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覆面の探索者 ~己が生き様を貫く者~  作者: バガボンド
第5部 迎撃戦と反転攻勢
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第10話 対巨大兵装8 宇宙船群の攻撃(キャラ名版)

 一瞬にして主力陣を気絶させられた愚物共。魔物頭と公爵共は、それなりにやれる存在ではあったと思われる。対して、今残るのは魔術師とその配下のみとなった。短絡的に攻撃を開始した愚物共とは異なり、とにかく間合いを取る事を徹底している。


 と言うか、魔物頭や公爵共とは異なり、この魔術師は魔力と魔法が使える存在だ。その力量までは分からないが、頭上の巨大兵装を操艦できるだけの実力は備わっていると思われる。よって、迂闊に手を出す訳にはいかないだろう。


 ちなみに、こちらの巨大兵装はレプリカヴァルキュリアとレプリカ大和にレプリカ伊400のみとなる。13隻の宇宙戦艦は各国に待機中であり、転送装置で送るにも若干の時間が発生するだろう。


 その間に頭上の巨大兵装をどう押し留めるか、これが今の俺達の最大の課題である。



魔術師「・・・なるほど、迂闊に手を出せない訳か。」

ミスターT「・・・ふむ、先読みとはお疲れ様だわな。」


 こちらが動かないでいるのを目の当たりにし、先読みを展開している魔術師。その相手に皮肉を込めて肯定した。それに対してニヤリと微笑むのだから、流石は悪党だと言わざろう得ない。だが、それでも完全に後手を取っている。


 俺達の行動次第では、即座にこの場を焼土と化す事ができる。その後は、各国への侵略を開始するのだろう。通常であれば、正に為す術無しの様相だ。


ヘシュナ「うーん、別に攻めて貰っても構わないのですけど・・・。」

ナセリス「そうですね・・・。」


 そんな中、見事なまでの挑発をするヘシュナとナセリス。雰囲気的に業を煮やした感じで、即断即決を狙いだしているようだ。実際にバリアとシールドの概念を考えれば、この場の俺達を守る事は容易となる。


 問題は将軍とカースデビル達か。まあこちらは彼らに密接し、バリアとシールドの範囲内に収めれば守る事は可能だ。彼ら自身に付与する事はできなくとも、その効果の恩恵を与える事が可能なのだから。となれば、次の一手は相手から動くのを待つしかない。


魔術師「・・・ふん、そうか・・・。ならば、望み通りにしてやろう・・・。」


 ・・・見事なまでの乗り具合である。ヘシュナとナセリスによる挑発が、魔術師を誘引する事ができた。言動からして、2人の言葉で頭に来たのだろう。


 “そんな行動をして大丈夫か?”という感じの一念が異世界組から飛び交うが、俺達地球組や宇宙種族組は“大丈夫だ、問題ない。”と念じ返した。見事なまでのネタの応酬である。そして、その流れに耐え切れずに爆笑しだすのだ。


魔術師「・・・貴様等・・・私を愚弄するのか・・・。」

ミスターT「・・・そう感じ取れるよな・・・。」


 身内の爆笑に案の定、激昂しだす魔術師。そんな相手にボソッとフォローを入れてあげた。確かに考え様によっては愚弄である。まあ実際には、念話内でのネタの応酬が原因なのだが。それを相手は愚弄と取ったのだから、ある意味で見事な誘導技である。


 直後、右手を掲げだす魔術師。すると、直上の巨大兵装群の砲門が動き出した。この場合は砲門というよりはオブジェクトの稼動と言えるだろうか。



 相手側が持つ巨大兵装は、通常の宇宙船が3隻に大宇宙船が1隻。そして、無理矢理巨大兵装化した機械の塔の合計5基。機械の塔は実際には攻撃能力はなさそうなので、攻撃するのなら4隻の宇宙船だろう。


 先に挙げたオブジェクトと言ったが、宇宙船群の突起的な部分が動きだしたに過ぎない。こちらのレプリカ大和などが持つ砲塔と言える兵装ではなかった。念話で宇宙種族組に確認すると、稼動しだしたのは一般的なレールガンらしい。


