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覆面の探索者 ~己が生き様を貫く者~  作者: バガボンド
第5部 迎撃戦と反転攻勢
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第7話 人質と新大陸の解放1 次の2つの行動(通常版)

 魔物大陸でのイザコザ。貴族連合の到来と、その後の宿敵たる男爵と伯爵の到来。前者は止むに止まれぬ理由からの侵略だったが、後者は最早救い様がない愚物と成り下がっていた。最後の最後まで変化を望んだが、その兆しは全くなかった。


 これ以上、のさばらすのは危険だと判断し、警護者の懐刀たる拳銃を向ける。そして、両者に決死の一撃を放った。無論、バリアとシールドを持ち合わせない相手は為す術がない。必殺の弾丸を頭に受けて絶命した。


 人間を殺害するのは、何年振りだろうか。警護者に成り立ての頃は、依頼を遂行するため、立ち塞がる障害は全て排除してきた。人であれば、問答無用で殺害である。それが、何時の頃からか、不殺の精神で進むようになった。そこまでの実力が備わった事もある。


 だが、それでも止められないものもあった。男爵と伯爵が良い例だ。あのまま、放置しておけば、異世界惑星に更なる災厄をばら撒く存在となっていた。


 皮肉にも、異世界惑星での魔物達や魔族達の殺害が、人間に対しての引き金を引く切っ掛けになった。魔物達や魔族達は殺害するのに、人間だけは殺害しないのか、と言う事だ。正に差別そのものである。


 何も難しく考える事はなかった。どんな種族であろうが、その存在が総意に害を成す愚物に成り下がるかどうか、それだけだったのだから。ここに帰結するまでに、一体どれだけの時間を無駄にしたのだろうか・・・実に笑えてくる。



 身内達は、俺の行動に反論する事はなかった。相手の言動自体が、最早救えない領域にまで至っていた事が明確な理由でもある。“元”貴族連合の面々みたいに、根底に抱える問題があったのなら、最後通告まで行かずに済んだのだから。


 それでも、後悔はしていない。むしろ、警護者の回帰すべき点に戻った事が幸いだろう。所詮警護者とは人殺しそのものだ。いや、生命体殺しと言うべきか。この業は一生、永遠に背負って生きて行かねばならない。


 ならば、声無き声を発する存在を守るために、俺は今後も引き金を引き続ける。相手が明確に救えない存在だと分かれば、冷徹無慈悲なまでの鉄槌を下すまでだ。


 警護者の生き様は、本当に地獄そのものである。だが、膝を折る事は絶対にしないがな。




「次の作戦は、この流れで良いのですね?」

「ああ、頼むわ。」


 今はレプリカ大和の艦上、甲板で作戦会議を行っている。同艦はヒドゥン状態で、新大陸の沖に停泊している。


 行う作戦は2つ。1つは、王城大陸の中枢、王城から貴族連合の家族達の救出。これは、ミツキTやティルフィアを筆頭に、スミエ・シルフィア・ヘシュナ・デュヴィジェの実働部隊にメカドッグ嬢達が行う事になった。全員が全員、隠密行動のスペシャリスト達である。


 救出方法は現地の様相で変わってくる。ここは彼女達に一任した方がいい。移動に関してだが、デュヴィジェが十八番の転送装置で一括移動を考えているらしい。この手法の方が、大勢を指定の場所に移動させる事ができる。


 それに、転送装置は魔法の類ではない。アンチマジックの応用で使用者の反応が分かるとされる転送魔法なら、事前に待ち構える事ができる。だが、転送装置はそれがない。つまり、王城側には為す術がないと言う事だ。


 もう1つは、新大陸の解放。これも現地の現状によるが、先の上陸作戦時に粗方の様相は把握できている。現状は、王城の息が掛かった連中が数多い。新大陸と言う名は、新愚物大陸と言うべきだろう。


