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覆面の探索者 ~己が生き様を貫く者~  作者: バガボンド
第5部 迎撃戦と反転攻勢
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第2話 侵略抗争1(通常版)

 異世界惑星の治療事変により、各大陸が劇的に様変わりした。完全に属性的勢力図に化けた感じである。恐らくこれは、ヘシュナや俺達の影響であろう。まあでも、異世界惑星の崩壊は完全に防げた形だ。


 しかし、それは異世界惑星へ病魔が巣食っていた部分になる。残る問題は、王城側の悪行がそれであろう。4隻の宇宙船や、機械の塔の各物資を手に入れたのだ、世界征服に乗り出すのは言うまでもない。


 そして、世界各地にダンジョンが出現したのもある。大小様々のものがあり、数百は超える規模にまで至るとの事だ。これに関しては、虱潰しに潰していくしかない。


 今現在も、異世界惑星自体をプラス面の力で埋める作戦は続いている。王城側だけを潰すだけでは済まなくなっているのが実状だ。まだまだ課題は山積みである。




(フッフッフッ・・・金銀財宝ザックザクわぅ♪)

(億万長者を超えますぜぃ♪)


 一同の各ダンジョンへの攻略により、凄まじいまでの財宝が得られている。規模的には相当な価値があるようだが、問題はそれらに私利私欲を示さない事だろう。つまり、集めるだけ集めるという感じだ。


(はぁ・・・本来ならば・・・。)

(目移りしそうなものなのですがね・・・。)

(正にトレジャーと・・・。)


 方々からボヤきが飛んでくる。獲得するだけ獲得し、それで終わりと言うのが実状であると。見事なまでのボヤきである。


 ちなみに、財政関連に詳しいゼデュリスとアルディアが計算した所、ザッと一国家を賄える程の財宝らしい。だが、それでもエリシェ達が運営する大企業連合を前にすれば、“弾薬”数百発分程度の資金群とも。


 そう、俺達が何気なくぶっ放し続けている重火器の弾薬。特に巨大兵装の弾薬を当てはめてしまうと、数百発程度しか製造できないレベルなのだ。つまり、話にならないという感じだ。


(・・・現実問題に即すると、これら財宝すらも儚く見えちまうのか・・・。)

(いえ、地球での・・・日本の防衛費に当てはめますが、それらを踏まえると、この財宝群では賄い切れません。恐らく、軍事費用の方が天文学的な金額になるかと。)

(マジで、ロマンもヘッタクレもありませんよね。)


 防衛庁長官のカラセアと、その彼女を補佐するナセリス。2人が挙げるのは、地球は日本の防衛費に関してだ。


 例の各事変から、日本の防衛に関しては相当増額されている。無論、それらは住まう国民に増税をするものではなく、大企業連合と宇宙企業連合からの融資によるものだ。


 そもそも、あの愚物共が下らない行為をしなければ、ここまで防衛絡みの行動に移る事も全くなかった。平和ボケをしていると揶揄される日本だが、実際の所は“外部”からの横槍が酷いために防衛絡みを上げているに過ぎない。


 これに関しては、諸外国から相当な圧力があった。だが、当然エリシェやラフィナ、更にはヘシュナやナセリスが超絶的なプレッシャーを放って黙らせている。


 勿論、それは最後の事変が終わるまでのもので、それ以降は最低限の兵装を維持するだけの防衛費に下げている。好き好んで超絶的な兵器群を持とうと思うのは、相当な戦闘狂ぐらいしかいないしな。



(黒いモヤ事変後の流れを、地球の方々から伺っているのですが、今も細かい紛争は続いていますからね。)

(こればかりは、その地域の問題になるので、日本自体は深く関われませんけど。)

(日本自体は、だな。警護者としてなら、問答無用で関われる。)


 俺の言葉に、不気味なまでにニヤケ顔を浮かべる、警護者に所属する者達。地球での警護者の存在は、問答無用で行動ができる機構になる。そう、完全なる問答無用だ。


(私達警察機構も、日本国内でしか真価を発揮できませんからね。それが警護者機構だと、問答無用で介入が可能になりますので。)

