第10話 対巨大兵装2 通じる相手と通じない相手(通常版)
作戦会議と言う名の雑談を行った後、それぞれの行動を開始した。探索チームは各軍団を編成し、王城大陸の外周部を探索しに向かう。今回は総出で訪れているため、合計6チームほど編成ができた。
しかも各チームに宇宙種族や魔法使い達、更には大勢の魔物娘達を配置した。これにより総合戦闘力は相当なものとなる。それでも何が起こるか分からないため、ヒドゥン状態のメカドッグ嬢達も護衛に配置した。
地上での戦闘力は計り知れないものとなったが、相手がそれ以上の戦力を投じてきた場合は同様の戦力を投入する流れとなっている。
先ずは、レプリカブリュンヒルデによる空中支援。オリジナルより数倍以上の巨体なので、一同を回収して撤退する事も可能だ。今回は遠隔操作を行う形にしているため、最悪は同機を犠牲にしてでも総意を守る事にもした。
何が何でも総意を守る。これが偽勇者共を屠った後に決意した一念だ。そのためなら、無人兵器なら問答無用で投入する事に決めたからだ。これは宇宙種族組も同意してくれており、追加で色々と巨大兵装を投入する流れにしている。
レプリカブリュンヒルデ以上の兵装を出された場合は、レプリカヴァルキュリアが応戦を開始する事になっている。既に同機には躯屡聖堕メンバーが待機しており、超長距離レーダーを駆使して相手の動向を監視してくれている。
海上には今もレプリカ大和とレプリカ伊400が待機している。レプリカブリュンヒルデとレプリカヴァルキュリアの巨大さを前にすれば、迫力に欠ける巨大兵装ではある。しかし、その一撃は他の巨大兵装に引けを取る事はない。
極め付けは2隻の艦首のスーパーレールガンだろう。その一撃は相手の宇宙船群を簡単に屠る事ができるしな。見た目に騙されると痛い目を見るのは言うまでもない。
そう言えば、デュリシラが異世界惑星に来る前に、VRMMOの話をしていたな。ネタは冒険モノではなく、何とプレイヤーが創生した艦長にダイブして艦船を操艦するらしい。
何故それを思い出したのかは、今し方挙がったレプリカ大和がそれだ。艦船を操作する作品となるので、当然戦艦大和などの歴代の艦船群も登場するとの事である。
また、彼女から全ての事変が終わったら、共に暴れようとも誘われている。異世界惑星の戦いが終わり、全ての事変が解決したら、彼女と共に娯楽に酔いしれるのも良いだろう。
ただ、今はまだまだ課題が山積みだ。レプリカながらも本物の戦艦大和などを駆使し、今も蠢く悪党共を完全撃滅させねばならない。油断は禁物である。
しかしまあ、身内達の芸達者振りには脱帽だわ。多岐に渡る業物を持つ彼らは、今も異世界惑星の面々からは羨望の眼差しを向けられている。面白い事に異世界惑星の面々も、地球の娯楽に染まりだしているのが何とも言えない感じだわ。
そう言えばだが、異世界惑星の面々からもデュリシラと同じ感じの約束を願い出ていた。彼らからしての異世界惑星たる地球に赴きたいというものだ。
異世界惑星の住人達の身形からして、地球の特に日本では受け入れ難いものになるだろう。しかし、そこは身内達も大変お世話になっているアキバに赴くのが無難だ。身形自体が究極のコスプレの域に達しているため、すんなり受け入れられると思われる。
まあこの場合は、ヲタク気質の躯屡聖堕メンバーやトラガンの面々にご足労して頂くのが最善の策だろうな。彼らと一緒なら、間違いなく違和感なく動けるに違いない。
彼らが心置きなく地球への観光を楽しめるように、今は目の前の壁を攻略するしかない。まだまだ課題は山積みだしな。
(ふぅぉー! コイツ等は話が通じないモンス共わぅ!)
王城の城下町外で待機しつつ、面々の動向を注視し続ける。すると、遠方のミツキが何処か虚しさが込められた叫びをしてきた。念話で叫んできた所を見ると、どうやら戦いの方は結構な様相だと思われる。
(話が通じない場合は、食うか食われるかの差だからね。ならば・・・。)
((駆逐しちゃるぜぇ!))
(ぬぅぉー!)
