表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
覆面の探索者 ~己が生き様を貫く者~  作者: バガボンド
第2部 真の敵の淵源
131/683

第4話 覇道の存在2(キャラ名版)

ナツミA(雑談はそこそこにして、これからどうします?)

シルフィア(ぶっちゃけ、ちょっとヤバい感じになってはいるけどね。)


 ミュティナと共に偵察を終えて地上へと戻る。その先にはリューヴィスの幼子達と戯れるミツキとサラとセラがいた。近場ではシュームとナツミYUが女性陣に稽古を着けている。


ミスターT(・・・愚痴を言うなら、レプリカ大和艦首のスーパーレールガンで解決だが。)

ミツキ(おおぅ、一発チェックメイトわぅけど、それはNGわぅ。)

ミュティナ(力は適切に使ってこそ真価を発揮する、ですよ。)

ミスターT(そうですか・・・。)


 簡単に解決できる方法を挙げるも、即座に一蹴された。今さっき問題とされた、俺の弱い部分のそれだ。しかし、そのやり取りを伺ってか、周りの面々が小さく笑っている。


ルビナ(ギリギリまで先延ばしをして、ここぞという時に稼動させる、でしょうね。悪党の本質は、相手に絶対的な優位性を見せ付ける事ですので。)

イザリア(ですが、幾ら量産型の宇宙船でも、レールガンの直撃を受けたら大破壊ですよ?)

ミュティナ(そこですが、バリアとシールドの防御機構で無効化できますので、問題ないです。)

ミスターT(・・・お前さん、母親に似てきてるわ・・・。)


 適材適所的に力を出す事を行うミュティナ。その姿は、地球で活躍中の彼女の母親に、実にソックリになってきた。あの幼子がここまで成長した姿に、何だか嬉しい気分になる。


ミスターT(そう言えばイザリアさん、ここから西側に、何か生体反応があるんだが?)

イザリア(西側・・・ああ、セレテメス帝国ですね。)

ミスターT(は? ちょっと待った、何故今まで関知して来なかった?)


 彼女が挙げた都市名を聞いて驚愕した。名前はともかく、帝国となれば相当な規模である。当然、その様相は覇道を貫くだろう。王城側の愚行を察知しているはずだ。


イザデラ(こちらは私が監視していたのですが、王城側よりは実に中立を保っています。自国の領土を民を潤す形で広げており、帝国とは名ばかりで善政の国家ですよ。)

ミスターT(・・・帝国の概念を覆す存在だわ・・・。)


 イザデラの言葉に、地球組とヲタク気質の宇宙種族組が呆気に取られている。帝国と聞けば、大体が覇道を進み、悪心を貫く存在だ。社会主義とも軍国主義とも言えてくる。それが、彼女の言い分だと、民主主義に聞こえなくないのだからな。


イザネア(ですが、実際には覇道を進む存在です。気質的には善政寄りですが、西側大陸は実質帝国の独裁主義の国家となっていますし。)

エリシェ(アレですよマスター、民の苦痛を取り除く悪道と。王城は民の苦痛を見ない悪道でも。どちらにせよ、お3方が仰るのを踏まえても、相手はニュートラルからヒール寄りかと。油断しない方が良いと思います。)


 僅かながらの情報から推測し、頭を捻りだすエリシェとラフィナ。また、参謀にデュリシラとカラセアも合流したため、共に頭を捻っている。


エメリナ(あの・・・拙い考えを述べさせて頂きますが、帝国側は3つの宇宙船を狙ってはいないのでしょうか?)

イザデラ(全てを踏まえた流れでなら、確実に狙って来ると思います。まあ、その意識を反らすために魔王の存在が必要だったのですけど。)

イザリア(北の魔大陸に、大魔王が居城を構えている、と。お姉様に大魔王役を担って頂いていた感じになります。ミスターT様を召喚するまでの間ですけど・・・。)

ミスターT(はぁ・・・結局、パワーバランスを変えたのは俺か・・・。)


 非常に遣る瀬無い思いになってくる。当初の頃に思っていた、自身の力が異世界に与える影響のそれだ。今までの流れが強過ぎて忘れていたが、結局は俺がパワーバランスを崩したと言えてくる。


カネッド(でもさ兄貴、兄貴がここに来なかったら、私達は出逢う事がなかったっすよ?)