(言い方は悪いですが、実に便利な称号ですよ。)

(ハハッ、本当にそう思うわ。)


 この点に関すると、俺達は苦笑いを浮かべるしかなくなる。今の地球の世上は、警護者の存在が圧倒的な高みにまで至っている。傭兵などの生易しいものではない、絶対的な力を持つ軍団である。


(うーむ・・・警護者のそのお力、物凄く憧れるのですけど・・・。)

(出たわぅ。力を欲する姉ちゃんは、ダメダメわぅよ。)

(本当ですよ。一歩間違えば、力に溺れる愚者に成り下がるというのに。)


 恒例の如く、最強の力に呼応するウェイヌ。特にネーヴァレア出身の面々は、誰もがその一念を抱いているようだ。その彼女達に戒めの一撃を放つミツキとミュティヌである。


(最強の力、ねぇ・・・。)

(アレですよ、“力を持ち過ぎる者は全てを壊す”、と。)

(“お前もその1人だ”、ですか。)

(その名は・・・“覆仮面”のプレイボーイわぅ!)

(はぁ・・・。)


 挙がった力に対しての、ネタを披露するナツミAとルビナ。すると、トドメと言わんばかりにボケを放つミツキだ。それを伺った一同は大爆笑しだした。実に恒例である・・・。



(ま・・まあでも、マスターは全く問題ありませんよ。“その手の力は何のため”、という部分を持ち合わせていらっしゃいますし。)

(手の届く範囲で、助けられる存在を支え抜く。警護者の生き様は、ここに帰結してこそ真価を発揮しますからね。)

(烏滸がましい感じだが、今後も心肝に据える必要がある概念だしな。)


 本当にそう思う。いや、そう思い続けねばならない。ここから逸脱してしまえば、王城群の様な愚物に成り下がる。力に溺れた、愚かなカス共に。


(更に、ウェイヌ様方も問題ありません。皆様方の欲望は願望でもあり、殆ど目標そのものですからね。常日頃から鍛錬を欠かさない姿勢こそが、最強の力に比例しますし。)

(絶え間ない努力の先に至る、最強の頂、と。)

(あの“武将”も、その生き様を貫いていたしな。まあ、“身勝手”と“裏切り”だけは論外だが。)


 徐に一服しつつ、腰に据えている携帯方天戟を展開する。これの元ネタとなる獲物を持つ武将のそれである。彼の場合は、間違いなく誤った見本だ。


(それでも、憧れの一念は持ち続けたい、ですね。)

(そうだの。お前さんも含め、同じ獲物を使う面々が心懸けている生き様だしな。)


 俺の言葉に、同じ獲物を扱う面々が深く頷いている。方天戟使いとしているのは、元ネタの武将に影響を受けているからである。目指すべき存在がいて、その存在が誤った行動をしていたのだから、曲がった生き様には至りたくないと思わざろう得ない。


(最早この世上には、俺達が戦える相手はいないようだな。さて、どうしてくれようか?)

(んー、“彼”の台詞の捩りよね。5帝国だったかしら。)

(うむぬ♪)

(彼の姿勢、マイナス面を除けば、どんな逆境だろうが跳ね除ける力があるしな。)


 手に持つ携帯方天戟を格納し、腰に戻しながら呟く。該当する作品では、主人公サイドが劣勢であった所に、彼のプラス面での裏切りで九死に一生を得たのがある。


(今の私達の戦闘概念は、かの方の姿勢が大きく出ていますよね。)

(ですねぇ。ただ、小父様が仰られた通り、マイナス面の力だけは論外ですけど。)

(それが無ければ、相当な強者だったんだがね。)


 元ネタを巡り、一同して雑談を繰り広げる。実際に俺達が近接戦闘で使う獲物に関しては、ほぼ史実に基づいたものが多い。方天戟も実在する獲物でもある。


 やはり、最後は己自身との対決に至る。元ネタの武将は、自らを律する事ができず、最後は因果応報の理が帰って処断された。一部は除くが、少しでも他者との心を通わす事ができたのなら、悲惨な末路にはならなかっただろう。


