第9話 魔物の襲来2(キャラ名版)
ミスT(5大宇宙種族の方々さんや、魔物娘さん達と会話ができるような効果はないか?)
ゼデュリス(あ・・起きられたのですね。お身体は大丈夫で?)
ミスT(ああ、問題ない。ありがとな。)
念話を通して、5大宇宙種族の面々にコミュニケーションツールができないかを尋ねた。すると、直ぐさま反応してきたのはゼデュリスだった。声色からして、心配してくれていたようだ。
デュヴィジェ(おそようございまする、小父様。)
ミツキ(おそようっすー!)
ナツミA(茶化しはいいから。)
何ともまあ・・・。颯爽とボケとツッコミを入れる姉妹には脱帽する。だが、即座に雰囲気を和ませる部分、ここもまた脱帽するしかない。
デュヴィジェ(アハハッ、何とも。それで、魔物娘様方とのコミュニケーションですが、念話の応用を行えば可能だと思います。現に、地球では他国間の者同士、翻訳をしなくても会話が可能ですからね。)
ミュティナ(これ、本当に驚きですよね。先人様方は、一体どうやってこのテクノロジーを作ったのやら・・・。)
ミツキ(ぬぅーん、考えると難しくなる、止めておくべきだ。)
ミスT(その分、魔物娘さん達をモフるしかない、とかな。)
ミツキ(ハッ?! それは名案わぅ!)
真面目会話からのボケとツッコミ。しかも今回は俺がボケを言い、ミツキがツッコミを入れる構図だ。それに周りの面々は爆笑しだしている。特に驚いたのが、傍らにいる魔物娘達も同様に笑っていたのだ。正直、馬鹿にはしていないが、この笑いが分かる事自体驚いた・・・。
デュヴィジェ(何とも・・・。ですが、そうしてお嬢様方に伝わっているので、後は発声に繋げるのを考えるべきですか。)
ヘシュナ(それ・・・上手くできます?)
デュヴィジェ(この私を誰だと思っていますか? 小母様に鍛え上げられた娘ですよ? 不可能な事はほぼないです!)
ヘシュナ(そ・・そうですか・・・。)
呆れつつも、嬉しそうに微笑む姿を感じた。デュヴィジェとヘシュナは母娘の間柄に近い。娘の成長に心から喜んでいるようだ。
デュヴィジェ(とりあえず、外部翻訳効果に関してはお任せを。時間は掛かりますが、何とかしてみますね。)
ルビナ(うーん・・・そのデュネセア一族の発展型スキルと言うか、本当に凄いですよね・・・。)
ナセリス(私達では考えられませんし・・・。)
ミスT(イザリアさん達も同族だから、色々と活躍できたんだろうな。)
徐に一服しながら思った。デュヴィジェのこの応用力は本当に脱帽するしかない。
5大宇宙種族の誰もが挙げるが、デュヴィジェの力は逸脱している。本来なら有りのままのテクノロジーを使うしかない所だが、それを発展させ新たに作り出すのだ。応用力とも言えるのだが、それでは利かないレベルである。
まあ、あの黒いモヤ自体を長時間監視したり、5大宇宙種族の全ての能力を繰り出せる力を持っている。ヘシュナに鍛え上げられた事もあり、本当に逸脱した存在としか言い様がない。その彼女が娘の様な存在なのには、ただただ驚くしかなかった。
デュヴィジェ(前にも挙げましたが、全ては小父様と小母様がいたからですよ。特にミツキT様の闘病生活時に関わったのが、大きな転換点だと確信しています。)
ミツキT(そうでしたね。初めてお会いした時の貴方は、押せば簡単に倒れてしまうような弱々しさでした。それが今では、絶対不動の原点回帰を持つに至っている。)
デュヴィジェ(烏滸がましい限りです。小母様の臨終に立ち合い、己の無力さを思い知らされ、以後何があろうが立ち止まらずに突き進むと決めました。形振り構わず、力を得ようとしだしましたので。)
ヘシュナ(本当に凄いですよ。私もそうでしたが、各宇宙種族の超大な力に据わってしまい、後の発展成長させる姿勢が欠落していきました。ですが、貴方は全く違った。常に努力する姿勢を絶対に崩さなかった。)