ダリネム(そうですよ。今の言葉は結果論であり、今後を覆せば雑談のネタですし。)

シューム(フフッ、雑談のネタ、ね。私達も彼女みたいに、楽観主義で進むべきよ。)


 静かに一服しつつ、2人の言葉に同調するシューム。彼女自身もミツキに影響を受けて、楽観主義を主体として生きている。娘のリュリアの生き様が顕著である。


アクリス(とにかく、今の立ち位置は相当危うい状態ですよね。)

イザリア(そうですね。王城軍・海賊群・新大陸勢力・帝国軍、と。)

ジェイニー(新大陸勢力と挙がりましたが、あそこはまだ軍事力に乏しいと思うのですが?)

イザデラ(海中の宇宙船ですよ。向こうにいた時の私達の会話を、聞いているとも思えます。もし、そこに辿り着けるなら、稼動も十分有り得ますし。)


 妙に信憑性がある話をするイザデラ。新大陸の連中が、海中の宇宙船を稼動させるというものなのだが、実際に潜って潜入できるのかと思う・・・。


テューシャ(ん? 新大陸の宇宙船の水深です? 素潜りで約10mぐらいですよ。)

ミスターT(お前さん、潜って確認したのか・・・。)

テューシャ(はい♪)

フューリス(私達、素潜りは大得意ですよ♪)

ネルビア(この異世界では、湖などが多いので、素潜りなどできないと生活できませんからね。)

ミスターT(そ・・そうですか・・・。)


 今までにないぐらいの笑顔を浮かべている妹達。エメリナ達も同じで、相当なスイマーの力を有していると思われる。これは実に意外だわ・・・。


ミツキ(ぬぅーん! 同伴者にTちゃんを抜擢するわぅ!)

ミスターT(・・・カナヅチに沈めと仰るのか・・・。)

シルフィア(君は空と水だけは大の苦手だし。)

ナツミA(相変わらずですよねぇ~。)


 ニヤケ顔で笑う3人。有限実行されそうな気配を感じてしまい、恐怖を感じずにはいられない・・・。そして、俺の弱点を知った異世界組は、ただただ呆れるしかないようだ。


ミスターT(ま・・まあ・・・話を戻すが、エメリナさんのその懸念だが、俺達が態と加担する場合はどうなってくるか・・・。)

イザリア(それ、帝国に加勢するのですか?)

ミスターT(オーバーテクノロジーを使われるよりは、俺達がそれになり切ればいい。もし、説得ができるようなら正し、覇道を王道か中道に変えられれば万々歳だわ。)

エリシェ(それ、三国志はソウソウ様を、リュウビ様やソンケン父様に転身させる感じですけど。)

ミスターT(気質からすれば、絶対に有り得ないだろうがね。だが、こちらには王城側を超越する力がある。もし帝国が俺達を利用しようとするなら、逆に利用してやればいい。)

ラフィナ(大きく出ましたねぇ~。)


 俺のプランに呆れ顔の地球組だが、一理あると再び頭を捻りだすエリシェとラフィナ。早速、脳内で作戦を練りだしているのだろう。


カラセア(・・・マスターの考える事は、時々読めなくなります。)

ミスターT(俺でも賭けではあるんだがね。だが、覇道を進む存在でも、王城の様な愚者ではないと思われるしな。もし帝国側も愚者に進むようなら、また離れればいい。)

ダークH(物凄い危険な賭けかも知れませんし・・・。)

ウインド(逃がしてくれますかね・・・。)


 不安の色を隠せない一同だが、現状の戦力不足を踏まえれば、帝国の加担は互角近くになるだろう。だが、実際に帝国本土を見た事がなく、現段階ではどのぐらいの規模かまでも不明である。


ミスターT(オルドラさん、このプランは無謀か?)

