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覆面の探索者 ~己が生き様を貫く者~  作者: バガボンド
第5部 迎撃戦と反転攻勢
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第6話 引き金を引く5 威嚇の引き金(キャラ名版)

 ブックマーク登録、ありがとうございますm(_ _)m 励みになりますU≧∞≦U 今後も奮起せねば><;

ミスターT「おいでませ、愚物ご一行様。如何様な理由で訪れた?」


 態とらしく一服しながら、相手に挑発も含めたボヤきを入れた。俺の他に、周りの面々も態とらしく悪態を付いている。見事なまでの演出だわ。


 しかし、今回の連中の様相から、このぐらいの威圧行為では反応は微々たるものだろう。現に相手の平然としている姿を見れば、それなりに肝っ玉は据わっているようだ。



男性「我は貴族連合の代表だ。今度こそ、この大陸を貰い受ける。」


 そう語るのは、貴族連合の代表とされる輩だった。明らかにボンボン極まりない存在だ。生理的に受け付けないのは言うまでもない。


 だが、本当の貴族のようで、それなりに威厳は備わっている。これで私利私欲に走るような存在でなければ、理想的な貴族となるのだが・・・。


リュヴィウス「断った場合はどうなるのだ?」

貴族王「実力行使で奪うとしよう。」


 ・・・前言撤回、このカス共は・・・。そう思った瞬間、俺と同じ一念を総意が抱きだしている。何処までも自分勝手な考えには、ホトホト呆れ返るしかない。


エリシェ「とは言いますが、こちらの総合戦闘力を見て判断しているのでしょうか?」


 彼女がそう語ると、台座上空に待機中のレプリカヴァルキュリアが動き出す。その巨体が重低音を響かせながら、こちらへと進み出て来た。圧倒的な存在感が、愚物共を威圧する。


 今の異世界事情からして、この手の空中兵装は場違いの代物だ。相手の怯む姿は、当然な感じである。まあ、今じゃ在り来たりとなるので、怯むのは希になるが・・・。


ラフィナ「あまり舐めない方が身の為ですけど。」

エリシェ「本当にそう思います、はい。」

貴族王「ぐぐっ・・・。」


 ラフィナとエリシェの挑発に、恒例的な発言をする貴族王。それを伺い、一際怒りを露にしだすミツキ。それに便乗し、他の女性陣も怒りを露にしていた。彼女達の殺気を感じて、貴族王は怯みだしている。


 どうして、劣勢に立たされた相手は、こうした発言しかしないのか・・・。まあ、それ以外に言葉が浮かばないのが実状なのだろう。それに、この手の一言の方が言い易い。


 その一言が、ミツキ達や俺の逆鱗に触れるのだから、実に皮肉な話である。悪役の役得的な感じであろう。


ミスターT「はぁ・・・お前等は何故に、持国の領土を今より良いものにしようとしないのかね。」

エリシェ「仕方がないと思いますよ。それだけ、力を持つ愚物故の行動でしょうし。」

ラフィナ「内を大切にせず、表を取ろうとする。権力者の常套手段ですよ。」


 ホトホト呆れ顔のエリシェとラフィナ。2人は大企業連合の総帥と副総帥なだけに、力の怖さを十分熟知している。そんな2人だからこそ、相手の愚策には苛立ちを感じずにはいられないようだ。


 4年前は、まだまだ一端の警護者だったのが、今では凄腕の警護者である。本当に頼もしいとしか言い様がない。



ミスターT「それで・・・引き上げるつもりはないのだな?」


 ボソッと語りつつ、手に持つ隕石方天戟を相手に向ける。今も言い淀んでいる貴族王は、俺の言葉に顔を歪ませていた。揺るがない目的があるなら、ここまで狼狽える事はない。


貴族王「当たり前だ・・・この地は我々が接収・・・。」

ミスターT「そうか。」


 徐に相手へと歩みだす。それを阻止しようと動き出す周辺の兵士達。そんな連中を、傍らにいた身内達が蹴散らしだした。相手との戦力比は、全く以て話にならないレベルである。


