表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
覆面の探索者 ~己が生き様を貫く者~  作者: バガボンド
第2部 真の敵の淵源
147/683

第6話 帝都解放2(キャラ名版)

イザリア(マスター、城の方に外部からの魔法力を感じます。)


 中央広場で雑談をしていると、イザリアより念話が入る。同時に、近場にいる異世界組の面々も、彼女が言う魔法力を感知しだしていた。


ミスT(城とするなら、相手は王城側か。)

イザリア(でしょうね。)

テューシャ(それに・・・この魔力は、忘れたくても忘れませんよ。)

アクリス(ええ、そうですね。)


 妹達の中で、一際魔力が強いテューシャとアクリス。他の妹達も、微弱ながらもその魔力を察知して、物凄く嫌そうな表情を浮かべている。つまり、知っている人物が到来した事を意味していた。


ゼデュリス(これが・・・念話というものですか・・・。)

アルディア(脳内に声が・・・初めて体験しました・・・。)

ミツキ(うむぬ、ゼデュリスちゃんとアルディアちゃんは、善心がある事を証明したわぅね。)

ナツミA(疑い様がない証拠よね。)


 むしろ、初対面時の2人に念話やバリアとシールドの防御機構を放つべきだったのかもな。それらの効果が発揮されるなら、胸中には善心が溢れている証拠となる。少しでも悪心があるのなら、これら効果は絶対に発揮される事はない。


ミスT(・・・2人とも、申し訳ない。使用を躊躇っていたのもあるが、お前さん達を今の今まで疑っていた。)

ゼデュリス(そんな、お気になさらないで下さい。皆様方から伺った話だと、帝国自体が悪の属性であるとお聞きしました。これは、疑われるような行為をする側の責任問題です。)

アルディア(そうですね。それに、皆様方は王城共や新大陸側で、言われなき扱いを受けています。それが異世界組の方々の愚行なら、私達に疑念を向けられても無理はありません。)

ミスT(・・・すまない・・・ありがとう。)


 警護者の手前、裏切られるなどの行為は日常茶飯事である。地球では何ともなかったのだが、異世界惑星という特殊環境だと、少し怯んでいる感じがしてならない。2人への疑念の一念がそれになる。


エメリナ(大丈夫ですよ。むしろこれらの行動により、疑念が晴れましたし。それに、今後をどうするかが重要です。連中の力は強大ですし。)

ネルビア(悪党の概念は、利害の一致で結束して行くのが、実に嫌味ったらしいですよね。)

ナツミA(何時の時代も、悪は徒党を組んで善を攻めますからね。)

ミツキ(悪心は周りに濃い霧を発生させ、善心を惑わせていく。探りを入れようにも、その濃霧により察知する事ができませんし。)

ミスT(暗黒面の兆し、だな。)


 念話をしつつも、次への行動の準備を開始する。既に軽装備はしているので、後は行動するのみとなる。重装備は実際に戦闘になってからで良いだろう。


カネッド(ゼデュリス姉、城の宰相は実質的に皇帝なんですか?)

ゼデュリス(実は、彼は皇室を嫌っています。当初は偽皇帝と言われていましたが、相当嫌っているそうですし。)

ダリネム(偽と言われる時点で論外なんですけどね。)

キャイス(既に該当者がいますよ。)


 妹達の言葉に、態とらしくニヤケ顔をしてみた。それに釣られて、周りもニヤケ顔を浮かべている。その該当者は偽勇者共だが、今は王城自体も偽国とも言えてくる。


ミツキ(ネオこうて・・・むぐっ?!)

ナツミA(宇宙船からホログラム出して、宣戦布告しそうだから、やめなさいな。)

ミツキ(むがーっ! 実際に連中にやらせて、そこを叩き潰すわぅ!)

ナツミA(ふむ・・・それ、一理あるわね。)


 ネタによるボケを炸裂させるミツキ。直ぐにナツミAに押し留められるが、支配者的な様相を態と演じさせて潰す、というプランに同調しだしている。ボケ自体には苦笑したが、その戦略は相手にとって有効打になり得るだろう。


アーシスト(姉御方、例の宇宙船が動き出した場合、真っ先に宣戦布告をしますかね?)

ラフィナ(一応、3通り考えられます。ミツキ様が仰った、態とらしい演出による宣戦布告からの侵攻の開始。演出はするものの、まだ行動しない場合も。最悪なのが、何も言わずに侵攻を開始する事、この3点です。)

ルマリネ(徐々に分かってきたんですが、悪党の概念が見せびらかしからの屈服なら、ミツキ姉が言う演出侵攻が一番有り得ますね。)

メラエア(あのクソ偽勇者共も全く同じだったしねぇ・・・。)


 身内のヲタク知識に当てられてか、妹達も結構な戦術や戦略を考えるようになってきた。特にミツキやナツミAからの知識吸収率が半端じゃない様子だ。流石としか言い様がない。


エリシェ(連中が宇宙船を浮上させる前に、帝都を解放しないと厳しいですね。)

ゼデュリス(そこはお任せ下さい。皆様方のご支援があれば、この帝都を魔の手から救う事は造作もありません。)

ミツキ(ぬぅーん! わたが皇帝陛下をやってやるわぅ!)

