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覆面の探索者 ~己が生き様を貫く者~  作者: バガボンド
第5部 迎撃戦と反転攻勢
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第9話 愚物との決戦9 盟友達と共に(キャラ名版)

ミツキ「さて・・・どうするわぅか。」


 茶菓子を漁りつつ、王城側を見つめながらミツキがボヤく。先の抗争から離脱したものの、未だに真の巨悪は現れていない。


 いや、倒そうと思えば即座にできなくはない。だがそれを行えば、連中と全く同じになってしまうだろう。しかし、その甘さが諸々の事変を悪化させてきたのも事実ではある。


 何度も言うが、超大な力を持つ存在は、その力の使い方で大いに悩まされる。そもそも、リアルの世界を生きる俺達とすれば、その俺達自体が超チート的な存在だ。重火器が最もたる力量である。


 それ故に異世界惑星での各事変では、完全に後手の後手に回るしかなかった。異世界惑星の力量に合わせたのなら、ここまで悪化する事はなかったのだろうがな。


 だが遅かれ早かれ、王城側が埋もれた宇宙船を発掘したのは間違いない。その時に何の力も持ち合わせていなかったら、それこそ今以上に悪化したのは言うまでもない。その場に合った適切な力量を展開する、それが警護者の真髄でもある。


 それに、極悪の存在以外は救えてきたとも思える。俺達が現れなければ、リューヴィスの女性陣やダークエルフの女性陣、そして魔物種族達を救う事ができなかったのも事実だ。


 この際、この異世界惑星の創生に携わった云々は除外する。問題は今後をどうするかだ。そのための作戦を考えているのだが、今は一歩先を見出す事が難しい感じである。


ナツミA「まあその考えも分からなくはないですが、今は先を見据える事を優先しましょう。」

ミスターT「心中読み、恐れ入ります。」

ミツキ「ウッシッシッ♪」


 そんな俺の心中を読んでくるナツミA。その彼女に皮肉を込めて返すと、ニヤケ顔で笑うミツキである。他の女性陣もニヤケ顔で笑っていた。


 まあこの言動ができるだけマシだろう。これすらもできない状態に陥ったら、お先真っ暗そのものとなる。


デュヴィジェ「小父様、燻り出しなら徹底的に行いますよ。」

ミツキT「確かにその方が良いかも知れません。相手の戦力を大いに殺げますし。」

ミスターT「ただ単に暴れたいと言うのが本音だろうに・・・。」


 徹底抗戦は望む所だと挙げるデュヴィジェとミツキT。しかし、本音の方は暴れ足りないという事だろう。それを挙げてみると、恐ろしいまでのニヤケ顔で微笑みだした。これは他の面々も同様のニヤケ顔である。


 先程の偽勇者共の一件は、既に過去のもののようだ。こちらは今だに引き金を引いた事への罪悪感が払拭できていない。無論、相手が極悪であれば容赦ない引き金は引くに限る。


 まあこの一念が現れるだけ、俺も極悪には至っていない証拠だろうな。先にも挙げた通り、この一念などが出なくなれば、お先真っ暗そのものだ。それだけは絶対に至ってはならない。



セレテア「少し休憩を挟んでから、再び攻め込みますか?」

ミスターT「そうしたいのは山々だが、先ずは残る探索を終えた方がいい。」

シェネア「確かにその方が良さそうですね。」


 既に準備万端、何時でも行動できる雰囲気を醸し出す面々。その中で、セレテアが今後をどうするかを尋ねてくる。直ぐに攻め込んだ方が良さそうだが、不安要素が数多く存在しているのが何とも言えない。


 そこで、回りくどいが探索を継続する事にした。既に王城大陸の外周はメカドッグ嬢達が探索を継続してくれている。しかし、この目で現状を把握しないと納得できない部分もある。


