第8話 崩壊する王城7 小物の所在(通常版)
雑談を終えた俺達は、最後の探索を開始しだす。探索組を4チームに分けて、王城大陸の地形などを把握しに向かった。当然、ヒドゥン状態での行軍である。会話に関しては、念話を惜しみなく使う事にした。
既に最終決戦となっている現状、出し惜しみをして不利になるのはよろしくない。ここは可能な限りの力を駆使し、完全勝利の道を切り開くしかない。
俺はと言うと、リーダー格の面々と共に本陣を守る事になった。と言うか、その本陣自体が敵の目を引き付ける役割を担っている。他の面々がヒドゥン状態故に、間違いなくこちらに目が向けられるだろう。
ただ、今の現状を窺う所、こちらへの横槍はなさそうだ。その理由は、今も王城側から黒煙が上がりっ放しである。現地では住人による反乱が起きていると思われるが、今は身内達の方を重視するしかない。
見捨てるかの様に見えるが、あくまで重要なのは真の極悪をどう潰すかだ。後の異世界惑星を救うのが今の俺達の課題となる。それに王城群に住まう面々は、こうなる事を覚悟の上で行動をしたのだから。
烏滸がましい感じだが、この部分を割り振らねば再び同じ輩を生み出しかねない。ならば、ここは心を鬼にして当たるべきである。
(そう言えば、ここの大規模スタンピードは収束したわぅ?)
(ふむ・・・確かに見当たらないわね。)
(“確定的”な感じ、だわな。)
念話を通して、ミツキから声が届く。それは、王城大陸の大規模スタンピードに関してだ。その後、ナツミAが挙げた通り、今現在の目視では全く見当たらない。他の大陸では数週間は掃討に当たった事から、ここでもそれなりの痕跡があってもおかしくはない。
何故そう言い切れるのか。それは、各大陸に配置されている巨大兵装だ。俺達総意の総合戦闘力は無論、オーバーテクノロジーたる巨大兵装を用いても数週間は掛かったのだ。
王城大陸の総合戦闘力は今の所不明だ。しかし、4隻の宇宙船があるのを考えれば、それらを用いて排除したと思われる。それにしては、王城大陸の大地が綺麗過ぎた。
(なるほど、マスターが思われた通り、確かに綺麗過ぎます。)
(巨大兵装を用いない場所でも、各技により地表の破壊が起きますからね。)
(お前さん達の力量とすれば、大魔法が正にそれだしな。)
異世界組が得意とする魔法群。それらの極みは大魔法となる。地球での兵装を当てはめるのなら、核兵器以外の大規模兵器が該当する。そんな力が解放されたのなら、大地には結構な痕跡が残る筈だ。それが、今の王城大陸の大地は綺麗過ぎる。
短期間にモンスター群を壊滅させるには、間違いなく4隻の宇宙船を使わねばならない。それ以外の力を持っているのかと推測できるが、今の王城にそこまでの力はないだろう。
(宇宙種族の方々に質問だが、連中は更に力を持っていると思うか?)
(うーん・・・有りえないと思います。それに、あったとしても使えるかどうか。)
(本当です。魔力や魔法の力を用いたとしても、せいぜい50%程度ですよ。)
俺の質問に、前々から挙がっていた内容を再度提示してくれた。デュヴィジェもナセリスも宇宙種族のテクノロジーの力量を把握し切っている。故に王城群が出せる力量も“ほぼ”把握できている。“ほぼ”と言うのは、100%把握し切れていないからだ。
これに関してはどうしようもない。相手の様相を把握できないため、今現在どうなっているかは全くの不明である。それでも、5大宇宙種族やミツキTにティルフィアが出せる力量を超える力は絶対に出せない。それだけは地球人の俺でも断言できる。
(推測ですが、機械の塔から力を吸い出したと取れますかね?)