この美丈夫達は・・・。彼女達も虚しさは抱いているようだが、それはそれとして割り振り動いている様子だ。何よりも念話を通して相手を屠る様相が伝わってくるのだから。
これは他の面々も同様のようで、現れる完全に敵対するモンスターを撃滅しているようだ。まあでも、この王城大陸自体が悪の巣窟と化している以上、そこにいる生命体はほぼ敵対をしてくると思った方がいい。
実際に最初に対峙したのは物言わぬ機械兵群であり、そして宿敵たる偽勇者共だったしな。今後もそうした敵対者との遭遇は避けられそうにない。
(・・・皆様方の何事にも屈しない姿勢には、心から感服致しますよ。)
(本当にそう思います・・・。)
(あー・・・あまり参考にしない方がいいと思う。)
(参考し過ぎると、後でドエラい事になるかと。)
ミツキ達の毎度ながらの活き活きとした姿勢に、ゼデュリスやアルディア達異世界惑星の面々が感嘆の一念を挙げてくる。
逆境や苦戦する場面に遭遇すれば、気分が萎えてくるのは言うまでもない。しかし、地球出身の面々や宇宙種族の面々は、そういった逆境を糧として変換する術を持ち合わせている。どんな状況であろうが、決して屈せずに笑いながら突き進むのだから。
この姿勢は地球での各事変から始まり、異世界惑星で更に覚醒したとも言える。楽観主義で突き進む姿勢は、俺も心から学ばねばならない。
ただし、一応その一念は参考にしない方が良いと、エリシェと共に挙げておいた。下手をしたらその勢いに押し潰される恐れもある。まあ俺が知る面々の気質からすれば、むしろ糧にしてしまうほど据わっていると思われる。
それにしても、レプリカ大和などでのスパーリングの繰り返しで、すっかりプロレス技に目覚めた異世界惑星の面々。異世界惑星ではご自慢の武器などは、全て防御に用いている。そして、攻撃の全てを格闘技で補っているのだから。
前にも挙げたが、そもそも格闘技は余程の事がない限りは致死に至る事は希である。本気で戦っても全く問題はなくなる。故に、武器による攻撃を中心としていた異世界惑星の面々にとっては、この格闘技は本当に斬新な戦術のようだ。
今も念話経由で伝わってくるが、出撃した探索チームの誰もが格闘技で応戦を繰り広げている。これで致死に至らないのだから、本気を出して攻撃したくもなる。
まあそれ以上に、相手がこちらを殺しに掛かってくるのなら、問答無用に抹殺するに限る。既に俺達が“引き金を引く”事に躊躇しなくなった事により、他の面々も時と場合によっては同様に引き金を引く事をしだしていた。
最後まで相手の事を思い続けるも、それが通用せずにこちらが倒されてしまったら実に話にならない。ならば、容赦のない一撃を下す以外にない。皮肉な事に、これこそが警護者の真髄となるのだから、何とも言い難いものである。
その後も探索チームは、王城大陸の探索を続けていく。襲い掛かるモンスター群は、話が通用しない相手に関してのみ屠る事を実行しているようだ。
不幸中の幸いと言うか、王城大陸でも全ての相手が敵に回る事はなかった。特にモンスター群は野性の力が働いているからか、こちらと生命の次元で繋がる相手に関しては絶対通じ合う事ができる。
特にミツキ達が顕著であり、仕舞いには恒例の仲間に誘う事も実行している。それに魔物娘達が後押しをしているのもあるようだ。彼女達の充実した生命力を目の当たりにすれば、否が応でも触発されるのは言うまでもない。
類は盟友を呼ぶ、か。ミツキ達の生き様から、異世界惑星の妹達へ。そして彼女達から、魔物娘達へと受け継がれていく。この和気藹々と言うべき連鎖は、最早留まる所を知らないと言える。
まあ救える生命は救い続けたいものだ。完全悪に染まっていなければ、まだまだ支える事は可能なのだから。それでも不可能な連中に関しては、徹底無慈悲な一撃を放つしかない。
まだ“再会”していない連中は無論、まだ見ぬ王城の主がそれだろう。そして、それら愚物が操艦する宇宙船群だ。まだまだ課題は山積みである。
第10話・3へ続く。
1ヶ月振りですm(_ _)m 今回は殆ど詳細描写が中心でした><; 風来坊の方もこの様な詳細描写があれば、もう少しマシになったのですがね・・・(>∞<) 何処か繋ぎ合わせている感が否めませんが、目玉となる部分には着々と進んでいますのでご安心を><;
しかしまあ、勢いに任せてカキカキができていた頃が懐かしいです。今はその都度思い立った部分を綴る事しかできておらず、断片的に展開している感じが否めません。酷い場合は同じ事を挙げている場面もありますし@@; 最後まで突き進むと挙げましたが、最後まで進めれば良いと思う今日この頃です><; 拙い作品ですが、拝見下されれば幸いですm(_ _)m




