第10話 対巨大兵装9 バリアとシールドの貫通(キャラ名版)
魔術師「・・・何だと・・・。」
粉塵が収まると、少し距離を置いた場所にいる魔術師が驚愕している姿が見えた。周囲の配下の連中も同様である。今の一撃で完全に葬ったと思っていたのだろうからな。
同様に、バリアとシールドの効果範囲内にいた将軍とカースデビル達も驚愕している。今の一撃は彼らにとっては致死のものであり、即死は免れないと思っていたに違いない。
将軍「こ・・これは・・・。」
カースデビル「これが・・・宇宙種族とやらの力なのか・・・。」
ミツキ「フッフッフッ♪」
今思った事を言葉で言い表している将軍とカースデビル。仲間の面々も同様である。そんな彼らを見つめ、自慢気にニヤケ顔で笑うミツキ。周囲の面々も同じ様な表情を浮かべていた。
ミツキ「ハッハッハッ! これが我らの最強の力なのだよ! お分かりかね?」
ミュティヌ「お嬢様、更なる追撃を放つ必要があるかと存じますが。」
ミツキ「まあそう慌てるな。先ずは“骨董品”の砲撃を見せるのだ。」
ミュティヌ「ハハッ! 了解致しました!」
驚愕し続けている異世界惑星の面々を前に、実に嫌みたらしくネタを披露しだすミツキとミュティヌ。その矛先は無論魔術師共ではあるが、将軍とカースデビル達にも強烈な影響を与えてもいた。
ただ、彼らの方は俺達の近場にいるため、言わば俺達側に属している感じだ。今の悪党は魔術師共なのは明白なため、挙がったネタの矛先は否が応でも連中が該当する。今の戦況が続けば続くほど、将軍とカースデビル達の中立度は確定的に至っていく感じだわ。
次なる行動が開始された。茫然自失としている魔術師共を尻目に、各巨大兵装の砲門を展開していく。該当艦はレプリカ大和・レプリカ伊400・レプリカヴァルキュリアの3隻だ。
徐に各砲塔が相手側に動き出していくのを窺った魔術師。宇宙船群の砲門をガンシップ群へと向けだしていった。そのままチャージをせずに、再び夥しい光弾を発射しだしていく。
4隻の宇宙船から放たれた光弾群は、こちらの3大ガンシップに直撃していく。しかし、3大ガンシップにはバリアとシールドの概念が働いている。光弾のどれもが各艦船の手前で着弾して爆発した。その様子に再び驚愕している魔術師共である。
ただ、何処か安堵めいた雰囲気を醸し出しているのが気になる所ではある。その理由は明確なのだが、今は“態と知らない振り”をしてみるのも一興である。
光弾の着弾による爆発が起こる中、3大ガンシップの各砲門が相手に狙いを定める。目標に関しては、最初は各艦船でバラバラとするとの事をミツキTから念話を通して伺っている。
そして、準備が整ったのを見計らい、3大ガンシップの各砲門が火を噴き出した。こちらは全てが実弾とあるため、凄まじい発射の轟音が鳴り響いている。特にレプリカ大和の十八番たる3連装46cm主砲3基が目玉だわ。
放たれた砲弾群は、それぞれ狙いを付けた宇宙船群へと向かっていく。だが、それぞれの砲弾は相手に直撃する寸前で爆発していった。船体に着弾しなかったのだ。
ミツキ「な・・ななっ?!」
ミュティヌ「あ・・命中らないだとっ?!」
魔術師「ハッハッハッ!」
反撃の砲撃が終わり、相手が無傷である事に“一応”驚愕するミツキとミュティヌ。そんな彼女達の言動を見て、この上なく高笑いをする魔術師だ。その様相に悔しそうにする面々。
更に本当の内情を知らない将軍とカースデビル達は、絶望的な表情を浮かべだしていた。今し方の宇宙船群の砲撃もそうだが、3大ガンシップの総攻撃も異常なまでの超火力である。それがお互いに効果を発揮しなかったのだ。
