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覆面の探索者 ~己が生き様を貫く者~  作者: バガボンド
第5部 迎撃戦と反転攻勢
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第5話 休息と報酬5 価値観の違い(キャラ名版)

 翌日も休息を取る事になる。しかし、大規模スタンピードで得られた素材などの仕分けが残っていた。朝食を取った後、空間倉庫を使って保管していた物品を、目の前に出していく。


 しかしまあ・・・集められた素材やらお宝は、凄まじいまでの規模になっている。どれもが超貴重品クラスの逸品らしく、それを目の当たりにした異世界組の面々の瞳が輝いていた。


 まあ、俺達地球組と宇宙種族組は、その価値が全く分からない。故に漠然と作業をするのみとなるが・・・。


ミスターT「うーむ・・・。」

サラ「ピンと来ませんよね・・・。」

セラ「ゲームの素材群も当てはまりませんし・・・。」


 目の前の大量の素材やお宝を前に、顔を顰めるしかない俺達。ただただ凄い規模の物品であるのは間違いないが、その価値が全く分からないでいる。


アルディア「これらの価値は億万長者を超えますよ・・・。」

ウェイヌ「一生遊んで暮らせるだけの価値がありますし・・・。」


 そう言いつつ、瞳を輝かせ続ける彼女達。異世界組の面々からすれば、とにかく超絶的なお宝であるのは間違いないようだ。その姿に、再び顔を顰めるしかない。


ミスターT「分配に関してだが、俺達地球組と宇宙種族組は省いてくれ。」

カネッド「ええっ?! こ・・これだけの価値があるのに?!」

ミスターT「はぁ・・・俺達には、これらの価値が分からん・・・。」


 俺の言葉に絶句する異世界組の面々に対して、その内容にウンウン頷く地球組と宇宙種族組の面々。完全な対照的な対応である。


ダリネム「で・・でもそうすると、皆さんは殆どタダ働きに近いのですが・・・。」

ミスターT「儲けを期待して、この異世界惑星に来た訳じゃないしな・・・。」

ヘシュナ「ですねぇ・・・。」


 再び俺の言葉にウンウン頷く地球組と宇宙種族組の面々。確かに端から見れば、目の前の物品に魅入られるのが普通だろう。だが今の俺達は、この異世界惑星に来られただけで幸せだ。それ以上の報酬があるなら、是非とも教えて欲しいものである。



アーシスト「そう言えば、マスターの望むものって何なのですか?」

ミスターT「喫茶店でのノホホンの日々。」


 アーシストの問いに、本当にごく自然と願望を語る。それを伺った身内は爆笑しだした。常日頃から喫茶店のサブマスターとしているため、その様相を思い出したようである。


サラ「アハハッ、本当にそうですよね。」

セラ「私達がメインマスターに就任した直後から、各事変が熾烈を極めだしましたし。」

シューム「日常を返して欲しいわよね。」

ミスターT「本当にそう思う。」


 俺を含む、喫茶店に常駐する面々の誰もが深い溜め息を付きだす。こちらとしては、本当に日常を心から望むのだが、実際には掛け離れた様相が降り掛かって来ている。異世界惑星での活動は、その極みとも言えるのだから。


 その後も異世界組の面々が、各素材を纏め上げるのに加勢する。詳しい事は知らないため、彼女達の指示に従うしかない。まあその方が楽ではあるのだが・・・。


メラエア「そこまで無欲になられるのは、本当に凄いですよね。」

シューム「無欲と言うか、日常自体に憧れを抱く、よね。」

ミスターT「そうだな・・・。」


 素材纏めをするメラエアが、俺達の姿勢に感嘆している。と言うか、これは完全なる願望そのものである。そう、絶対に叶わぬ願望だ。


ナツミYU「警護者の生き様に至った時から、普通の日常は得られなくなったと覚悟しています。皆さん方が仰る報酬云々は、それこそこれら素材で得られた報酬を超えますし。」

