第9話 愚物との決戦2 戦闘レベルの差(通常版)
(今の所は、どれも機械兵なのが救いでしょうか。)
(本当にそう思います。)
最前線で大暴れするミツキTとイザベラ。その2人を守りつつ、同じく大暴れするイザリア三姉妹にメカドッグ嬢達。デュヴィジェは重火器を駆使し、彼女達を守る側に回っている。
イザベラ達は初対峙となるため、緊張した感じで動いている。対して俺達の方は、余裕を以て動けている感じだ。地球での各事変を踏まえれば、異世界惑星事変の様相はヌルいとしか言い様がない。
ただし、異世界惑星での相手は生命体が出揃っている。魔物族や極悪の生命体がそれらだ。機械兵の様な人工物ではなく、生きている存在である。殺害に躊躇するのは言うまでもない。
本当に矛盾過ぎる考えが脳裏を過ぎり捲くる。それでも、相手を潰さなければ、こちらがやられるのも事実だ。今は心を鬼にして踏み切っていくしかない。
(T君さ、偽勇者共が現れたら、私達が貰ってもいい?)
(因縁の相手ですからね。)
(因縁の相手、か。)
前衛が機械兵群を蹴散らしているのを見守っていると、シュームとエリシェが念話で語り掛けてくる。その内容は、偽勇者共の相手をしたいというものだった。
過去にネーヴァレアでの対決時、最期通告的な感じで修行を促していた。今以上に努力を重ね、それ相応の実力を持って来いというものだ。実際に実行しているかどうかを確認する意味合いもあるのだろう。
まあ仮に修行をしていたとしても、今の身内達の実力の前では到底敵う相手ではない。身内達の戦闘力は相当な領域に至っているからな。相手がそれなりに実力を得たとしても、結果は火を見るより明らかである。
(他にも愚物共が出てくると思うが、相手にしたい面々で暴れても良いと思う。)
俺の一言を伺い、大いに盛り上がる面々。念話により、その意気込みが十分伝わってきた。偽勇者などの“ネームド”キャラは、身内にとって非常にレアな存在だろう。飢えた身内達の欲望を満たすには、この様な存在は重要とも言える。
相手の強さによっては戦術を変えねばならないが、恐らく問題はないと思われる。むしろ、今は王城の頭が誰なのかが気になる所だ。
ただ、先にも挙げたが、どんな相手でも身内の宇宙種族達には遠く及ばない。特に最強の力を持つギガンテス一族や、万能戦闘力を持つデュネセア一族には絶対に敵わない。赤子の手を捻る感じで終わるだろう。
それでも油断は禁物だ。相手がどんな存在であっても、最大戦力で挑むのが無難である。
今も何処からともなく現れる機械兵群を、完膚無きまでに破壊していくミツキT達。相手が生きていない以上、全力を以て撃滅しても問題はない。それに、今の俺達は“引き金を引く”事ができる。
ただし、相手が極悪であり、対処の方法がない場合のみに限る。誰彼構わず引き金を引く事だけは避けたい。そうなった場合は、最早警護者ではなく殺人者だ。
だが、時は俺達に必要を迫ってくる。地球での各事変ですら、引き金を引く事はなかった。それが異世界惑星では、身内のほぼ全員が引き金を引いている。幸いなのは相手が極悪だった点だろうな。
今も何処か罪悪感が否めないが、その罪悪感で今後も道を踏み外さなければ申し分ない。最後は己自身との対峙となるので、この部分は何度でも回帰すべきだと痛感せざろう得ない。
どのぐらい時間が経過しただろう。今もミツキT達が機械兵群を蹴散らしている。相手が相手なだけに問答無用に挑めるのが無難な所だろう。
本当に些細な概念に振り回される感じだが、そこを踏み外せば人の道から外れるのは言うまでもない。例えそれが無人機であっても変わらない。
身内達が何度も言ってくれたが、本当に警護者とは損な生き様しか貫けない。それでも、その行動で助かる存在がいるなら損ではない。実に矛盾している感じである。
機械兵群を潰して回っていると、探索に回っていた4チームが到来してくる。調査は無事終わったようである。そもそも、この王城大陸は異世界惑星の大陸変動により、かなり縮小してしまっている。魔物大陸の探索を考えれば、実に朝飯前的な感じだ。
この様相を踏まえれば、他国への侵略を行うのは目に見えてくる。実際に魔物大陸への侵略行為や、旧新大陸の過剰な開拓などが該当する。地球でも同様の愚考が横行しているしな。
ともあれ、王城大陸の探索は無事終わった。残るは王城自体の攻略だ。全ての戦力が出揃うと思われるので、気を引き締めていかねばならない。
(ぬぅーん、ヌル過ぎるわぅ。)
到来直後、目の前に襲来する機械兵群を瞬殺していく面々。特にミツキが挙げた通り、今の彼らにとっては本当にヌル過ぎる感じだ。
振り返れば、地球での各事変の相手は、相当なレベルであったのが懐かしい。機械兵士群は異世界惑星の機械兵とは雲泥の差で、多岐多様の兵装を扱っていた。特に飛び道具群が顕著である。
異世界惑星の機械兵群は、とても“理に適った運用法”を用いていない。相手の杜撰な対応が目に浮かぶわな。所詮はオーバーテクノロジーの粋を理解せず、利用するだけのものだ。実に話にならない。
(とにかく、徹底的に駆逐し続けるのが無難だ。相手から出て来ざろう得ない状況に持ち込めばいい。)
(何らかのアクションゲーム的な感じですよねぇ。)
ボヤきながらも、的を得た発言をするナツミA。正にその通りだわ。各作品でも、一定の兵力などを減らさないと、次のステップに移行しない場合がある。眼前の機械兵群もそれで、相手の兵力を減らす事が必須となるようだ。
そもそも、王城側も転送魔法の応用で増殖技を使っている。そうでなければ、これ程までの兵力の具現化は絶対にできはしない。それに生命活動を行わない存在なので、容易に増殖や製造が可能だ。
異世界惑星となれば魔物群が到来しそうな感じだが、現状は機械兵群しか登場してしない。この点は地球の抗争の終盤と全く同じだ。
第9話・3へ続く。
殺風景的な感じで申し訳ないですm(_ _)m 何とかカキカキを繋いでいますが、最近は閃き度が著しく低下していて、思う様に作品が描けていません><; う~む・・・本当に悩ましい限りで(-∞-)
しかし、悪党共の最後は他者を信用できなくなるのは言うまでもなく。無人兵装を多用するのは、異世界仕様でも“リアルでも”全く変わりませんね。極め付けが大量破壊兵器などに至りますし。
ファンタジー(この場合はリアルと相対する意味合い)作品にリアリティを持ち込むと、途端に重苦しくなってしまう事を痛感しています><; 最後まで描ければ良いのですが・・・(>∞<)




