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UMAハンターKAIN  作者: バーニー
437/530

カレン その③

水面に沈む長靴


手を伸ばす始祖鳥


驚く蟹の泡


平原に望む隕石の来報


響也が、クロナと架陰に指示を出した。


「三人揃ったと言ったって、お互い、体力的にも、精神的にも限界が近づいている」


「はい…」


特に、一人でカレンの相手をしていたクロナの消耗が顕著だった。


クロナは「私は大丈夫です」と言って、頬を伝う玉のような汗を拭った。


クロナの強がりは無視して、響也は続けた。


「二人とも、カレンの能力はもう理解したな?」


「はい」


能力【茨】。


空間に茨を出現させて、それを自在に動かすことで相手を攻撃する能力だ。


「チャンスはあと一回と思え、この一回で、私たちの全てを使って、カレンを止めに入る…!」


響也は、そう言うと、自分の顔に手を触れた。


「行くぞ…」


「了解」


「わかりました」


目配せだけで、全てを理解する。


「能力【魔影】発動!」


架陰がそう宣言した瞬間、彼の体表から、闇から抽出したような黒いオーラが湧き立つ。


架陰はそれを操り、両足、両腕、そして、名刀【赫夜】に纏わせた。


「肆式…、【魔影脚】+【魔影拳】+【魔影刀】!」


クロナも、自身の能力を発動する。


「能力…! 【黒翼】!!」


叫んだ瞬間、背中の肩甲骨辺りから、架陰の魔影にも似た、漆黒のオーラが飛び出し、身の丈ほどの大翼を形成した。


さらに、響也も能力を発動した。


「能力! 【死神】発動!」


地面から、魔影のような黒いオーラが湧き立ち、響也の華奢な身体を覆う。


形を形成し、黒いマントとなった。


響也の変化はそれだけじゃない。黒いオーラは彼女の顔面を覆い、白い骸骨の面となった。


架陰の【魔影】。


クロナの【黒翼】。


響也の【死神】。


三人同時に能力を発動した。


「さあて、一瞬で決めるぞ! 気を引き締めろよ!」


「「了解!!」」


死神の姿になった響也は、ぬらりぬらりと地面を音も無く這うと、カレンに向かって斬り込んだ。


「手順通りに行くぞ!」


響也の接近に、カレンは空間に茨を出現させて応戦した。


響也は、自身の愛刃【death scythe】を強く握り締めた。


(まずは、私がカレンの攻撃を全て引き受ける!)


しなやかな足で上手くステップを踏むと、長物の遠心力を利用して、滑るように茨を躱していく。時には切断し、確実にカレンとの間合いを詰めていった。


(さあ、カレン、お前はどうでる?)


距離を詰める。


カレンは、地面を蹴って後退した。


「やっぱそう出るよなあ!」


予想通りの行動に、響也は歓喜の声を上げた。


「今だ! 架陰! クロナ!」


「「了解!!」」


カレンを止めるには、この茨の攻撃をかいくぐり、確実の彼女の意識を奪うことができる者が適任だった。


残念ながら、火力に特化した響也の能力ではそれが難しい。


だが、魔影で上手く立ち回ることができる架陰なら。


翼を持ち、立体的な動きができるクロナなら。


(カレンを止められる!)


「行きますよクロナさん!」


「わかってるっつーの!」


架陰は、魔影を纏わせた脚で、地面を思い切り踏み込んだ。


衝撃波が発生し、彼を一気に加速させる。


圧倒的機動力で、彼はビルの壁を駆け抜けた。


クロナもまた、背中に生えた翼を仰ぎ、自身の身体を上昇させる。


二人同時に、後退したカレンの背後に回り込んだ。


「「響也さんっ!」」


「わかっている!」


響也は、カレンとの距離が空いたまま、装備している【death scythe】の三日月のような刃を、地面と平行になるように構えた。


上体を捻り、腰から腕に掛けて、エネルギーを蓄積させる。


すると、響也の身体が青白く発光した。


「死踏…、一の技…【命刈り】…!」


上体を捻り、遠心力を発生させながら、刃を一閃した。


刃から白い斬撃が放たれ、下がったカレンに迫る。


(攻撃を受けたお前が次にとる行動は…!)


カレンに響也が放った斬撃迫る。


カレンは虚ろな目でそれを認識すると、指を鳴らした。


「【薔薇の牢獄】…」


すると、彼女の前の前に、無数の茨が出現して、彼女を守る盾となった。


「やっぱりそうなるよなあっ!」


すべて、手のひらの上の行動だった。


「決めろ!」


「はいっ!」


カレンは今、意識を響也の方に持っていかれている。その証拠に、茨はカレンの前に集中して、背後の防御がおろそかになっていた。


「これなら…!」


「打ち破れる!」


架陰とクロナは、空中で体勢を整えると、それぞれの刀を、カレンに向かって振り下ろした。


「【悪魔大翼】っ!」


「【明鳥黒破斬】ッ!」







第131話に続く
















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