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覆面の探索者 ~己が生き様を貫く者~  作者: バガボンド
第5部 迎撃戦と反転攻勢
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第11話 創生者と記憶の甦り2 黒い刃群と宇宙戦艦群(通常版)

 ミツキとミュティヌの挑発に乗った魔術師は、怒りの形相を浮かべつつも戦力を投じだしていく。機械の塔事変で遭遇した、ドラゴンゾンビにドラゴンスケルトン、更に空中機械兵群を大量に出現させていった。


 これらは宇宙船群で待機していたようで、何時でも繰り出せる手筈だったのであろう。現に合図らしい仕草をすると、直ぐに“無人兵装”を大量に繰り出しだしたのだから。


 それらは今も猛攻を加えるレプリカシリーズに肉薄しようとするのだが、3隻の火砲の前に出ると一撃の下に倒されていく。これは既に機械の塔事変で実証済みであり、それをもし相手が知っているのなら対策を講じてもよいものだっただろう。


 だが実際には何の対策もされていない。レプリカ大和の15.5cmの副砲弾ですら、相手に強烈なダメージを与えているのだ。対空砲の小型機銃群ですら、立て続けに放ち続ければ撃破は可能だ。こと46cm主砲弾など喰らえば、正に一撃必殺である。


 しかしながら、大量の空中兵装を投じた事により、宇宙船群への砲撃の手が止まりだした。それらの砲撃が空中兵装へと向けられだしたからだ。物量勝負にまで発展すれば、こちらの勝ち目は絶望的であろう。


「ハッ! 宇宙船側に攻撃できずにいるではないか!」

「このまま一気に押し切るのだ!」


 現状を垣間見て、即座に自分達が優勢だと言い切る公爵共。魔術師共の方も同様の雰囲気なのだが、何処か懐疑的な感じである。“まだ何か隠し持っている”と疑っているのだろう。


 そんな様相を先読みしたのか、ミツキが右手を掲げて“指パッチン”を行った。次の瞬間、空中兵装へ向けて夥しいミサイル群が放たれ出した。



 今回こそ正真正銘の登場とあってか、満を持して姿を現すはレプリカブラックブレイド群。既に周辺の上空に待機済みであり、何時でも姿を現す事ができていた。もっとも、ヒドゥン状態故に、こちら側も察知する術は念話以外になかったのだが。


 合計7機のレプリカブラックブレイドが出現しつつ、ミサイル群や機銃群、仕舞いには小型レールガンの掃射により空中兵装群を一撃の下に破壊していく。それに現状は3隻のレプリカガンシップが静止している状態なのに対し、レプリカブラックブレイド群は音速を超える速度で飛行をし続けている。


 奥の手としては、本家の同機も繰り出している残像現象だ。相手側の反撃を分身しながら回避しつつ、それぞれの武装で猛攻を繰り広げている。更には空中制動からの急反転行動、俗に言うコブラを繰り広げていた。


 あの速度からの急旋回を繰り出せば、普通なら搭乗者には壮絶的なGが掛かる。だがそこは重力制御の理が働いていた。つまり、どれだけ過激な行動をしようが、自身に掛かる負荷は全く以て皆無なのだ。これは過去の航空機護衛事変にて、レプリカTa152Hにて体験済みである。


 ともあれ、レプリカガンシップほどの規模ではなく7機と少数精鋭ではある。だが機動力の部分では、正に最強状態を醸し出すレプリカブラックブレイド。その猛攻は留まる所を知らない感じである。



 少し話が反れるが、初めてレプリカブラックブレイド群の勇姿を目の当たりにした異世界組の面々。レプリカ大和などの巨大兵装には慣れだしたようだが、流石に大空を縦横無尽に飛行する7機には茫然自失としている。


 そもそも、大空を移動するレプリカヴァルキュリアに乗艦した事がある彼らだが、その移動速度はメカドッグ嬢達を自分達にドッキングした飛行モードの時よりも遥かに遅い。大空洞探索で用いたドッキング戦法だが、その移動速度に驚愕していたのも懐かしい。


 そんな移動速度を遥かに超えるのがレプリカブラックブレイドである。メカドッグ嬢の飛行モードよりも大型であり、更に移動速度も段違いの様相だ。そして、自分達が繰り出せる最大の火力をゆうに超越する猛攻ときた。茫然自失となるのは言うまでもない。


 ネタを挙げるなら、某独立記念日の映画か。あの劇中でも宇宙船側への攻撃は、弱点たるレーザー砲を破壊する以外になかった。その近場では戦闘機群が大空中戦を繰り広げている。同作を知る面々は、今の様相が正にそれだと苦笑いを浮かべていた。



 しかしながら、レプリカブラックブレイド群をも繰り出しても、現れる空中兵装群の数には圧倒されだしている。肉薄される事はないのだが、既にミサイル群に機銃は撃ち尽くし、残る兵装は実質的に無尽蔵に撃てる小型レールガンのみ。


