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覆面の探索者 ~己が生き様を貫く者~  作者: バガボンド
第5部 迎撃戦と反転攻勢
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第5話 休息と報酬3 星空を見上げて(キャラ名版)

エメリナ「マスター、この後はどうされますか?」

ミスターT「そうだな・・・。」


 資料に目を通しつつ、食事を口にする。そんな中、同じく食事を取りつつ語り掛ける彼女。今のエメリナは、すっかり女傑化している。本当によくぞ成長してくれたと思う。


ミスターT「暫くは様子を見よう。大規模スタンピードは終わったが、各ダンジョンは今も健在だ。内部から沸いてくるモンス群がいないとも限らない。」

エメリナ「了解です。後は・・・。」

ミスターT「ああ、貴族連合だな・・・。」


 そう語ると、詳しい情報を彼女に提示するラフィナ。既にその兆候があったようで、情報としては挙がっているようだ。


 すると、その情報を覗き見しだす他の女性陣。その彼女達に見えるようにするエメリナ。ノホホンとしていた表情が、提示された情報を見て覚めていく。


カネッド「はぁ・・・アイツ等は・・・。」

アーシスト「何も学んでいませんよね・・・。」

アクリス「学ぼうとしないだけですよ・・・。」


 物凄く呆れ顔の妹達。他の女性陣も本当に呆れ顔だ。同時に、対峙しなければならない存在だという事を、改めて認識したようである。


ジェイニー「王城大陸と旧新大陸の様相は、把握できているのですか?」

エリシェ「完全には把握できていません。ですが、連中の様相を踏まえれば、今も戦闘をしているのは間違いないかと。」

ミスターT「・・・悪いが、今は割り振る。私利私欲に走った連中を、助ける義理はない。」


 食事を食べ終えて、一服しつつ語った。今まで思い悩んでいた一念だが、何処かで割り振る必要があった。決定打になったのは、貴族連合の襲来だ。当時から何一つ変わっていない。


ヘシュナ「・・・引き金を引かれるのなら、私もお供しますよ。貴方にだけ、悪道を押し付ける訳にはいきません。」

ミスターT「ありがとな。」


 そう言いつつ、俺の懐から煙草セットを奪うヘシュナ。そのまま一服をしだすではないか。これには驚いたが、咽せない所を見ると、どうやら陰で喫煙をしていたようである。


ヘシュナ「あー、これはまあ・・・エリシェ様とラフィナ様の受け売りで・・・。」

ラフィナ「フッフッフッ、ドンドン感化されていきますねぇ~。」

エリシェ「喫煙は健康面ではマイナスですが、ストレスを溜め過ぎる方が遥かにマイナスとなりますからねぇ。かと言って、決して喫煙を推奨する訳ではありませんけど。」

ミスターT「一服せにゃ、やってられんわな。」


 ニヤケ顔で語る彼女達に、小さく笑ってしまった。リーダー格の面々ともなれば、それだけ心理的にストレスが溜まってくる。特にこの3人が顕著だろう。


 まあ俺の様にヘビースモーカーではないのが唯一の救いだろうか。と言うものの、俺自身も度が過ぎる喫煙者ではない。そもそも、肺まで吸い込まずに、口内の嫌な感じを消すだけにして吐き出しているに過ぎないしな。



 その後も労いの夜食は続く。僅か短期間ながらも、ボスクラスのモンスターと激闘を繰り広げたのだ。疲労が蓄積されているのは言うまでもない。


 しかし、身体的ダメージは皆無である。ここは素直に、バリアとシールドの防御機構の恩恵に感謝するしかない。まあ、念話力を通して感じたが、どの面々も相手の一撃を貰った事は皆無だったが。


 やはり、暇ができた時のスパーリングが、総合戦闘力の底上げをしてくれたと思う。端から見れば戯れに近い立ち回りだが、実際には凄まじいまでの修行効果となった。


 これを地球で頻繁に行っていた俺達が、異世界惑星では無双状態だった事実を踏まえれば、それがどれだけ逸脱した修行方法だったかは一目瞭然だろうな。


 それを身を以て窺い知った異世界組の面々は、今後もスパーリングを取り入れ実践していくと豪語していた。恐ろしい限りである・・・。




 夜食が終わり、一同して星空を眺めている。今日はここ、台座跡地でのキャンプとなる。既にテントなどは張り終えており、何時でも就寝ができる状態だ。


 焚き火の明かり以外は光源がないため、頭上に広がる星空が実に美しく輝き放っている。地球でも見られる光景ではあるが、異世界惑星という場からの景観は、向こうとは全く異なる様相だ。


ミツキ「ぬぅーん、この星空のどれかに、天の川銀河があるわぅか。」

ナツミA「中心の射手座エースターの明るさが見えるぐらい、かな。実際に1億光年先になるし、窺い知る事はできなさそうよね。」

デュヴィジェ「いえ、粗方として場所は示せますけど。」


 そう言いつつ、ペンダント効果を駆使した電撃力を出現させつつ、それを指定の位置へと放つデュヴィジェ。一同が窺える距離まで飛ばすと、電撃球は自然消滅した。


フィルラウローム「なるほど、そちらに皆様方のお住いの惑星があると・・・。」

デュヴィジェ「大凡ですけどね。更に詳細に座標軸を示せば、その場所まで把握できますよ。」

ラティミナ「竜族の力を超越していますよね・・・。」


 デュヴィジェの言動に感嘆とする異世界組の面々。かく言う俺は無論、地球組の面々も同じく感嘆といていた。宇宙種族組だけは、その様相を把握しているようである。


ダリネム「お話を伺う限りだと、本来ならば凄まじい年数を掛けないと向かう事ができないと。」

ルビナ「そうですね。転送装置航法を用いないと、絶対に辿り着く事はできません。ワープ航法でも可能ですが、転送装置には絶対に敵いませんので。」


 ルビナが挙げる通り、ワープ航法では辿り着けない距離である。転送装置航法ならば、一気に飛ぶ事ができるため可能とも。理路整然と解釈できないが、実際に俺達が異世界惑星にいる事が紛れもない証拠だ。


