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覆面の探索者 ~己が生き様を貫く者~  作者: バガボンド
第2部 真の敵の淵源
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第13話 全ての起源2(通常版)

(大いに有り得ると思いますけど・・・。)

(異世界組の方々の男女比率、1%と99%ですし・・・。)

(はぁ・・・。)


 そこら中から、呆れと殺気の一念が飛んで来る。それが、俺の心中にグサグサ刺さりまくる思いしかしない。その中で、ミツキとサラとセラは、超嫌味なほどニヤケ顔を浮かべている。まあ、この場合は俺に原因があると思われるため、反論する資格すらないが・・・。


(・・・貴方様は、誰からも好かれる良い方ですね・・・。)

(はぁ・・・そうですか・・・。)

(・・・貴方様の強さは、精神と生命の強さ・・・。これは、万物を支える根源です・・・。)

(根源、か・・・。)


 俺の傍らに歩み寄ると、何とその身体が発光しだした。その発光が止むと、竜の姿から人の姿になっているではないか。その様相は、各作品でも見る竜戦士そのものだ。リザードマンに見えなくもないが、威厳の次元は遥かに凄まじい力を放っている。



(・・・まさか、竜の姿から人の姿になるとは・・・。)

(アレか、認めた相手以外には見せない姿なのか。)

(・・・我々は、竜の姿で永劫の時を生きてきた・・・。人型の方が効率は良いのだが・・・、見縊られる事が多いのでな・・・。)

(なるほど。)


 巨竜が語るそれに、自然と納得できてしまう。確かに竜の姿の方が、相手への威圧としては最強であろう。竜族自体の存在意義とも言えてくる。それが、この女性竜は人型へと変化してくれたのだ。


(・・・ありがとな。)

(気にしないで下さい・・・。貴方様の強さには・・・心から敬意を表します・・・。竜族は、力こそ全ての種族・・・。貴方様は・・・我が主に相応しい存在です・・・。)

(そ・・そうか・・・。)


 俺の目の前で跪く彼女。高貴な存在に頭を下げられるのには参る感じだが、そこに込められた一念は絶対に汲まねばならない。


 俺の方も彼女の前に跪き、ソッと右手を手に取り両手で包み込んだ。敬意には敬意を以て返す、それが警護者の流儀である。それに驚いた表情を浮かべるも、自然と笑みを浮かべてくれる彼女。


(TちゃんTちゃん! 女性竜じゃ味気ないから、名前を付けるべきわぅよ。)

(名前か・・・烏滸がましい感じがするんだが・・・。)

(いえ・・・貴方様からの命名とは・・・私の方こそ烏滸がましい限りです・・・。私には、既に名前がありますが・・・貴方様に命名されるのは誉れ高き事です・・・。)

(そうか・・・分かった。)


 真剣そのものの表情で見つめてくる彼女。こうなると、しっかりした名前が必要だろう。そこで、ベストのポケットに忍ばせてある手帳を取り、その中の内容を見入る。命名にこの流れは失礼かも知れないが、しっかりとした名前であれば必要なものだ。


 過去に、6隻の宇宙戦艦を命名した時も、この手帳の恩恵があった。今回も、この手帳の力を借りるしかない。それに、この異世界惑星の創生に携わったのなら、恐らく命名に挙げる名前は・・・。


(・・・ラティミナはどうだ?)

(?!)

(やはり・・・そうなりましたか・・・。)

(ほむ・・・俺が彼女を、ラティミナさんと名付ける事が確定していた訳か。)


 ・・・案の定の展開になった。案内役の竜の名前をラティミナと名付けたのだが、どうやら彼女は既にこの名前だったという事になる。つまり、彼女はラティミナと決められる事を既に知っていたとも言えた。


(・・・改めて、私の元の名前はラティミナと申します・・・。そして、マスターに命名されたお名前は、同じラティミナとなります・・・。)

(お前さんはそれで良いのか?)

(勿論です。)


 既に決まっている事とあってか、より一層雰囲気が据わりだす彼女。そう言えば、各作品でも命名により覚醒するのを見た事がある。それだけ、名前という概念は凄い事だと痛感する。


(それと、七竜王の方々のお名前も挙げるべきかと。)

(彼らの“色”を見れば、何の名前なのか分かるのがね・・・。)


 手に持つ手帳を見つつ、過去にそこから命名した事がある“7つの存在”を思い遣る。それがこの異世界惑星の七竜王に冠しているというのは、何とも言い難いものだ。



(どうする? お前さん達7人も、改めて命名するか?)

(・・・我々に拒否権はありません。皆様方には今も、我々の名前だけは挙げていませんので。それに・・・創生者となる皆様方、特に貴方様に命名されるのは・・・誉れ高い事です。)

(そうか、分かった。)


 先程までの声色とは打って変わり、ラティミナの様な敬語を使いだす巨竜。彼も七竜王の1人らしいので、該当する名前が当てはまるだろう。


 静かに歩み寄って来る巨竜。更に他の6体の巨竜も歩み寄って来た。そのまま、ラティミナの様に神々しく輝きだすと、人型へと変化した。と言うか、この7人も・・・。


(全員、女性だったのである、まる♪)

(勘弁してくれ・・・。)


 速攻、茶化しを入れて来るミツキ。それを皮切りに、殺気に満ちた目線で睨まれる。最早恒例的なものだ・・・。しかし、その様相を窺った7人は小さく笑っている。


(・・・ラティミナが認めるだけの方ですね。むしろ、生命の次元から笑みを浮かばせると言うべきか。)

(それは、ミツキさんの専売特許だと思うんだがな・・・。)

(・・・笑いの元は、マスターが淵源です・・・。)

(そうですか・・・。)


 至って生真面目な雰囲気で語るラティミナ。彼女、ヘシュナと初めて会った時の雰囲気に似ているかも知れない。唯一異なるのは、敵対されなかった事だけか。


(はぁ・・・比較対照なさらないで下さい。ラティミナ様の方が、しっかり世上を見定めていらっしゃいます。)

(そうわぅ! そうわぅ! Tちゃんをモノホンで怒らせた前科があるわぅし。)

(ぜ・・前科・・・。)

(不服かね、ヘシュナ君?)


 過去の実例を挙げつつ、ボケも絡めた語りをするミツキ。それに、為す術無く項垂れる雰囲気のヘシュナ。掘り起こし的にはなるが、今となっては立派なネタの1つである。当時を知る面々は小さく笑っていた。間違いない、雰囲気クラッシャーだ。


 ミツキの生き様は百も承知のヘシュナ。そのボケの内容に応じる姿勢からして、既に克服していると言える。そもそも、あの時のヘシュナは悪役を演じる必要があったため、彼女の手の内で踊らされたのが俺でもある。それだけ、強烈な悪役を演じていた証拠だ。


 悪役を終えたヘシュナは、暫くはラティミナの様なぶっきらぼうの雰囲気だった。それが、ミツキなどの輝かしい生命力を持つ面々に感化され、今の様相へと至ったのである。こうしてボケにツッコミで応じる姿勢が、ヘシュナの成長した姿とも言える。


(ま・・まあ何だ、今は流れに従うか・・・。)

(まだまだネタは数多く・・・むぐっ?!)

(はいはい、おいたは止めましょうね。)


 そして、恒例の展開となる。半ば暴走気味のミツキの口を塞ぐナツミAの図だ。この連携も見事なものである。雰囲気で会話を続けよと促しているのだから・・・。


    第13話・3へ続く。

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