確かに、デュヴィジェの生き様には、5大宇宙種族の誰もが感嘆している。常に努力する姿勢には、脱帽の連続だと言い切っていた。ヘシュナが挙げた通り、種族特有の力に一切胡座を掻かないのだ。黒いモヤへの監視も、彼女でなければ成し得られなかっただろう。
ミスT(全てを持ち過ぎると、全てを持たざるものになる。有り余る力に溺れ盲目となり、私利私欲に走り易くなる。言葉は悪いが、お前さん達5大宇宙種族には、痛烈なまでに当てはまる。幸いにも、俺が知る全宇宙種族の盟友達は、その様な愚者には陥っていないが。)
ミツキT(本当ですよね。私もそれを把握できました。これは一度死を迎え、生命の次元に帰結した時に得たものですけどね。)
ミスT(それこそ、正にフォースに回帰するとも言えるんだがね。この異世界なら、魔力やら何やらに該当してくる。)
ミツキ(フォースは即ち、生命力とも言えますからね。ドラゴンハート一族なんか、その応用で電撃を飛ばせますし。)
ミスT(電撃ねぇ・・・。)
ミツキTの帰還は、理路整然と解釈できる物事ではない。実際に生命体は死去後、新たな生命に生まれ変わるのが通例と言われている。その際、記憶などは消去されるとも。しかし、彼女の場合は異なったのだからな。
デュヴィジェ(ますます以て、我が生き様を貫かねばと奮起できますよ。皆様方の顔に泥を塗る真似は絶対に致しません。己が生き様、とくとご覧あれ!)
ミツキ(にゃらばっ! ポケットから茶菓子が無限大に出るシステムを構築するわぅ!)
ナツミA(ビスケットだけにした方が良いと思うけど。)
ミスT(そして食い漁り太ると。)
デュヴィジェの真面目会話から、姉妹のボケとツッコミに至る。そして俺も便乗して、ボケを言ってみるが、周りの女性陣から痛烈な殺気の一念をぶつけられてきた。
シルフィア(T君・・・女性に年齢や体重関連の話題はNGなんだけど・・・。)
ミツキ(むぬっ? 今のTちゃんは女性わぅけど?)
ナツミA(上手い具合に言い逃れできる道があったわね。)
ミスT(ふむ、美人で可愛いお前さん達に睨まれるなら本望だが?)
シルフィア(・・・それ、本気で言ってる?)
ミツキ(本気と書いてマジと言うわぅ!)
ミスT(ハッハッハッ!)
ミツキのボケに再び大爆笑してしまった。と言うか、引き金は俺に十分あるため、言わば自分で言って笑った感じと言えなくもない。そんな俺に周りの一同は呆れ顔を浮かべている。
ナツミA(何か、仮眠から起きてから絶好調の様な気がしますね。)
ミツキ(昨日のウイスキーボンボンの効果わぅ?)
スミエ(んー、Tちゃんは元はこんな感じですよ。昨日までの反動がデカかったから、それに伴うリバウンドが発生しているのかと。)
ミスT(リバウンドか、一理あるわ。)
自分で言っていて何だが、明確に解析できる自分に驚くしかない。つまり、先程までの仮眠で疲労が取れた感じと言えるのだろうな。
ミスT(幼子さん達しかり、魔物娘さん達しかり。そして、リューヴィスの女性陣しかり、身内の女性陣しかり。いや・・・男女問わず、全ての生命体しかり、か。総意に降り掛かる、悲惨や不幸は全て叩き潰す。それが俺の明確な生き様だ。)
ミツキT(小父様らしいです。私も微力ながら、小父様の誓願に尽力致します。何処の馬の骨とも分からぬ輩に、大切な方々を貶されてたまるものですか。)
ミスT(フッ、その通りだわ。)
ミツキTの啖呵は、当初は俺が挙げたものだったと思う。彼女が病床の時、襲来する病魔に対して、共に誓い合った言葉の1つだ。それが、今では総意に襲来する愚物に対しての一念に化けるとはな・・・。
人は・・・いや、生命体は1体では生きていけない。お互いに支え合ってこそ、苦難の道を乗り越えられる。むしろ、支え合える存在がいるのなら、乗り越えられない壁などない。
ここに回帰するまでに、一体どれだけの時間が掛かったのか。いや、既に答えを知っている故に、それに気付くのに物凄く時間が掛かったのだろう。灯台下暗しそのものだ。まあ、一度そこに回帰してしまえば、後は突き進むのみである。
第9話・3へ続く。




