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UMAハンターKAIN  作者: バーニー
358/530

さらば夜 その②

天蓋を割って


出てくる雛の目を潰し


生まれ落ちることさえも


獄門を潜りて



2


「来い」


鬼丸が手招きをする。


言われなくても、架陰はアスファルトを強く踏み込み、斬りこんだ。


「【魔影刀】!!!」


魔影を纏わせて、火力を底上げした刃を、鬼丸に向かって一閃する。


鬼丸は一歩も動かない。


刀を抜くと、その白銀の刃で、架陰の斬撃を受け止めた。









ドンッ!!!!










魔影刀から放たれる衝撃波。


空気が揺れる。


降りしきる雨が、一瞬、吹き飛ばされた。


「っ!!」


架陰の刀は、そこから先・・・、鬼丸が受け止めた先から動くことができなかった。


どれだけ力を込めて押し込んでも、鬼丸はビクともしない。


冷静な表情のまま、架陰の刀を受け止めているのだ。


「・・・・・・、ふむ。やはり、弱いな・・・」


その、一言に尽きた。


「くそ!!」


架陰は一度身を引く。


それから、再び刀に魔影を纏わせて、斬りこんだ。


しかし、架陰の視界から、鬼丸の姿が消える。


漆黒の刃は、空を虚しく切った。


「っ!!」


「・・・何もわかっていないな・・・」


背後に、鬼丸が立つ。


架陰の耳元で囁いた。


「貴様の斬撃は・・・、私には届かない」


「くそっ!!」


振り向きざまに一閃。


しかし、刃は空を斬る。


鬼丸は足音も立てずに、ひょいひょいとバックステップを踏んで下がった。


「確かに、鍛えられているだけの事はある。踏み込みも、刀の構え方も・・・、私に向かってくるその気概も、なかなかのものだ・・・」


いつの間にか、彼の腰の鞘には刀が収められていた。


「しかし・・・、私には敵わない・・・」


「くっ!!」


足元がぐにゃりと歪んだ気がした。


身体が、「この男には勝てない」と理解を始める。


それでも、足に鞭を打つようにして踏み込むと、再び斬りこんでいく。


「はあっ!!」


刀を・・・、振り下ろす。










ギンッ!!!










受け止められる。


「愚かな・・・」


鬼丸は刃を手で掴むと、身を反転させて架陰ごと投げ飛ばした。


「うわっ!!」


ビルの屋上から放り出される架陰。


「くっそ!!」


落下をしながら、身を捩って体勢を整えると、隣接するビルの非常階段の手すりに着地した。


足に魔影を纏わせる。


「魔影脚!!!」


思い切り手すりを蹴り飛ばし、屋上に立っている鬼丸に向かって、跳躍した。


突進するような形で、鬼丸に斬り込む。


しかし、鬼丸は他所を向いている。


架陰の方は見ていない。


一閃された刃を、上の空で受け止めると、また、架陰ごと投げ飛ばした。


架陰は受身をとることも出来ず、硬いアスファルトの上をゴロゴロと転がった。


「っ!!」


何とか手を着いて立ち上がり、雨水が広がった地面を滑る。


手のひらが痛い。


衝撃を緩和した時に皮ごと剥けたようで、ぼたぼたと血が滴っていた。


「・・・はあ、はあ、はあ・・・」


「分かったか?」


鬼丸は静かに聞いてきた。


「もう、諦めろ・・・」


「誰が・・・!!」


血が滴る手のひらで、叢雲の鞘を握る。


「よろしい」


鬼丸はそう言った。


「無理だとわかっていても向かってくる。そこに、武士の境地があるものよ・・・」


「御託は!! そこまでだよ!!」


架陰は、刀に魔影を纏わせると、虚空に向かって斬り上げた。









「【悪魔大翼】!!!」










不意を突いて、三日月形の斬撃が鬼丸に迫る。


鬼丸は、右足を軸にして、半歩身を引いた。


斬撃は、鬼丸の横をすれすれで通り過ぎていき、隣のビルを両断した。


「あ、当たらない・・・!!」


「片手で振るからだ。狙いが定まっていないぞ・・・」


「くそ!! もう一発!!」


ヤケになり、二撃目を喰らわせようと魔影を発動させる架陰。


しかし。


「眠れ・・・」


鬼丸は、架陰との間合いを一瞬で詰めてきて、架陰を凄まじい力でアスファルトの上に組み付した。


「っ!!」


右肩に、鬼丸の刀の刃が突き刺さる。


ズブッ!! とした感触と共に、激痛が彼を襲った。


「ああああっ!!」


「右腕は封じた。お前の利き腕だ」


「くそっ!!」


架陰は左手に魔影を纏わせる。


そして、架陰の上に馬乗りになる鬼丸の脇腹に、拳を叩き込んだ。










ドンッ!!!!










拳から放たれた衝撃波が、鬼丸を吹き飛ばした。


「ちっ!!」


鬼丸は舌打ちをひとつ打つと、体勢を整えて着地した。


「まずは、一発・・・」


架陰は右肩から血を流しながら立ち上がった。


右肩の腱を切断された。もう、腕は上がらない。


仕方なく、落ちていた刀を左手で拾い上げる。


「あんたに構ってる暇は無いんだよ・・・、さっさと倒して・・・、カレンさんを・・・、取り戻す!!」












その③に続く


その③に続く

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