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覆面の探索者 ~己が生き様を貫く者~  作者: バガボンド
第5部 迎撃戦と反転攻勢
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第4話 大規模スタンピード1(通常版)

 4大陸でのダンジョン攻略を行いつつ、各大陸に襲来する侵略者群を蹴散らしていく。地球でも同じ様な流れが多いが、異世界惑星では日常茶飯事的に起きている。


 今までも起きていたとの事だが、大陸の大移動後からは目覚ましい侵略行為が横行しているらしい。これの様相だが、戦闘機部隊の偵察で判明している。


 そもそも、大陸の大移動と島々の出現は、野心家共の野望に火を着ける感じだろう。実際に貴族連合が襲来してきている。あの連中も同じ類だと思われる。


 まあ、この様な襲来は全く問題はない。俺達の戦力で十分撃退は可能である。



 喫緊の問題では、大規模スタンピードだろう。各作品で挙がっている魔物大暴走だが、実際にその姿を見た事はない。想像を絶する魔物達が跋扈するらしいが・・・。


 この予兆に関しては、各ダンジョンの内部に巣食う魔物の数が多くなりだしている事から判別できるらしい。これに関しては異世界組の面々が詳しいので、彼らにご享受頂いている。


 実際には、4大陸の対策は問題ない。特に主力都市群には宇宙戦艦を配置しているため、バリアとシールドの防御機構でどうにかなる。問題なのは、それ以外の小さな集落だろう。


 今も戦闘機部隊に偵察を依頼し、4大陸に分布している集落の有無を調べて貰っている。発見できた場合は、住まう場所の守護となるだろう。最悪は大規模避難をして貰うしかない。



 王城大陸と旧新大陸に関しては、今は一切関知しない。ミツキTとティルフィアが精神体で偵察を行ってくれているが、今も非常に“ハッピー”な状態らしい。つまり、私利私欲に走る状態だと言っていい。


 本来ならば、そういった大陸にも手を差し伸べるのだろうが、連中が何をして来たのかを見せ付ける必要もある。今後、同じ様な愚行をさせないためだ。


 地球ではまず通らない考えではあるが、ここは地球ではなく異世界惑星である。非現実的な概念が通るのだから、悪党や悪心を持つ連中には心から“ご退場”願おう。




(マスター、4大陸の集落及び、人口の分布の把握ができました。)

(データが取れましたので、そちらにお送りします。)


 引き続き、魔物大陸での開拓を行っている最中、エリミナ達から念話が入る。通信機器ではない点がミソだろう。王城側に通信を傍受される恐れもある。


 送られてきたデータは、近場に居るメカドッグ嬢が受信。それを別のメカドッグ嬢が、顔の映写機から空中へと投射してくれた。


 当然これは、5大宇宙種族のテクノロジーだ。近未来的な描写そのもので、今の地球上のテクノロジーでは実現不可能なものになる。


(・・・なるほど、主要都市以外には住まう方々は居ない訳か。)

(今のネーヴァレア大陸は、実質的に闘士都市に全ての人々が移り住んでいますからね。都市の防御力も踏まえて、防衛は問題ありません。)


 俺が見ていた内容を、念話力で同期してくる彼女。最近はこうした同期力が目覚ましく、方々から情報のやり取りが行われていた。無論、プライバシーには踏み入れていない。


(セレテメス大陸は、他に竜の里があるぐらいです。そちらの方々は、こちらに避難を開始されています。)

(里に関しては、一切気にしないで下さい。大切なのは、各々の生命そのもの。生きてさえいれば再起は可能です。)

(とは言いますが、文献やら資料やらは移動させていますけどね。)


 唯一の懸念材料だった竜の里は、既に先手を打ってくれているようだ。竜族全てがセレテメス共和国へと退避しているらしい。


 普通ならば、竜の里から出ないと言う竜族がいてもおかしくない。しかし実際には、掛け替えのない生命を大切にする種族であり、他の生命も守る事も重視している。それを踏まえるならば、里の1つや2つなど惜しくはない。


