第7話 人質と新大陸の解放5 重苦しい一撃(通常版)
何とか、第5部・第7話が完成できました><; この後も数回に分けてアップさせて頂きますm(_ _)m
雑談しながらも、上陸準備が完了した面々。今回は、ほぼ白兵戦になる事が予測される。最悪は、新大陸の面々と直接対決になるだろう。だが、あの経緯がある以上、こちらとは敵対状態にあると言って良い。様相次第では、排除対処になる。
それに、既に引き金は引かれた状態だ。異世界惑星に害となる存在なら、問答無用で引き金を引く覚悟である。慈悲は無用、徹底的に叩き潰すのみだ。
そんな事を思っていると、方々から心配するなという一念が、念話を通して飛んでくる。先の海岸事変の様相を見てきているからか、彼らの方も引き金を引く覚悟を決めたようだ。
ただできれば、総意にはその役を担って欲しくはない。これは俺自身のケジメの一撃でもあるからな。それでも、総意は共闘を申し出てくるだろう。常に共にあり、と。
人は1人では生きてはいけない。意味合い的には異なるが、根底の部分は全く同じだろう。本当に、周りあっての自分自身だと痛感せざろう得ない。
甲板上に戦闘準備を整えた俺達を乗せつつ、レプリカ大和は新大陸の桟橋へと進みだす。近場ではレプリカ伊400が待機しているが、今回は偵察任務に終始する形との事だ。
予想していた事ではあるが、実際にその場面に遭遇すると心苦しい感じか。レプリカ大和が桟橋に接近しようとすると、桟橋各所に配置された砲台が火を噴き出した。かつての味方であった場所からの攻撃には、色々と思う所はある。
しかし、明確に敵対と見なしているのだから話は早い。一応、人的被害を出さないように、こちらも反撃を開始した。レプリカ大和の各砲門が火を噴き出し、相手側の砲台を一撃の下に破壊していく。
どう考えても、確実にレベルが違う。それを踏まえての攻撃なのだから、萎える気持ちが出てくるのは言うまでもない。こちらの巨大兵装の火力を知っているだろうに・・・。
無論、相手から放たれた砲弾は、バリアとシールドに阻まれて着弾すらしない。レプリカ大和が悠然と桟橋へと近付く様は、見事なまでの重圧感である。
「マスター、抵抗してくる“輩”はどうしましょうか?」
「“輩”、か。話が通じない相手はまあ・・・。」
「排除しても構わないと言う事ですね。」
言葉を濁して帰すものの、至って平然と答えるエリシェとラフィナ。2人にとっては、引き金を引く事には躊躇しない感じか。他の面々も、完全に吹っ切れている感じである。
ただ、今の今まで行動に出なかったのは、俺の不殺の精神を立ててくれていたからのようである。今まで歯痒い思いをさせてきてしまったのは、紛れもない事実だわな。
「T君さ、私達も過去に人間を殺めてきた事が多々あるからね。何を今更と言った感じになってくるし。」
「そうですよ。それに、相手が対処不能の悪であれば、問答無用で叩き潰すに限ります。警護者になった手前、それは常々覚悟し続けていますので。」
「そうだな・・・。」
俺の心情を見抜いてきたシュームとナツミYU。2人ともバリバリの警護者であり、過去に何人もの人間を殺害してきた。他のバリバリの警護者達も、同様の流れを数多く経験してきている。シュームが挙げる通り、何を今更と言った感じである。
それでも、完全な踏ん切りが付かない部分は、やはり迷いがある証拠だろうな。これは今後も続きそうな感じだわ・・・。
新大陸の港へ接岸するレプリカ大和。タラップを掛け終えると、我先にと飛び出して行く身内達。そこに武器を持って襲来する、新大陸に駐留する兵士達。恐らく本土から派遣された連中だろう。
身内の個々人には、それぞれペンダント効果によるバリアとシールドが展開している。相手が放つ一撃は、そのどれもが直前で見えない壁に阻まれて効果を失った。だが、重要なのは相手がこちらを殺しに掛かって来ているという事実だ。
それを見た俺は、甲板上から懐刀の拳銃で精密射撃を開始した。狙うは相手の頭部、即死を狙ったものだ。放たれた弾丸は相手の頭に着弾し、一撃の下に瞬殺していく。
(・・・とっとと終わらせて、この嫌な気持ちを消し去りたいわ・・・。)
(アハハッ、確かにそうね。)
(大丈夫ですよ。相手が明確に悪となるなら、何も問題はありません。)
念話を使い、物凄く重い口を開き、今の心境を吐露した。人間を殺害する事が、これ程までに苦痛を感じさせるのかと。だが、間髪入れずにシュームとナツミYUがフォローしてきた。
2人の方は、懐刀の拳銃を駆使し、相手の頭部を的確に狙撃している。そこには何の躊躇も感じさせない見事な決死の一撃だ。他の現警護者の面々も同じで、懐刀の拳銃で一撃必殺の弾丸を放っている。
そんな中、何の感情も抱かない様な姿を醸し出す宇宙種族組。目の前に迫る愚物共を、自前の獲物で一撃の下に叩き伏せていた。俺達警護者サイドの概念を超越した、もっと殺伐とした概念と言うべきか。
今の今までのナアナアな行動が、まるで嘘の様な様相だ。躊躇なく放たれる決死の一撃に、今更ながらに呆気に取られてしまう。だがしかし、その颯爽たる決着の仕方には、警護者の真髄を思い知らされる。
(何度も挙げましたが、お兄様は優し過ぎるのです。相手に明確な殺意があれば、それは最早敵対そのもの。そこには慈悲など一切無用。)
(その通りですよ。躊躇すれば、こちらが倒されるだけ。ならば、容赦ない一撃を放つのみ。皆様方の語句を用いるなら、殺るか殺られるか、このどちらかですよ。)
目の前の愚物共を、自前の怪力で粉砕するミュティナ。姉のミュティラや妹のミュティヌも同様に、一撃粉砕で相手を瞬殺していた。惨劇そのものだが、それが当たり前の様に振る舞う姿には脱帽するしかない。
そしてルビナの言う通り、殺るか殺られるか。相手に明確な殺意があるのなら、最早このどちらかの選択肢しかない。彼らは超大に長く生きた人生の間に、一体どれだけその決断に至ったのか。今の俺には到底理解できない。
先にも挙げたが、俺達警護者サイドの概念を超越した行動に、こちらも呆然としてしまう。それだけ、筆舌し尽くし難い生き様を刻んできたのは、最早言うまでもない。
第7話・6へ続く。
冒頭通り、何とか第7話が完成できました><; コツコツと書いては修正し、また書いては修正し@@; 一応、次の話の冒頭部分までは進めましたが、再び停滞状態になっているのが何とも(>∞<)
しかし、蓋が開いた状態=引き金が引かれた状態の現状は、思い切った描写ができそうです。元来から警護者はそうした集まりでしたし。無論、それは悪心を持つ悪党に限りますがね。
何にせよ、そろそろ終盤に突入する形になります。これで大改修を行えれば、更に見栄えが良くなるのですが・・・><; まだまだ先は長そうです(>∞<)