 彼の姿勢は、文字通りの悪い見本として存在する。ならば、悪い見本は一切受け入れず、良い見本のみ受け入れるだけでいい。そのための、“方天戟使い”だしな。



(・・・私も、マスター方がお使いの獲物を使うべきですかね。)

(だー! また出たわぅ! ウェイヌちゃんにはウェイヌちゃんの良し悪しがあるわぅよ。それを、ただただ力を求めるだけに集約し、自身の個性を殺してはダメわぅ。)

(本当よね。個々人の個性が冴え渡ってこそ、最強の力に帰結していくし。)


 ウェイヌの力を欲する姿勢は通例的だが、姉妹が語った事には心から同意したい。個々人が冴え渡ってこそ、今の俺達の力が発揮されている。“異体同心”でもある。スミエが無類の力を発揮している所以がこれだ。


(ウェイヌ様、正直に言うと・・・携帯方天戟は物凄く扱いが難しいです。)

(本当にそう思います。アレを楽々と操るマスターや皆様には、本当に脱帽ですよ。)

(重力制御の力が無くても、一応は振るう事は可能だしな。朝飯前な感じよ。)


 俺の言葉に、方天戟使いの面々がウンウン頷いている。ただ、同じ獲物を使う面々だが、その戦い方は個々人で全く異なってはいる。


 俺達が使わせて貰っている各獲物は、元ネタとなる作品での戦闘ロジックとは掛け離れているのが実状だ。向こうみたいに豪快に振るったり、無敵モードが出たりとかは断じて無い。しかし、絶え間ない鍛錬の先に訪れる力だけは確かである。


 それが、俺達が敬愛する武将の獲物で得られるなら、この上なく光栄な事であろう。故に、更なる高みを目指そうと奮起できるのだからな。


(それに、私達が獲物を使う姿勢は、相手の武器を防ぎつつ、体術で反撃するための防衛手段ですからね。題材作品の様に動く事は、非常に厳しいですし。)

(本当にそう思うわ。それこそ、この異世界惑星のファンタジー概念ですら、実現不可能なレベルだしな。)


 現実世界とファンタジー世界は、非常に似ている部分はある。しかし、ゲーム世界となると全く以て話が異なってくる。ファンタジー世界が限りなく近いものになるが、それでもとても追い付く事はできない。


(結局最後は、肉弾戦による戦いで雌雄を決する事になりますよね。)

(各作品の題材品を、警護者の世界で反映できる点でも凄いと思いますよ。)

(はぁ・・・だから警護者自体が、ヲタクの方々から憧れると言われるんだな・・・。)


 俺の心からのボヤきに、ヲタク気質の面々が爆笑しだしている。更には警護者に属する面々も笑い出した。実際問題は、その雰囲気が非常に色濃いのだから仕方がない。


(ぬぅーん! 全部終わったら、再びコミケかアキバに突撃訪問するわぅね!)

(コスプレで赴くか・・・警護者スタイルで赴くか・・・。)

(そこが問題ですな・・・。)

(はぁ・・・そうですか・・・。)


 これである・・・。恒例の如く繰り出されるのは、今では通例的となった行動だ。コミケやアキバへの訪問は、今の俺達の恒例行事となっている。まあ、それで喜んでくれる方々がいるのなら、決して間違った行動ではないだろう、一応・・・。


 何はともあれ、確かにミツキが挙げたプランには賛成である。そうしたコミュニケーションの繰り返しの先に、本当の意味での安穏が訪れるのだから。それを率先してくれているのが、ヲタク気質の警護者達である。


 そんな彼らが、この異世界惑星に到来しているのだ。もし、地球の本家のヲタクの方々が知ったら、一体どうなるのやらと怖くなるわ・・・。


    第2話・2へ続く。

 方天戟のネタが@@; まあ、リョフさんの境遇に関してのそれですが、私事としては、裏切りと身勝手だけは論外ですがq(*血*)p それ以外では、劣勢に対しても猛然と突き進む姿勢は、心から敬愛しているしだいです@@b 無双オロチZで体験した、呉軍を劣勢から救った生き様には、流石は彼だと思いましたね><b とまあ、そんな感じです(何@@;

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