 悪心の侵食度によるが、場合によっては完全排除で構わない。何れ異世界惑星からマイナス面の力を取り除くのなら、連中は排除の対象そのものである。本気を出して動いても一切問題はない。


 新大陸側には、他の身内達で当たる事になった。エヴェリムやリュヴィウス達は、魔物大陸の防衛に回って貰っている。今も砂浜には、貴族連合の面々がキャンプを張って待っている。そう、今回は彼らの代役を努める事になった。



「マスターも物好きですよね。」

「皮肉にしか聞こえないがな。」


 本当である。シェネアのボヤきは、正に皮肉にしか聞こえない。あれだけの悪態を付かれてきたのだ。その面々の肩を持つのは、実に馬鹿げているとしか言い様がない。


 だが、貴族連合の面々は、王城側の被害者でもある。元から悪道や悪心に陥っていないのが分かったのだから、手を差し伸べるのは当然の行為だ。ここを履き違えれば、唯の生命体殺しそのものだしな。


「私達も、魔物達を殺害はしてきました。無論それは、降り掛かる火の粉を払うが如く。しかし、貴方が最後まで踏ん切りが付かなかった、人間の殺害は今だにありません。」

「魔物達の根底は、弱肉強食の理が働いているしな。食うか食われるか、殺すか殺されるかの二面性だけだ。対処法が楽な種族ではある。」


 よくよく考えれば、セレテアの言う通りだろう。魔物達の根底概念は弱肉強食だ。オンオフ以外の選択肢がほぼない。戦術としての策略はあったりするが、人間ほどの戦略は殆どない。セレテア達ダークエルフ族に、シェネア達エルフ族も、分類的には魔物に属する。


 別段、人間だけが特殊と言う訳ではない。俺達人間族自体が、多岐多様の私利私欲を持つ故に、姑息な存在になっているだけである。その種族の出身たる俺が、同族を殺す事を躊躇するのは言うまでもないだろう。


 だが、それは一般人の立場であれば、だ。俺達は警護者である。護衛する存在を守るためなら、如何なる障害も排除していく。それが同族たる人間であってもだ。


「先刻の一撃の思い、念話を通して私達にも伝わって来ました。Tさんが警護者の全盛期に、他者を殺害していた一念がそれなのだと。」

「ミツキさん達は生粋の警護者じゃないからな。引き金を引く際は全て任せてくれ。」

「はぁ・・・何か、物凄く後味が悪いのですけどね。」

「それが警護者の根底概念そのものよ。」


 俺が人殺しをした場面を、初めて見た身内達。異世界惑星の面々は、住まう世界の殺伐さを思い知っているため、特に気にも留めていない。対して地球組の面々は、普通なら人間の殺害は絶対に行わない。そのため、俺の言動に違和感を抱いているようだ。


 しかし、俺と同じ警護者出身の面々は、来る時が来たのだと思っている様子。そう、不殺の精神で貫いていた姿勢を、何れ解かねばならない時が来ると覚悟していたようだ。過去の俺と同じく、彼らの方も人間を殺害する行為を行って来ている。


 守るべき存在の為に、容赦なく引き金を引く。そのお題目は見事だが、結局は人殺しだ。それでも、引き金を引かずにいた末路が、今までの惰性に走っていた様相である。犠牲者は出てはいないが、異世界惑星の面々は歯痒い思いをしていた事だろうな。


    第7話・2へ続く。

 未完成ながらも、完成している所までアップさせて頂きます><; 同話は今までの話の、大凡半分を過ぎたぐらいしか完成していません><; 多分、現状だと3週間持てば良い方かと@@; それまでには、同話を完成させねば(>∞<)


 劇中は、次なる行動に移りだした面々。3度目の対決となる新大陸の様相は、まあご想像にお任せ致します@@; と言うか、この部分で思い悩み、今も執筆が停滞してしまったのですがね><; 引き金を引いた後からは、どうしたら良いのか悩み所ですわ(>∞<)

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