シューム「そうよねぇ、使い切れないぐらいの資金群があるし。」

ミツキ「わたは大半を茶菓子に費やしているわぅ。」


 ミツキの言葉に、警護者に携わる面々は不甲斐無く笑ってしまう。彼女の願望は、それこそ本当に簡単に叶ってしまうものだ。しかも、向こう数十年はそうしていられる程である。


 シュームが述べた通り、警護者の戦いで得られた報酬は、それこそ天文学的な巨額である。だが、それを使う場面がまず訪れない。贅沢な暮らしすらできず、常に戦いに身を投じる。


 ナツミYUのみ、それらの資金群で総合学園を創立させるに至っている。まあ他の警護者達が資金提供をしたのもあるが、その殆どは彼女の実力で勝ち取ったものだ。



カラセア「マスターは、ここでの戦いの後はどうされますか?」

ミスターT「んー・・・“女性陣”に向こうの生活を体験して貰うのもアリかもね。」

デュリシラ「アハハッ、確かに一理ありますね。」


 俺の言葉を伺い、その真意を知った“異世界組”の全ての面々の瞳が輝きだす。彼女達が過去に挙げた、地球と言う環境を知りたいという部分である。


カラセア「でもそうすると、メタモルフォーゼ的な姿変えが必須ですが。」

ナセリス「宇宙種族の中でも、そこそこ通用する技法はあります。それらを用いれば、人間以外の多種族の方々を人間化させる事は可能ですし。」

ミスターT「シェネアさん達エルフ群や、リュヴィウスさん達魔物群など、ベースの容姿が人型の面々は問題ないが・・・。」


 そう言いつつ、魔物族でも異形とも言える面々を見る。セレイス達サキュバス達や、フィーテ達ハーピー達など、明らかに人ならざる存在だ。一体どうやってカモフラージュをするのか、非常に悩み所である。


ミスターT「コスプレ・・・では通用しない完成度なんだが・・・。」

ウインド「ハハッ、本当ですよね。完璧過ぎるぐらいの完璧な姿ですし。」

ダークH「上手く誤魔化せば何とかなりそうですが、引っ張られたりする場合がマズいかと。」


 地球組と宇宙種族組の面々の誰もが、俺の言葉に力強く頷いてくれる。異世界組の魔物族自体、言わば恐ろしいまでの完成度を誇るコスチュームプレイヤーそのものだ。実際には本家本元の生命体なので、コスプレの領域を超えてはいるが。


ナツミA「まあそこは、何とかなると思いますよ。コスプレの技術は凄いものですからね。」

ラフィナ「滅茶苦茶人気が出そうな気がしますよね。」

エリシェ「恐ろしい様相になりそうですし。」


 3人が語った通り、本当にそう思う。恐らく問題は、カモフラージュのみで済むだろう。


 偏見的な見方に関しては、多分出ないと思われる。その理由は、既に異形の生命体と言える5大宇宙種族が生活に浸透しているからだ。ただ、流石の宇宙種族達の容姿を超えるため、かなり手の込んだコスプレが必要になるが・・・。


 ここはある意味、身内のヲタク気質の面々に頼るしかない。彼らの真骨頂そのものだしな。まあ、それが実行されるのは、まだまだ先の話にはなるが。



 戦いの後の流れ、か。異世界惑星の戦いは終わると思われる。しかし、俺達の生き様たる警護者の戦いは、今後も永延と続くだろう。


 そう、俺達が生き続ける限り、この戦いに終わりはない。それが警護者の理である。


    第5話・6へ続く。

 残りの話が約6000文字に近かったので、2つに分割しました><; 急いで第61話を創生中ですが、もう時期何とかなりそうです><; 一応、あと12日は引き伸ばさせて下さいm(_ _)m


 そう言えば、異世界のモンスの物品って、地球での価格に比べるとどのぐらいなのでしょうかね? 普通とすればマンモスさんとかの骨とかに相当するのかと。ただ、警護者の世界観では、弾薬費がベラボウにあるので、これらの収集品でも補えなさそうですが><; 実弾は怖ろしい・・・(-∞-)

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