 レプリカブラックブレイドは局地戦仕様故に、短期決戦で勝負を掛けないと圧倒的に不利である。まあ動力源は反重力機構を用いているため、実質的に無限大の行動力を行えている。燃料切れで墜落という事はまず発生しない。これはレプリカシリーズや宇宙戦艦群も同様になる。だが、兵装に関してはそうはいかないのが最大の弱点だろう。


 対して、宇宙船群は実質的に無尽蔵の兵装を繰り出せている。物量勝負と挙げた公爵共の言う通りだ。幾らバリアとシールドの防御機構が完全無欠でも、攻撃できなくなれば為す術はなくなるのだから。


 それに感付いたのか、不気味なまでに笑みを浮かべだす公爵共と魔術師共。今のままの状況を続ければ、こちらに分があると直感したのだろうな。実に正しい判断である。




「はぁ・・・。お嬢さん方、そろそろお終いにしようかの。」


 徐に一服しつつ、現状の総司令官な感じのミツキとミュティヌに声を掛ける。それを伺い、今までにない程のニヤケ顔を浮かべつつ肯きだした。


 再び右手を空に掲げ、指パッチンをするミツキ。すると、宇宙船群の周囲に姿を現すのは、“13隻の”宇宙戦艦である。各地に配備されていたのを集結させるのに時間が掛かったが、総意の時間稼ぎの間に成し遂げたようである。


 そして有無を言わさず、レールガンにより薙ぎ払いが開始されていく。レーザー兵器よりも速射に優れており、更に“味方に当てて跳弾をさせる”芸当も可能だった。そう、レプリカブラックブレイド群目掛けて、各レールガンを放ちだしたのだ。


 これを見た異世界惑星組は、同機群を撃墜するのかと思ったようだ。だが裏の裏では念入りに取られた作戦の1つである。無論、地球組と宇宙種族組による密会的な感じだ。


 過去の黒いモヤ事変にて、全宇宙船群や宇宙戦艦群のハイパーレールガンを跳弾的に放っている。適切な場所に適切な角度でいれば、確実に跳弾を可能とする結果が出ていたからだ。無論、これは最強の守備力となるバリアとシールドの防御機構なしには実現不可能である。


 そして、大空を縦横無尽に動き続けるレプリカブラックブレイド群に対して、直線的にしか進めないレールガンを当てるのは不可能に近い。未来位置的な予測での射撃は可能だが、その命中率は絶望的に低いだろう。


 だが、その現実を捻じ曲げるのが俺達所以の言われか。宇宙戦艦群から放たれたレールガンのどれもは、確実にレプリカブラックブレイド群を捉え続けていた。そして、同機に着弾したレールガンがバリアとシールドの防御機構で反射し、“別の的へと”着弾していく。


 そうである。跳弾したレールガンは相手側の空中兵装に見事なまでに着弾していくのだ。これに関しては、俺達は心の底から見事だと言わざろう得ない。どれだけの精密射撃を繰り出さなければならないのか、常人では到底理解できない領域の概念である。


 直接的に狙えない相手でも、跳弾を用いた攻撃で意表を突く砲撃を繰り広げる。宇宙戦艦群の力量には、ただただ感嘆とするしかない。


 ちなみに、この砲撃を担当しているのは、裏方の立役者たる躯屡聖堕メンバーの面々。特にヲタク気質の面々は大歓喜極まりない状態のようで、念話を通して悲痛なる叫びとも取れる声色を挙げながら射撃を繰り広げていた。


 当然その念話は俺達にも伝わってきており、流石にこの様相には呆れ返るしかない・・・。異世界組の面々に至っては、恐怖心すら抱いているようである・・・。


    第11話・3へ続く。

 何だか支離滅裂的な感じになってしまい申し訳ありません><; ジョーカー的ともイレギュラー的とも言える巨大兵装群や戦闘機群の戦いは、非常に描写が難しい感じでも><; 先の警護者側では、黒いモヤ事変で同様の流れがありましたが、あちらの異世界版とも取れるのかと。


 まあこれらは言葉は悪くなるものの、一種のデモンストレーション的な感じですし。本題はこれから地上で起こる愚物共との直接対決になりますので。そしてラスボスとの対峙と。こちらも色々と考えていますが、今は何だか大混乱状態のまま進んでいる感じです><; 先は長いですわ・・・(-∞-)


 ちなみに、レプリカブラックブレイドの元ネタは、ゲーム・スカイターゲットのラスボス、“ホワイトソード”です。劇中で最強の戦闘攻撃機とあり、分身やレーザーの機銃も繰り出してくるという。仕舞いには衛星軌道上からのレーザー照射と@@; まあクリソツにするのはマズいので、名前を捩って着色を変えた感じです@@; 型状も変えないといけませんね><; これはレプリカヴァルキュリアも同様でしょう。


 うーむ、各種設定群の見直しやらを踏まえると、まだまだ課題は山積みですわ・・・(>∞<)

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