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覆面の探索者 ~己が生き様を貫く者~  作者: バガボンド
第5部 迎撃戦と反転攻勢
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第11話 創生者と記憶の甦り8 生きて償う(キャラ名版)

ヘシュナ「ふむ・・・ティルネア様に治癒力を放って完全解放させましょうかね。」


 色々と悩んでいると、とんでもない事を語りだすヘシュナ。有限実行の如く、ティルネアに右手を掲げると、治癒力の波動を放ちだした。


 既に異世界惑星を治癒するほどの力量を持つ故か、一生命体程度の治癒など造作もないのだろう。現に朧げで今にも消えそうなティルネアの精神体を、意図も簡単に完全治療させた。と言うか、その治療には若干ながら怒りの一念も含まれているようにも思える。


ヘシュナ「ええ、その通りですよ。何か釈然とせず、貴方様方で自己補完されていらっしゃいます。部外者としては、非常に遣る瀬無い思いですから。」


 茶化しを通り越して、正論をズバりと切り出してくる。ヘシュナの怒り度は他の面々にも通じているようだが、その名代として彼女が担ったようである。だが、ティルネアを完全治療させた意図は別にあるようだ。


ヘシュナ「率直に申し上げます。ティルネア様は“生きて罪を償う”べきです。今後の異世界惑星の様相を見守るべきかと。そうでなければ、調停者・裁定者・創生者失格ですから。」

ナセリス「・・・はぁ、ここはヘシュナ様の言葉に心から賛同します。時間はありますし、全ての罪を償う形で生きられるのが良いと思いますよ。」

ミュセナ「それに、宇宙種族は全ての生命の重荷を背負って生きる存在ですからね。ティルネア様はその先駆者として動かれていたに過ぎません。デュヴィジェ様も同様でしょう。」


 ヘシュナを筆頭に、ナセリスとミュセナが続いていく。ティルネアの罪滅ぼしは、生きて償えと言うものだ。つまりは、そう簡単には死なせないと言う意味合いにもなる。まあそれは酷な事ではあるが、実際に宇宙種族組の長寿命を考えれば同じ様なものだが。


ティルネア「・・・本当によろしいのでしょうか・・・。」

ミスターT「あー・・・ここは素直に従った方が良いと思う。」


 宇宙種族の代表格の裁定に、不安な雰囲気が色濃く出ているティルネア。常人が考えるのなら、彼女の罪は相当なものだと言えてくる。しかし、創生者はそうした罪を背負うものだ。烏滸がましいが、今の俺も彼女達と同様の立ち位置だと言える。


 そんな彼女に、素直に従った方が良いと語った。その理由は、総意の一念を汲んだためだ。そうでもしなければ、恐らく収拾が着かないだろう。ただ、彼女が完全悪でも絶対悪でもないのは確かである。


 それに、ティルネアと初対面の面々は、彼女の気質を十分感じ取っている。今の彼女自身が精神体であるため、自分達の生命と同期できる点だ。これはミツキTやティルフィアも同様になる。隠し事はできないという感じだな。


 ともあれ、今後を考えれば彼女の存在は必要だ。精神体である以上、未来永劫生き続ける事になるのだから。これは、同じ精神体のミツキTやティルフィアも同じである。



 煮え切らない思いを抱く面々を前に、徐に一服しつつ色々と思い浮かべる。


 異世界ベイヌディートに召喚されたのは、ナツミYUと久方振りに再開したあの前となる。時間と空間の調整により、実質的に時が止まった俺を現地へと召喚。そこにて、遂行者として活動を行う事になった。


 当時は宇宙種族の概念がなかったため、己の足やティルネア直伝の力量を使った行動の範囲での活動だった。地道な世直し作業である。それでも、ファンタジー世界観に召喚された事に心を躍らせてもいた。


 盟友7人も現地に召喚されたのは、ベイヌディートでの世直しが佳境に至った頃だった。俺だけでは行動し切れないという部分から、ティルネアが新たに呼び寄せたのである。本当に助かる思いで一杯だった。


 まあでも、生粋のヲタク気質の7人である。ベイヌディートへの召喚に大歓喜極まりない状態に至ったのは言うまでもない。俺以上に遂行者の役割を担い、世直しの行動に没頭した。


 当然、現地での出会いも多々あった。これに関しては、目の前の異世界惑星組の遠縁の面々と言うべきだろう。今は割合するが、何処か面影がある面々が多々いたりする。デュヴィジェに記憶を甦らせて貰わなかったら、一生分からないままだっただろうな。


 そして、諸々の事変を攻略し、地球へと帰還する事になる。この時、後々の行動に多大な影響が出るという事を危惧し、俺達8人の記憶を消す事にしたのだ。記憶操作は宇宙種族が得意としている分野なので、造作もなく行ってくれた。実行者はデュヴィジェである。


 つまり、今の今までデュヴィジェは全ての重荷を背負って生きて来た事になる。これには脱帽を通り越して、心から感謝する以外になかった。



 今も傍らにて落ち込んでいるデュヴィジェ。その彼女を呼び寄せると、静かに胸に抱いた。右手で彼女の頭を優しく撫でつつ、左手でその大きな背中を優しく叩く。すると、俺の厚意に涙を流しだした。この涙に全ての思いが篭っていると言うしかない。


 同時に、念話を通してティルネアと同期した。今となっては造作もない力量で、彼女の生命と簡単に繋がる事ができる。これは、デュヴィジェに記憶を甦らせて貰った時に覚醒した力量である。つまりは、ファンタジー世界観の力と言えるだろう。


 2人には、心からお疲れ様と頭を下げた。全ては元異世界ベイヌディートのための行動。そこに住まう面々を救うための行動だった。当時を生きていた面々は無論、その遠縁となる異世界惑星の面々も全てである。先程始末した愚物共すら、該当してくるだろうな。


 何と言うか、ファンタジー世界観に染まる事により、俺達8人も宇宙種族化しだしていると言えてくる。この調子だと、俺達の肉体が死去する時、精神体として覚醒しそうだわ・・・。


    第11話・9へ続く。

 今回は少々短めの話でしたが、時間的に急拵えで仕上げたのでギリギリ間に合った感じでした><; 色々とすみませんm(_ _)m


 しかし、何か最早、創生者の次元は俗に言う神様的な感じにしか思えませんね@@; ただ、そう言った神秘的なものではなく、劇中では宇宙種族組の力量が成し得る業物ではありますが。警護者の序盤で“半ば強引に”登場させた宇宙種族が、まさかここまで発展し化けるとは思いもしませんでした(=∞=)


 ともあれ、いよいよラストへ向けて突き進む形になります。事後処理的な感じの流れが続きますが、色々と挙げておかないといけない部分もあるので、お付き合い下されれば幸いですm(_ _)m

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