアも見事と言うしかない。元ネタを知っている者は俺も含め他にもいるが、彼女ほどの爆笑に至る事はなかった。ただ、苦笑いに留める他なかったのが実状ではあるが・・・。
まあこうして安易にボケやツッコミを入れられる状態に戻ったのは、非常に有難い限りである。今のミツキ達の心境を踏まれれば、その言動を心から繰り出しているのが窺えた。
ミスターT「・・・まあ何だ、以上が今までの旅路の振り返りだわ。」
ティルネア「完全的には把握できませんが、大凡の見当は付いたので問題ないです。」
ティルフィア「兄貴も気苦労が耐えませんよね。」
ミスターT「本当だわな。」
終盤に合流したティルフィアとティルネアは、一部始終の様相に感銘を受けている様子だ。実際に実体験したかの感じである。ギース達も同様で、自分達が知らない所での行動に感銘を受けている感じだ。
そしてこれも先に挙げたが、自身が持つ使命にも回帰しだしているようである。ギース達の存在は、間違いなく今後の異世界惑星の建て直しに必須だ。本当に何処でどう化けるか分からないものである。
ギース「我らの使命は、後の世に語り継ぐ事だな。」
カール「そうですね。」
ジーク「可能な限り、そう有り続けたいものです。」
元は“悪陣営”だった3人も、心機一転的な感じで決意を新たにしている。特にギースとカールは長寿命の種族なので、調停者としては申し分ない存在となる。まあここまで知ってしまうと、そうならざろう得ないのが実状だろうな。これも先に挙げた通りである。
俺達と同じ人間のジークも、再度後継者達に語り継ぐ事を決意している様子。語り継げば、忘却される事はないのだから。この点が何よりも一番重要な概念である。善道に回帰した彼らは本当に幸運だったと言うしかない。
同時に彼らの使命がどれだけデカいのかを痛感させられる。あれだけ悪道を突き進んでいたにも関わらず、それ以上の巨悪や極悪を前にして中道へと転身し、そして善道へと回帰していった。
皮肉な話だ。屠り続けたあの愚物共がいなければ、ギース達が善道に回帰する事はなかったと言っていい。連中の存在は総意を悪道に進ませないためのものだった、そう言い切るしかないだろうな。
只管悪道を突き進み、因果応報の理の襲来を受けて倒れた連中。今はその連中に心から哀悼の意を捧げるしかない。
シェネア「何だか、私達の存在が陰っているような・・・。」
ミスターT「ハハッ、こればかりは仕方がないと思う。彼らは言わばどん底を知った存在だしな。お前さんは最初から善道を突き進んでいたし。」
デュヴィジェ「その場合は得手不得手と取るべきだと思いますよ。スミエ様語録で挙げるのなら、桜梅桃李の理が正に合います。」
スミエ「個々人は代え難い大切な生命体。故に優劣など気にせず、己が生き様を貫き続けるのが無難です。ここに良い例があるじゃないですか。」
キセルを薫らせながら、俺の方を指し示すスミエ。彼女の言う通り、今の俺は優劣など完全度外視状態である。偶にジェラシーを感じたりはするが、それは上辺だけの雑念そのものだ。根底に据わる一念があれば、何も恐れる事などない。
それに、これだけ多種多様な種族がいるのだから、全く以て似偏るのは実に勿体ないと思うしかない。スミエ語録の桜梅桃李の理、それが正に当てはまってくる。
異世界惑星は地球とは異なり、多種多様な知的生命体が数多く住んでいる。無論動物群もいるのはいるが、知的生命体の数は地球の比ではない。となれば、お互いに歩み寄り、共に進んでいくのが無難だ。これこそ正に桜梅桃李の理そのものである。
第12話・15へ続く。
前にも挙げたと思いますが、ギースさん達は本来屠られる側の役割だったのですが、何時の間にか善道回帰してしまったという。旧新大陸でのジークさん達も正にそれで、その流れが確実に影響をしてギースさんやカールさん達も回帰した形だったのかと。
まあ嫌な役割をしていた割には、それ以上の悪道一直線の連中が出だしていたので、自然と良い方に沙汰されていったのかと思います。できれば、自分は和気藹々とした流れを大いに好みますので@@; 創生者は辛い事この上ない、何ともまあな感じですわ(-∞-)