 とは言うものの、その一撃はレプリカ大和などの比ではない。俺達が持つ簡易レールガンと同等クラスだ。またチャージの仕方によって威力が様変わりするのもある。ノーチャージによる連発を行うのか、最大火力で放つのか、この差ぐらいである。


 これは俺の推測の域だが、魔術師はノーチャージによる砲撃のみを行うだろう。その理由は宇宙船群の力を最大限発揮できないからだ。魔力や魔法で強制的に稼動させたぐらいでは、同艦の真の実力を出す事など不可能である。


 ともあれ、通常ならその一撃を受ければ、こちらは完全に消滅するのは言うまでもない。


 そんな事を思っていると、ここは態と喰らってみるのも良いと挙げだす宇宙種族組。それに一瞬驚愕するが、バリアとシールドの概念が超絶大である事を思いだした。それに、必殺的な一撃を無効化させる様相も、相手にとっては特効的に効果がある。


 少々危険だが、ここは魔術師のご自慢たる一撃を喰らう事にした。




 4隻の宇宙船の突起部分が俺達に向けられると、一瞬輝いたと思った矢先、夥しい光弾が発射されだした。それに驚愕する将軍とカースデビル達だが、近場にミツキ達がいるので全く問題はない。


 彼らにはバリアとシールドの概念が働かないが、近場にいる概念が働いている人物がいれば恩恵に与る事は可能だ。それが悪心を持つ者でも同様である。過去に窃盗団事変があったが、あの時も同様に彼らを概念の範囲内に留めた事があった。


 まあでも、悪心を持つ者を近場に寄せる事自体行わないので、実際には恩恵に与る事はほぼ皆無だと言い切っていい。それに俺達側としては、そういった愚物を助ける事はしないしな。今回の将軍とカースデビル達は希な例だと言える。


 話を戻すが、放たれた夥しい光弾が俺達へと着弾する。凄まじい爆発を巻き起こすのだが、近場にいる魔術師側は大丈夫かと思ったりもした。すると、レプリカヴァルキュリアと同期しているミツキTが、彼らが転送魔法で距離を置いたのを確認したと言う。


 自分達を巻き込まないように距離を置くのは理に適った行動だが、それなら宇宙船内に退避するのが無難だっただろうにな。恐らく、俺達への圧倒的な力量の見せしめを確認するためのものだと思われる。



 数分間ほど光弾群が着弾したため、俺達の周りは凄まじい状態になった。しかし、案の定な感じだ。俺達自体は全く以て無傷であり、周辺の地面が抉り取られている状態でしかない。


 ただ、地面が飛散したため、夥しい粉塵が巻き起こった。視界は完全に遮られており、周囲を確認する事は不可能に近い。それなのに周囲が分かってしまうのは、総意が念話で見える範囲内での視覚情報を共有し合ったからだ。


 当然ながら、バリアとシールドの概念の範囲にいる将軍とカースデビル達にも、全く以て被害が及ぶ事は無かった。こちらも念話による総意からの情報提供だ。


 何と言うか、こうした実戦で念話の凄さを再確認させられると言うのは、実に皮肉な話だと言わざろう得ない。


    第10話・9へ続く。

 1ヶ月振りです><; 1つネタが挙がりましたが@@; 「そんなネタで大丈夫か?」「大丈夫だ、問題ない」な感じでしょうか><; ともあれ、いよいよ巨大兵装の稼動を描き出したという。と言うか、その一撃は致死性以外の何ものでもないため、今までは端的に登場させていたに過ぎませんが@@;


 まあでも、描いている側の自分が言うのも何ですが、先の展開が読めてしまうのは何ともな感じです。ですが、これらの展開は一種のスパイスそのものなので、命題?たる「ここへ来た本当の目的」への布石だと思って頂ければ。そもそも、警護者の段階で宇宙種族を登場させたのがマズかったのですがね@@;


 ともあれ、ラストまでもう少し。拙い作品ですが、ご拝見下されれば幸いですm(_ _)m

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