現状の規模を見れば、幾ら無敵の状況を発揮できても劣勢には変わりない。それを再確認したのが将軍とカースデビル達である。俺でも何も知らないで今の現状に至ったら、彼らと同様の言動をしただろう。
魔術師「フフッ・・・悔しかろう。我らの方でも、その不可思議な防御膜を得ているのだよ。」
ミツキ&ミュティヌ「な・・なんだってぇ?!」
・・・何と言うか、実に態とらしい驚愕の仕方である・・・。もう少し演技が上手ければと思ってしまうが、同時に念話を通して流れに身を任せろと茶化された。
だが、こちらの方も将軍とカースデビル達は真に受けてしまったようで、絶望的な表情のまま顔を青褪めている。人知を超えた様相を前に、為す術がないと言った感じだ。
魔術師「さあ、反撃の時が来た。貴様等は無傷であっても、この世界自体はそうはいくまい。」
ミスターT「・・・宇宙船群と機械の塔を駆使し、異世界惑星を蹂躙する、か。」
魔術師「その通りだ。我らを傷付ける事など、不可能なのだからな!」
そう言いつつ、再び高笑いをする魔術師。周囲の配下共もその力量を知っているのだろう。高笑いこそしないが、憎たらしいほどの笑みを浮かべていた。
何と言うかまあ、力を持ち過ぎる者は全てを壊す、正にその通りだわ。まあこれだけの力量があるのだから、そう至ってしまうのは言うまでもない。
調停者と裁定者、そして創生者の役割がどれだけ重要であると同時に、その存在が総意のパワーバランスを調整するのかが至難の技である事を痛感させられた。皮肉な事に、相手を態と泳がせる事によって、それを再確認するに至るのだから。
相手側の真の目的が明らかになった現状。再び3大ガンシップの砲門が宇宙船群へと狙いを定めていく。それを窺い無意味な行動だと高笑いしだす魔術師。今し方の結果を目にしても、無駄な足掻きをするのだと思ったに違いない。
しかし直後、悔しがっていたミツキの雰囲気が一変する。悪ふざけな雰囲気を終えると、彼女が右手を空へと掲げた。それを合図として、3大ガンシップの各砲門が一斉に火を噴き出した。
結果は明らかだと溜め息を付く魔術師共。だが、その後の結果は全く異なるのである。
放たれた砲弾が宇宙船群へと肉薄するも、本来であれば防御膜に阻まれて着弾はしない。だが、砲弾群は防御膜を態とらしく“貫通する姿”を現して船体に着弾したのであった。
その様相を目の当たりにし、魔術師共は驚愕しだした。完全無欠に近い力量を手に入れたと思っていたのだろう。それを意図も簡単に覆されたのだ。しかも戯事のようにあしらわれた感じにも見えてしまう。
そんな連中を冷めた表情で見つめるミツキと周囲の面々。相手側を態とらしく泳がせたのだと、その冷めた表情が全てを物語っていた。何と言うか、見事な展開だわ・・・。
第11話へ続く。
実弾もレーザー弾も無効化するバリアとシールドの力量。何と言うか、ぶっ飛んだ設定を考えたものだと思ったりしてますが@@; まあ既に繰り出してしまった設定群なので、今後も用いる事にしていきます><;
でも、不思議の海のナディアの劇中では、レッドノアのバリアに突撃して貫通させるニューノーチラス号の描写があったりしますが。あの設定と同じ感じなのですかね><; 劇中の物語は19世紀末でしたか、あの時代に宇宙船群が出たとしたら、地球の人類には為す術がないのは確かですが><;
ともあれ、もう少しで物語の核心へと迫れると思います。そこを上手く表現できるかどうか、今から悩んでいる感じですが><; 頑張らねば・・・(>∞<)