シェネア「光の速度が確か・・・。」

ナセリス「1秒で地球型惑星を7周半する速度ですね。その状態で、地球からここに到達するのに1億年掛かる事になります。」

ゼデュリス「な・・何とも言えないのですが・・・。」

ヘシュナ「そんなもんですよ。」


 実際の様相を窺い知り、茫然自失とする異世界組の面々。対して、アッケラカンと語る宇宙種族組が、エグイぐらいに憎たらしく思える。まあ、実際に彼らからすれば、それが当たり前である証拠だしな。


ミツキ「ぬぅーん、何度転生しないとダメわぅかね。」

スミエ「途方もない回数でしょうね。まあでも、実際に私達がここに居るのが、何よりの現実でも。5大宇宙種族のテクノロジー様々ですよ。」

ミスターT「本当にそう思うわ。」


 キセルを薫らせつつ、端的に挙げるスミエ。その彼女に心から同意したい。人間には絶対に得られない経験や知識である。5大宇宙種族が居なければ、まず実現できないものだ。


セレテア「ミツキT様とティルフィア様は、精神体の状態なら一瞬で駆け抜けられるのですか?」

ミツキT「そうなりますね。ただ、それを実現する・・・この場合は具現化させる力になりますが、それには念話力が必要になります。でないと、存在を固定化させられません。」

ティルフィア「欲を言えば、到着後に筐体が欲しい所です。精神体だけだと、言わば幽霊という感じでの存在になりますし。」


 悩ましい感じに語るティルフィア。これはミツキTも同じ考えのようである。ただ、実際には両者とも一度は死去しているため、生命体の常識を超越している存在にはなるが・・・。



テューシャ「・・・あの、本当にありがとうございました。」


 その後も地面に寝っころがりながら夜空を眺めていると、テューシャが語り掛けてくる。何時の間にか俺の傍らにおり、怖ず怖ずといった雰囲気だ。


ミスターT「・・・この異世界惑星に来た事、に対してか。」

テューシャ「はい・・・。諸々を踏まえると、貴方が来てくれなければ今頃は・・・。」

ミスターT「そうだな・・・。」


 今も怖ず怖ずの雰囲気の彼女。そんな彼女の手を優しく叩いた。彼女が挙げたい部分は、先の治癒事変に関してである。


 もし俺が異世界惑星に来なかったら、間違いなくここは崩壊していた。イザリア達だけでは太刀打ちできないものだっただろう。そして、イザベラの病死や、住まう女性陣への悪態も健在だったと思われる。


 俺自身としては切っ掛けを作ったに過ぎない。しかし、俺の存在で彼らが救われたのなら、本当に嬉しい限りとしか言い様がない。


ミスターT「だが、まだ安心はできない。ヘシュナさん達の力で超難局は攻略できた。しかしそれは惑星自体の部分だ。今も巣食う愚物共を消し去らねば、本当の安穏は訪れない。」

フューリス「大丈夫ですよ、一歩ずつ進んでいけば何とかなります。」


 そう語り掛けてくるフューリス。直後、俺の頭を両手で優しく持ち上げつつ、そのまま膝の上へと誘導してくれた。普段から寡黙な雰囲気なので、実に驚くしかない。


フューリス「あれだけの奇跡的な行動を見させて貰ったのです、恐れるものなどありませんよ。」

テューシャ「本当にそう思います。それに、最後の一手は同じ人間などですからね。」

ミスターT「そうは言うが、相手は4隻の宇宙船に各兵装群が出揃っているんだがな。」


 俺の言葉に黙り込む2人。常識から考えれば、相手の戦闘力は逸脱した力だ。通常戦力ではまず太刀打ちできない。


ミスターT「・・・とまあ、それは俺達だけだったらの話、だがな。」


 そう語ってみると、周りにいる宇宙種族組が拳を挙げだした。相手側の戦闘力を、文字通り相殺させる事ができる力を持つ者達である。特に巨大兵装に関してが顕著だ。


ミスターT「各兵装に関しては問題ない。俺達が対峙するのは、愚物軍団だけだ。先の貴族連合の連中以前に遭遇した、愚物共全てが該当する。」

テューシャ「向こうも懲りなさそうですからね・・・。」

フューリス「ただ、一応強くなってて欲しい願望はありますが・・・。」

ミスターT「ハハッ、そこは大いに同意するわ。」


 正にボヤきである。偽勇者共と初対峙した時は、妹達の戦闘力は拮抗していた。しかし、それ以降の事変では明らかに差が開きだしていた。相手側が修行をしていない何よりの証拠だ。


    第5話・4へ続く。

 今回も会話中心です@@; これ、次の第61話が3分の1しか完成していないのですが、ここから苦労人と同様に詳細描写を搭載したバージョンに切り替えるべきですかね?@@;


 現状だと、苦労人のスタイル(正に苦労人@@;)が主軸となりだしており、探索者の本編を描けなく鳴り出してます><; とにもかくにも描く事を主軸にするなら、突然で大変申し訳ないのですが、第61話から詳細描写も織り交ぜた流れにしようかと画策しています><;


 ともあれ、あと2回分は確保できているので、それまでに第61話だけは何とかせねば・・・(-∞-)

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