(時間があれば可能性もありますが、連中が発見してからは時間が短過ぎます。)
(正直な所、連中には絶対に扱えません。)
イザベラの問いに答えるヘシュナとナセリス。その中で、完全に相手を見下した発言をするナセリス。これに関しては大いに同調できる。漠然と力を使うだけでは、それ以上の力を得る事は不可能だからだ。
ただ、もし今も姿が分からない王城の頭。そいつにそれなりの力があるのなら、可能性は十分あるだろう。あれば、であるが・・・。
(ええ、大いに見下しても良いと思います。)
(はぁ・・・お前さんにしては珍しいわ・・・。)
(私もナセリス様のお考えには同調できます。連中は見下しても良いと思いますよ。)
(そうですか・・・。)
何ともまあ・・・。宇宙種族の面々は、余程の事がない限り相手を見下す事は決してない。しかし、王城群に関しては痛烈なまでに見下しの一念を見せている。それだけ、相手の姿勢が彼女達にとっては許せないのだろうな。まあ俺も全く同じ思いである。
実際に連中がしてきた行為は、地球の各事変を引き起こした愚物と全く以て同類である。正直な話、そんな連中に一切の一念を抱くのはご免被りたいものだ。
(偽勇者共はどうしてるんですかね。)
(4隻の宇宙船の手前、出るに出れないんじゃないか。)
カネッドのボヤきに、皮肉を込めて返した。かつて、彼女達と抗争を繰り広げた偽勇者共。その後も何度も襲来してきたが、その都度撃退を繰り返している。最後の襲来時はシューム達が痛烈なまでの撃退をしていた。それ以降は一切音沙汰無しである。
あの手の小悪党は、敗退を繰り返せば逆恨みを募らせる傾向が強い。だが、どんなに実力を高めようが、魔物族や竜族には全く以て遠く及ばない。それこそ、機械の塔絡みの兵装を駆使するぐらいでしか打開策もない。
魔力と魔法が根付いている異世界惑星の住人なら、その力を使って各兵装は扱えるだろう。だが、それでも真の実力には至らない。絶対に超えられない壁が明確に存在しているしな。
(あら、あの小僧がまたでしゃばったら、今度こそ殺して良いのよね?)
(そうですねぇ~、その方が良いと思います。)
(怖ろしい事を言いやがるわ・・・。)
サラッと怖ろしい事を述べだすシューム。偽勇者共を平然と殺害すると言い切っていた。ナツミYUも同調しており、本気の2人を押し留める事は不可能だろう。
(ただ・・・あの気質で、男爵や伯爵の様に対処不能に陥るのなら・・・。)
(小悪党は抹殺するに限りますよ。)
(その役を担わせて頂けるなら、喜んで実働します。)
(そうですか・・・。)
ヘシュナとナセリスもサラッと怖ろしい事を述べてくる。その2人にニヤケ顔のシュームとナツミYU。まあ4人とも、気質的には実力行使を念頭に入れている。もし俺が不殺の精神を出さなければ、相手は間違いなく殺害されていただろう。
本来なら、4人の様な生き様が生粋の警護者と言える。守るべき対象を徹底的に厳守し、降り掛かる火の粉は完全なまでに払い除ける。相手が誰であろうが、護衛対象を守り切るのが警護者なのだから。
それを考えれば、俺の今の生き様は警護者失格そのものだ。優柔不断で周りを困惑させ、本来出せる力を封じているのだからな。無様としか言い様がない。
第8話・8へ続く。
何とか間に合った・・・><; 毎度すみませんです><; ですが、描いた様相がアヤフヤ化しており、本当に間に合わせそのものであると言わざろう得ません><; お見苦しい所をお見せして、本当にすみませんm(_ _)m
劇中でも挙げた通り、偽勇者共などが出ていませんね@@; 話を盛り上げるスパイス程度でしかないので、本題を前にしたら忘れ去られている感じです(-∞-) まあ今後登場したとしても、ある程度のやり取りの後は瞬殺する感じになりそうですが@@; これを踏まえれば、早めに始末しておけば良かったかも知れません><; 見事に展開を見誤りましたね(>∞<)
ともあれ、何とか最後まで突っ走らせたい所です。今後も頑張らねば・・・(=∞=)