ミスターT「最早、対話の余地なし、だな。ならば・・・。」

スミエ「ええ、引き金を引く、しかないと・・・。」


 そう語りつつ、スミエと共に懐から拳銃を取り出す。手持ちの重火器ではなく、一般的な拳銃である。そう、それは致死性を孕んだ一撃を持つ存在。


 何気なく取り出した拳銃に、並々ならぬ力を察知したのだろう。貴族共の顔色が、真っ青になっていく。それでも、その場から引かない所は、執念と信念の塊としか言い様がない。


 そんな相手に向かって、徐に拳銃を向ける。そして、“最初の一発”が放たれる引き金を引いた。鳴り響く銃声に、周りのざわめきは一瞬にして沈黙する。




 銃声こそ鳴り響いたが、銃身から弾丸が放たれる事はなかった。そう、地球は日本の警察官は無論、警護者も初弾の一撃は空砲を装填している。威嚇射撃によるものだ。


 俺が持つ護身用の拳銃は無論、スミエが持つ護身用の拳銃も同じ仕様である。と言うか、ここに居る身内の誰もが持つ護身用の拳銃は、その仕様に定めていた。



ミスターT「・・・本当に引く気はないのか? お前達は、この地に住む面々を虐げると?」


 相手から銃口を下ろしつつ、最後通告を語る。殺気と闘気を超えた、冷徹無慈悲なまでの一念を放ちつつ。俺の声色に、相手の貴族共は棒立ちした状態だ。


スミエ「何故、お住いの地を開拓しようとしないのですか? 他国へと侵略するより、余程楽に済むと思われますが。」

ミスターT「そちらの根本概念が理解できない。俺達側は、そちらへの侵略をする事は絶対にない。それぞれの地域で、細々と過ごすだけに過ぎない。」


 俺の発言に、貴族共は黙り込んでいる。連中は悪党ではあるが、その本質は思想そのものであり、彼ら自身は該当しない。王城側が誑かしたのだと確信している。


貴族王「・・・我らには時間がないのだ・・・。度重なる失態を返上せねば、何れ・・・。」

ミスターT「自分達は殺される、か。」


 徐に一服しつつ、相手が何を語りたいのか代弁した。それに絶句しだす貴族共。それだけ、追い詰められている証拠である。



 ・・・判断に悩む。今の現状を見れば、相手はどう見ても悪党だ。それに、何れ決着を着けねば再び襲来してくる。二度と訪れさせないようにするには、抜本的に解決させるしかない。


 ただ、その道は二通りはある。前者は、目の前の連中を片っ端から潰していく事。後者は、王城に君臨する頭を潰す事。しかもどちらも、俺がタブーとしている概念の実行によるもの。つまり、相手の殺害である。王城の頭を潰すのが、一番被害が少なくて済むのだろうな。


 どちらにせよ、結局は引き金を引かねばならないという事になる。


    第61話・6へ続く。

 警察官さん達の拳銃の初弾は、空砲であるというのはルパン三世の劇中、銭形警部が確かそれだったのを覚えています。実際にそうらしいのですが、見た事はないので分かりませんが(-∞-)


 ともあれ、最初の威嚇の引き金は引かれましたが、次が本当の引き金を引くとなるのかと。今の今まで、引き金を引く事を躊躇っていた一念を排除し、動かねばならない時が来た、でしょう。


 ちなみに、警護者本編前の苦労人側では、ミスターT君はバリバリの警護者なので、引き金を引く事に殆ど躊躇していません。不殺の精神に至りだすのは、苦労人の全編に渡るのと、警護者全編の流れと、探索者全編の流れからですので。


 引き金を引くという意味合いではなく、この部分を要らぬ一念と取るのか、大切な一念と取るのかは、皆さんのご想像にお任せ致します。案外、リアルにも通じる部分があるかも知れません。

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