ナツミA(ん? ポチ皇帝陛下、お時間でございます?)

ミツキ(苦しゅうない、大量の茶菓子を密輸して参れ。)

シルフィア(アッハッハッ!)


 恒例のボケとツッコミをする姉妹、そして爆笑するシルフィアと。それらに当てられ、周りも笑い合っている。どうしてこうも、笑いに発展していくのか不思議でならない・・・。



ジェイニー(どうされます? このまま城の方へ攻め入りますか?)

ミスT(前にも挙げたが、宰相共が人間であり、ゼデュリスさん達の親しい人物なら、穏便に進めるつもりだった。言わば、人質を取られているようなものだしな。)

アクリス(となると、暫く泳がせる、ですか。)

ミスT(それが無難かな。むしろ、偽勇者共が来ているなら、連中と結託して動きだすだろうし。纏まって動き出せば、一網打尽にできる。)


 粗方準備が整うも、行動を起こす事に待ったを掛けた。敵側が城内だけなら叩き易いが、城外の方まで広がっている場合は厳しい事になる。城下町の住人を人質に取られる可能性も否定できない。


ミスT(王城側とは同じ流れにはさせんよ。ここに住まう方々は、ゼデュリスさんを敬愛している。王城側はそれがなかった。ならば、ここの住人達も守るべき存在だ。)

ゼデュリス(・・・本当にありがとうございます・・・。)

ミツキ(礼なら、帝都解放後に会食を設けて欲しいわぅ♪)

ナツミA(報酬が会食ねぇ・・・。)

ゼデュリス(フフッ、良いではありませんか。全て終わったら、皆様方で食卓を囲みましょう。)

ミツキ(ウッシッシッ♪ これで更に暴れられるわぅ♪)


 会食が報酬とされた事に、歓喜状態のミツキ。それに周りは呆れ顔である。しかし同時に、彼女から発せられるオーラに、何が何でも周りを守るという一念が感じられた。


ミスT(・・・そうだな、ここの解放ができたら、暫く休むとするか。実質的に、ここが最後の砦になりそうだ。連中もここに向けて侵攻して来るだろう。)

エリシェ(了解です。念のため、レプリカ大和とレプリカ伊400を、接岸可能な距離まで近付けておきます。ゼデュリス様、臨時の桟橋を増設してもよろしいですか?)

ゼデュリス(一向に構いません。今は加勢ができませんが、ここが解放できたら支援物資をお送り致しますね。)

ラフィナ(海賊共への抑止力は磐石ですからね。)


 リーダーを担う3人が会話を繰り広げる。レプリカ大和とレプリカ伊400を、可能な限り接岸させての待機状態とさせるようだ。艦内の管理は躯屡聖堕メンバーが担ってくれるので、俺達は帝都側に集中すればいい。


ミツキ(休んでる時に攻めて来たら、わたが全部蹴散らしてやるわぅ!)

ナツミA(そこは同意するわね。特にTさんには休息が必要だし。)

シルフィア(邪魔するなら痛い目を見て貰うしかないわね。)

ミツキ(邪魔する奴~は指先・・・むぐっ?!)

ナツミA(世紀末ヒャッハーはいいから。)

ミツキ(あ・・あべしー!)

シルフィア(はぁ・・・。)


 恒例のボケとツッコミと溜め息と。溜め息はこちらが付きたいものだが、そのやり取りを窺い笑ってしまうのは、ミツキの手の内で踊らされた証拠だろうな・・・。元ネタを知るエリシェやラフィナは爆笑しているが・・・。


 常に周りを笑わそうと奮闘するミツキ。そして、そこに追撃のスパイスを放つナツミA。偶にシルフィアや身内が加勢するが、大体は姉妹だけで周りを笑わせている。笑顔でいれば幸せになれる、それを実践しているのだ。


 警護者の生き様とは相反する様相。しかし、それこそが真の警護者と言えるのだろうな。彼女達と出逢えた事が、俺の一生涯における大切な宝物だ。




 帝国城に降り立ったとされる連中。内部に入ってからは音沙汰がない。転送魔法による移動も考えられるが、居座っている可能性も十分ある。


 そこで、身内達全員で帝国城下町全体に、帝国城への包囲網を張り巡らせた。連中がどのタイミングで牙を向いてくるか、それに備える必要がある。更に連中が持つ勢力が分からないため、万全を期した方が良いだろう。


 一応、海上にいるレプリカ大和やレプリカ伊400による、艦砲射撃などは可能にした。それらは事前にルビナ達と連携を取り、超能力による精密誘導着弾を狙う形になる。また、信管を抜いた状態で用いる事にした。信管がある場合だと、建物群に損壊を与えてしまう。言わば、海賊共が使っている砲弾の現代版とも言えるだろうか。


 それに、不測の事態に備えて、2艦船は王城側に“艦首を向ける”ように指令した。同艦に搭載されている、必殺兵器を使えるようにするためだ。まあこれらの使用は、最悪の状態に至った時のみだが。


 更に言えば、この必殺兵器は矛先を360度変更が可能だ。艦首を向けると挙げたのは、それを抑止力とさせるためのハッタリである。つまり、どの状態で待機しようが、相手を狙撃する事は可能なのだから。


    第6話・3へ続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