 それに以前伺ったが、大切なのは種族の理である。彼らが新たに住まう場所こそ、里という事になる。これはセレテア達ダークエルフ族が顕著だ。


(イルフィース大陸では、ダークエルフの里が該当しますが、あちらは修練場になっているので問題ありません。王国の方の防備が重要ですし。)

(今の所、港に駐留中の宇宙戦艦群が抑止力になりますね。)


 正にその通りだろう。イルフィース大陸の集落は1箇所のみとなり、ダークエルフの里が該当する。セレテアが語った通り、同場所は修練場になっているので、実際は王国の方の防衛のみで済む。


(となると、魔物大陸が厳しい感じでしょうか。)

(第1都市と第2都市が該当しているしな。魔物都市側は問題ないにせよ、開拓しているここが問題になりそうだわ。)


 やはり、魔物大陸が最大の難所になりそうだ。4大陸の中で一番の大きさを誇るため、防衛に関しては非常に厳しい。ただ、人口自体は一番少ないため、一点に集中すれば守る事が可能と思われる。


 何にせよ、大規模スタンピードは各ダンジョンから湧き上がるという仕様との事だ。今後もダンジョン攻略を行いつつ、ある程度の抑え込みは必須だろうな。


 そもそも、各作品での描写でしか拝見していない現象を、一体どうやって想像すべきだと言うのやら。魔物の大暴走がそれに当たるが、魔物自体がファンタジーの醍醐味と言える。地球では絶対にお目に掛かれない生命体だ。


 まあ何だ、今は目の前の課題を攻略して行くしかない。色々と悩ましいわ。




「よし、粗方は終わった感じだの。」

「後は住居を構えていく感じですね。」


 数週間ほど費やして、旧台座周辺の整地が整った。かつての超溶岩ドームだった場所が、今では整地を終えて平野になっている。後は各建物を建てていくのみだ。


「でも、大規模スタンピードが起きた場合、再び戦野になりそうな気がします。」

「まあそうだが、あの超溶岩ドームよりは遥かにマシよ。」

「恐ろしい規模でしたからね。」


 本当にそう思う。眼前に広がる平野が、元は地獄の溶岩地帯だったとは想像すらできない。過去の地球でも、あの様な凄まじい環境だったのが窺えた感じだ。


「ところで、ダンジョン攻略部隊は相変わらずか?」

「サラ様とセラ様にミュティヌ様ですね。今も近場のダンジョンを攻略されていますよ。遊撃担当はミツキ様にナツミA様が担ってくれています。」

「ウインドさんとダークHさんは、海岸での警備に明け暮れているしな。」


 多岐に渡る問題の出現に、テンヤワンヤの様相である。しかし、地球では何ら普段と変わりないものだ。むしろ、ファンタジー世界観が色濃い異世界惑星での活動とあり、ヲタク気質の面々は感涙極まりない感じである。


「一応、非常時にはお前さんにも加勢して貰いたいが、大丈夫か?」

「お任せを。貴方様には多大なる恩があるのです。私にできる事なら、何でも致します。」

「あー・・・まあ、気重にならない程度で頼む・・・。」


 大張り切りのイザベラを見て、苦笑いを浮かべる。それでも、あの時手を差し伸べた結果が、彼女の大張り切りの言動だ。決して無駄ではなかったと痛感できる。


 それに彼女の場合、たった1人で1万年も戦い続けて来た闘士だ。病魔に苛まれて、一時的にコールドスリープに入るも、存在そのもので戦い続けて来たと言える。故に、彼女の3人の娘も奮起できたとも言える。


 この異世界惑星に召喚されたのは、本当に不思議な縁としか言い様がない。一体どんな確率で召喚されたのかと痛烈に思う。こうなると確率の問題ではなく、遥か永劫から続く縁によるものだと言うしかない。