 決して彼女達を疑っている訳ではないが、場所が場所なだけにしっかりと探索した方が良いだろう。先程の様に最悪の状態に至っている場所もあるかも知れない。


ミツキT「Tさんが仰っている通り、相手に直接攻めて来て貰った方が楽ですよね。」

ミスターT「本当にそう思うわ。」

デュヴィジェ「それか、ラスダンに直接乗り込むか、ですけど。」

ミスターT「ほらそこ、物凄く意欲的に語るんじゃない。」


 俺の心情を読んだのか、相手に攻めて来て貰った方が良いと語るミツキT。そして、直接乗り込んだ方が良いと語るデュヴィジェ。しかもニヤケ顔でいるのにはゾッとする。


 ミツキTの方は一種の後手側で考えてはいるが、デュヴィジェの方は完全に先手側で考えている。ゴーサインさえ出れば、何時でも実行しかねない危険な様相だ・・・。


 それに彼女の一念は、他の面々の思いを代弁しているかのようである。先程の軽食時でもそうだが、本当に目を離せば何時でも突撃しそうな感じである・・・。


スミエ「まあまあ、ここはTちゃんが挙げた通り、不安要素を削る事から再開しましょう。それに相手を劣勢に持ち込めば、否が応でも全力を出さずにはいられなくなりますし。」

ヘシュナ「ですねぇ。むしろその方が大いに楽しめると思いますよ。」

ミスターT「楽しめる、ね・・・。」


 サラッと語るスミエに、同調しつつもニヤケ顔で語るヘシュナ。デュヴィジェほどの感じではないが、静かに闘志を燃え上がらせるヘシュナには怖くなる・・・。


 まあ俺が踏ん切りを付けないのは、再び引き金を引く時が来るのを恐れているのもある。既に数多くの愚物を屠ってきてはいるが、それでも生命体に対して、死を放つ事には違和感を抱かずにはいられない。


 この部分は永遠に付き纏う一念となる。むしろ、この一念がなくなったら、その時の俺は連中と全く変わらない愚物と化すのだから。


 案外、こうして振り返られるのは有難いのだろうな。こうした回帰を繰り返す事により、誤った道に進む事を阻止してくれているのだから。




ミツキ「私が言うのもなんですが、人を殺害するのは気分が良くありませんよね。」

ミスターT「まあな・・・。」


 今も抱くこちらの心境を読んできたミツキ。彼女達も旧新大陸にて愚物共を殺害している。今まで必ず不殺の精神を貫いていた彼女が、目の前のあまりにも悲惨極まりない現状に引き金を引いたのだ。


 その時の心境は、俺が初めて他者を殺害した時と同じものだろう。と言うか、正直彼女達は一般人だ。その彼女達が他者を殺害した現状は、地球の日本では殺人者となる。かく言う俺も同様でもある。


 その概念を封殺したのが警護者の存在だ。今ではミツキ達も立派な警護者故に、非現実の行動を合法的に実行できる。その究極が他者の殺害だからな。


 まあぶっちゃけ、好き好んで他者を殺害する事を喜ぶカスには至りたくない。だが、その一撃で救われる生命が多くあるのなら、心を鬼にして引き金を引くに限る。それが警護者の真髄でもあるしな。


ナツミA「でも、私は後悔はしてません。むしろ、本当にその時が来たのなら、率先垂範して引き金を引く覚悟をしていましたので。」

ウエスト「お嬢の覚悟に関しては、何度も愚痴られていたからな。それを実行する事になったし、消えない罪を背負ったも当然ではあるが。」

サイバー「今し方、マスターが思われた通りだと思いますよ。好き好んで引き金を引く事を行わないのであれば、問題はないでしょうし。」

ナッツ「そうっすよね。まあでも、その一撃で救われる存在があるなら、俺なら容赦なく引き金を引く方に回りますよ。」

エンルイ「悩ましい感じですよね。それでも、俺達は後悔はしていません。マスターが重荷になると思われるのなら、その半分を背負わせて頂きますよ。」

ミスターT「・・・ありがとな。」


 ここぞとばかりに語りだす盟友達。先にも挙げたが、ミツキを筆頭にナツミA達は一般人に属する。その彼らが異世界惑星で他者を殺害している。しかし、それに関しては後悔はしていないと豪語した。


