表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
UMAハンターKAIN  作者: バーニー
282/530

黒羽 その②

生かしてほしいのは翼


殺してほしいのは嘴


天翔る八咫烏に祈るは


この道程が平穏でありますように

2


クロナは、息を整えながら、バックステップを踏んで後退した。


刀を下段に構え、再び香久山桜に向かっていく。


(薙刀の弱点? 刀の有利点? そんなの100も承知!!)


戦闘スタイルは、人それぞれだ。


腕力があり、一撃を好む者はできるだけ重量級の武器を使用する。


クロナのように俊敏さが取り柄ならば、日本刀を握って数で勝負を仕掛ける。


それぞれの武器に、じゃんけんのような相性があろうと、それを補って戦ってこそ真のUMAハンター。


「居合!!!」


低い姿勢から、地面を這うようにして切り込み、香久山の懐に潜り込んだ。


そのまま、刀を切り上げる。









ギンッ!!!










「くっ!! 防がれた!!」


「甘いわ!!」


だが、手応えは悪くない。


クロナは畳み掛けた。


重心を極限まで傾け、香久山の懐に潜り込んだまま、連続で刀を振る。


香久山もまた、重心を後方に流し、クロナの高速の斬撃をいなしていく。









ギンッ!!!ギンッ!!!ギンッ!!!ギンッ!!!ギンッ!!!ギンッ!!!ギンッ!!!ギンッ!!!ギンッ!!!ギンッ!!!ギンッ!!!ギンッ!!!ギンッ!!!ギンッ!!!ギンッ!!!ギンッ!!!









激しい剣戟。


刃と刃がぶつかり合う度に、赤い閃光が弾けた。


ある程度叩き込んだところで、クロナはさらに、身体を前のめりにした。


クロナの頭がサッと下がる。


その瞬間、後方で備えていた真子が、矢を放った。


「名弓・【天照】!!」


矢は、放たれた瞬間に空気との摩擦で発火して、赤い炎を上げながら香久山に迫った。


「っ!?」


クロナが、重心を傾けて頭を下げたのは、この矢を躱して、香久山桜に当てるためだったのだ。


(どういうこと?)


香久山桜は、薙刀を振って矢を弾いた。


(この子達・・・、ちゃんと連携をしてくる!!)


予想外のことだった。


桜班。百合班。そして、薔薇班。


この三つの班が同盟を結ぶだけで奇妙かつありえない話だ。


だが、即席のチームで、百合を倒すことができるはずがない。


そう、高を括っていた。


それが、蓋を開けたらどうだ。


自分たちの役割を理解して、一瞬の目配せと単独にて見事な連携をしてくるでは無いか。


(まさか、これが初めてじゃない?)









香久山桜が矢を弾いた瞬間、彼女の懐ががら空きになった。


「もらった!!」


クロナは、ゴツゴツとした地面に手を着くと、腕力だけで身体を押し上げた。


蹴りを、香久山桜の腹にお見舞する。


「くっ!!」


もろに命中した。


桜は、口から糸を引いた唾液を吐き出す。


たまらず地面を蹴って、クロナの蹴りの勢いを受け流した。


(さすが剣士ね。足腰もしっかりと鍛えられている・・・!!!)


だが、香久山桜たち百合班も負けてはいられない。


「ごめんなさいね」


香久山桜は、腹にめり込んだクロナの足首を掴んだ。


「少し、揺れるわよ!!」


「うわっ!!」


凄まじい握力。


そして、クロナの身体を支える腕力。


その力で、香久山桜は、クロナを投げ飛ばした。


「くっ!!」


クロナは身を捩り体勢を整える。


投げ飛ばされたくらいでは、そこまでのダメージではない。


(着地したら、直ぐに切り返す!!)










ゴツンッッ!!!










クロナの背中に、固いものがぶつかった。


「えっ!?」


「何っ!?」


首だけで振り返ると、それは、狂華と戦っていた桐谷だった。


「おい、クロナ!! てめぇ、何やってんだ!!」


「それはこっちのセリフよ!!」


空中で激突した二人は、バランスを崩し、地面に墜落した。


受身をとれず、腹部に大ダメージを受ける。


「くっ!」










(まさか・・・、意図してぶつけてきたの?)










クロナの足を掴んだ香久山桜は、明後日の方向にクロナを投げた訳では無い。


あの一瞬で、狂華と合図をし合い、お互いに相手にしている敵を、同じ場所に向かって吹き飛ばしたのだ。


「もらった!!」


起き上がることが出来ない二人に、狂華と香久山桜が迫る。


すぐ様、真子が矢を射った。


「クロナ姐さん!!」


香久山桜と、クロナの横を、炎を纏った矢が通り過ぎる。


桜は、思わず動きを止めてしまった。


その隙に立ち上がったクロナは、桐谷のタキシードの襟を掴んで引き寄せる。


「ほら!! ぼさっとしないの!!」


「あの狙撃女!! クロナだけを助けやがった!!」


何とか立ち上がった二人は、再び狂華と香久山桜に向かっていく。











(厄介なのは、あの子のようね・・・)


香久山は、クロナの斬撃をいなしながら、横目で真子を見た。


先程、クロナを援護したあの狙撃技術。かなり洗練されたものだ。


あの場面、多くの狙撃手は、味方に当てまいと躊躇をしてしまう。


それなのに、迷うことなく放った矢。レーザービームのごとき正確な軌道。


(先に倒すべきは、あの狙撃手かしら・・・)












その③に続く



その③に続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