オルドラ(俺には分からんよ。だが、今の八方塞がりよりは、道が拓けるかも知れない。それに、アルドディーレ自体が王城に非常に近い。何れ侵略されるのは目に見える。)

ミスターT(・・・アルディアさん達も巻き込む事になるか。)


 ほぼ逃避行になりそうな雰囲気だが、帝国の出次第では相当な戦力増加になる。異世界での勢力図は、拮抗させた方が良いだろう。


ミツキ(わたはTちゃんに付いて行くわぅよ。いざとなったら、本気を出せばOKわぅし。)

ナツミA(本気ねぇ・・・。先の討論を踏まえると、余り使いたくない力だけど、何もしないでいるよりはマシかな。)

シルフィア(それに正直な所、私達もプレイヤー側に属するからね。ネルビアさん達に加担しつつ、王城の野望を打ち砕く。そのために帝国に訪れる。ファンタジー作品っぽい展開で、実に面白そうじゃない。)

ナツミA(何時になく乗り気ですね。)

シルフィア(貴方も、内心は動きたくてウズウズしているでしょうし。)


 その言葉で、瞳が妖しく輝きだすナツミA。以前伺ったが、シルフィアもナツミAも、相当なファンタジーマニアである。ヲタクでもあるため、ラフィナ達と非常に同調し易い。


ウエスト(とりあえず、レプリカ大和の出航準備を整えますか。)

サイバー(レプリカ伊400もあるので、艦底にドッキングか併進させる必要がありますし。)

ヘシュナ(はぁ・・・調停者と裁定者・・・いや、今は度外視で進みますか。諸々、了解しました。アルドディーレの方々に、同都市から撤収準備を促します。)

デュヴィジェ(いっちょ、やりますか。)


 有限実行の一同。既に出発の準備は整っていたらしく、最終準備に取り掛かりだした。特にここアルドディーレからも撤退する事になるため、相当な大移動となる。市長のアルディアに諸々の内容を伝えた方が良さそうだ。


 直ぐに準備に取り掛かる身内達を横目に、市長の館へと向かう。今回も大規模な移動となるため、テンヤワンヤ状態に至っている。ここは身内達に任せるしかない。それに、アルディア次第では、彼女達はここに残ると言い出すかも知れないしな。説得も必要だろう。




アルディア「同都市からの離脱ですが、既にヘシュナ様方から提案を受けていました。何れここも戦火に巻き込まれるでしょうから、大移動に関しては賛成します。」

ミスターT「そ・・そうですか・・・。」


 肝っ玉が据わっている女傑なため、説得は厳しいかと思った。しかし、市長の館で出迎えてくれた彼女は、何と既に出発準備を整えていたと言う。後から駆け付けてきたヘシュナに、諸々の内容を伺えたのだ。


ヘシュナ「最終目標は王城の打倒ですが、今は戦力的に乏しいですからね。それに、アルディア様が仰られていると思いますが、ここアルドディーレも戦火に巻き込まれるでしょう。要らぬ被害を出さないためにも、早々に撤退した方が良いです。」

アルディア「そうですね。でも、問題は何処に向かうかですが・・・。」

ミスターT「それなんだが、先程決まったから後で話すよ。今は準備の方を終わらせよう。」

アルディア「了解しました。」


 こちらも有限実行の彼女。必要最低限の道具群を持ち、そのまま港の方へと向かって行った。この市長の館も結構な邸宅なのだが、それを簡単に明け渡す姿勢は、既に腹が据わっている証拠だろう。


 後聞きだが、俺達がここに来るまでに、既に大移動の計画は完成していたらしい。問題は、今現在の造船都市在住の面々を、何で移動させるかだけだったとの事だ。造船都市に停泊中の数隻の巨大帆船もあるのだが、風が吹かないと動かないため数えていなかったと言う。


 そこで着目されたのが、造船都市の沖合いで警視待機中だったレプリカ伊400だ。同艦に複数の巨大帆船を牽引し、そのまま移動するというプランだ。更に俺達がレプリカ大和で到来した事により、こちらで一挙に担おうという感じになったとの事である。


 確かにレプリカ大和の力なら、巨大帆船群を全て牽引しても問題ない。レプリカ伊400もあるため、併進させれば十分な移動手段となる。後は、造船都市の人員などを全て搭載可能かという点になるが・・・。


    第4話・3へ続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