 そう言えば、旧新大陸での愚物一掃事変後は、俺も共に放心状態に陥っていた。それだけ生命体の殺害がどれだけ酷な事かを痛感させられたのだ。


ミツキ「それでも、大切な存在を守るためならば・・・。」

ナツミA「ええ、冷徹無慈悲なまでに引き金を引く、よね。」

ミスターT「・・・ハハッ、その通りだわな。」


 徐に一服をしだす姉妹と四天王。彼らはプレッシャーやストレスがある時でしか喫煙しないのだから、今の心境は相当なものがあると痛感できる。釣られて俺も喫煙をしてしまうのは、一蓮托生な感じであろうな。


ミスターT「まあ何だ、お前さん達のお陰で、再び回帰はできたわ。」

ミツキ「では、ぼちぼち動くとしましょうか。」


 一服を終えると、俺の背中をバシバシ叩いてくるミツキ。その一撃に込められた一念は、常に共にあると感じれた。誰だって俺達の様な思いを抱きたくはないのだから。


 そんな俺達の側に集まるナツミAと四天王。ミツキと共にこちらを見つめてくると、力強く頷いてくる。その彼らに対して、俺は心から頭を下げた。



 結局の所、回帰する先があるだけ本当に有難いと言うしかない。毎度ながらの回帰により、周りには相当な気苦労を掛けてしまう。だが、それすらできなくなれば、最早愚物共と全く変わらない存在に陥る。


 この考えも何度も振り返っているが、その振り返りがどれだけ大切なのかを異世界惑星の各事変で痛感させられた。今後の地球での警護者の活動に、相当重要な概念になるだろう。


 身内達も決戦を望んではいたが、その淵源たる生命体殺しの様相に色々な思いを巡らせているようだ。いや、正直な所はそれが非常に望ましい。


 先にも挙げた通り、他者を殺害する行動がどれだけ悪道かを知って欲しいのもある。無論、それに怖じずに極悪は容赦なく屠って欲しいものだが。



 己の実行する行動が怖く、手を拱いていた結果が今である。だが実際の所は、この巨大な異世界惑星を縦横無尽に動く事など不可能だ。よって、全ての声無き声を救う事など不可能でもある。


 それでも、リューヴィスの女性陣やダークエルフの女性陣、そして魔物種族達を救えた事は本当に良かったと思っている。結局は行動するかどうかで、その結果を勝ち取る事ができるのだから。


 何か屁理屈ばかりの独り言ではあるが、何であれ結果が良くなるなら何でも用いてやる。それが俺の絶対不動の原点回帰の1つだしな。



 徐に王城の城側を見つめる。ここに訪れた時と変わらないものだが、以前よりも遥かに禍々しい様相を醸し出している。


 最後の戦いは近い。しかし、焦らず一歩ずつ進むしかない。この繰り返しが俺達の生き様だしな。


    第10話へ続く。

 お久し振りですm(_ _)m お身体は大丈夫ですか? この暑さはまあ><; 自分は夏生まれ(今月)ですが、とにかく暑いのが苦手ですわ><; 逆に真冬の方が得意という@@; 風邪引きや防寒対策さえ整えれば、すこぶる快調な気節ですし(-∞-)


 話は変わり、何とか進めている探索者。回想録が多い感じですが、実際に引き金を引く部分には大いに悩まされている次第で。他の方々が描く作品の主人公達が、意図も簡単に引き金を引ける部分には、正直な所羨ましいとしか言い様がありません。無論、その決断力と言うか踏ん切りと言うか、その部分ですが。


 今の世上を見ると、その引き金ウンタラが非常に響いている次第で。逆に愚物群なら容赦なく引き金を引くべきですが(何@@; ええ、容赦なく引きたい所です(-∞-)


 ともあれ、今後も一歩ずつ進めて行ければ幸いです。拙い作品ですが、今後ともよろしくお願い致しますm(_ _)m

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