 まだまだ膝を折る訳にはいかない。ここに回帰できるだけ、今はマシなのだろうな。



 その後も開拓は続き、ある程度の住居も構築できるようになった。そこで、魔物都市からの移住を募る事にした。同都市のリーダーにエヴェリムは必須なので、ここはサブリーダーのカレアリヌを派遣して貰うのが良いだろう。


 リュヴィウスには引き続き、魔物大陸の探索を依頼する。大陸の大移動に伴い、大変化が現れていると確信ができたからだ。それに同大陸は世界最大の大陸なため、少しの見逃しが大変な事態を招く恐れもある。


 まあ、最終手段は巨大兵装を持ち出せば済むのだが、できれば自力などで攻略したい所だ。奥の手があると、これ程までに安心できるのは何とも言い難い。




「うーん、マズいっすね・・・。」

「明らかに予兆と取れますよ。」


 数日後、ダンジョン攻略を終えた面々が戻ってきた。その彼女達が挙げたのは、ダンジョンで目撃された異常である。メカドッグ嬢達が記録した映像を見つつ、その内容に顔を顰める。


「お前さん達が攻略した場所だけじゃない、と言う事か。」

「はい。この数日間で3箇所を攻略しましたが、どれもモンスの規模が増えていました。」

「4大陸でのダンジョンの抑え込みは成功してそうですが、それ以外にも“創生”に関しては増大していると思います。」

「過剰なまでの生産、と。」


 軽食を取りつつ、データの内容を見入るミュティヌ。何時ものノホホンとした雰囲気はなく、非常に恐々とした様相だ。


「私は大規模スタンピードに関して、全くの無知なのですが、各ダンジョンから数多くの魔物達が湧き上がってくるという考えで良いのでしょうか?」

「多分その考えで良いと思います。私も各作品でしか見た事がないので・・・。」

「そもそも、ダンジョン自体がどうやって構築されているか、分からないのですよね・・・。」


 セラの言う通りだろう。俺も彼女達とダンジョン攻略に赴き、実際にその場を制圧して消滅させた事がある。だが、ボスらしきモンスターを倒すだけで、そのダンジョンが消滅したという事例しか見ていない。


「今の所、最下層のボスを倒すだけでダンジョンは消えますからね。とすると、そのボスが大量のモンスを生み出していると取れますし。」

「各作品では、ダンジョンコアなるものから生み出されるとある。他は迷宮自体のボスがリーダーとなり、連中を生み出しているというのもあるが。」

「実際問題、詳しい事は分からないのですよね。」


 現状はあまりにも情報が少な過ぎる。遠方の身内達の体験談でも、ボスを倒せばダンジョンは消えるとの事だ。どうやってモンスター群を生み出しているか、そのメカニズムは全く不明とも言っている。


 ちなみに、ダンジョン攻略とは別に、ミツキとナツミAが魔物大陸の調査を行ってくれている。メカドッグ嬢達が加勢とあり、調査自体は快調に進んでいるようだ。


 ただ、その彼女達を以てしても、ダンジョンのメカニズムは解明できていない。そもそも、異世界惑星の創生に携わったイザベラ達が不明だと言うのだ。俺達には到底理解できないと言うしかない。


    第4話・2へ続く。

 大規模スタンピード近し。これ、スタンピードのネタは、各作品から影響を受けたもので、本来はありませんでした@@; ジト目とかもしかり@@; 自分が各作品を楽しませて頂いていた全盛期は、20年以上前になるので、この手のジェネレーションギャップが発生しているのかと(-∞-)


 まあ、後続の苦労人(話の流れだと探索者に入る前になりますが)では、そういった今時風のネタを惜しみなく投入させて頂いていますが(=∞=) 多分ですが、大改修版は冒頭からそうした各ネタを投じた流れに改編すると思います><; 先は長いですわ><;

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