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UMAハンターKAIN  作者: バーニー
275/530

飛ぶ斬撃 その②

飛行する蝙蝠の


三日月の羽は


兎の皮を剥ぎ取って




2


響也が構えた瞬間、Death Scytheの刃が白い光を帯びた。


冷たく、鋭い光だ。


見ているだけで、頬がピリ付き、腰から首辺りに悪寒が走る。


危機を察した西原は、響也から距離をとる。


響也は、白く輝く刃で空を切った。










「命刈り!!!」










刃から切り離された光が、三日月の形となって西原に迫る。


「飛ぶ斬撃だと!?」


西原は、咄嗟に右に避けた。


斬撃は、西原の横を通り過ぎる。


斬撃が通った後は、地面がぱっくりとえぐれ、地中の根が剥き出しとなっていた。


(なんという威力!!)


まともに食らっていたら、西原は一瞬にして再起不能にされていたことだろう。


黒布を纏い、骸骨の面を身につけた響也は、肩の力を抜いて、ゆっくりと息を吐いた。


「へえ・・・、面白いな・・・。振ったら、斬撃が飛んだよ・・・」


あの様子を見る限り、響也も自分の身に起こったことをまだ理解できていないらしい。


手探り状態で、西原と対峙している。


響也は、左腕を回す。コキコキと肩の関節が音を立てた。


「すごく、力が漲ってくる。多分、身体能力が飛躍しているな・・・。そして、光を刃に纏わせて振れば、斬撃になる。なるほどね・・・」


西原は、確認するように響也に尋ねた。


「響也様・・・、その力は・・・、能力ですか?」


「さあね。だけど、つまり、そういうことじゃないのか?」


響也は適当な返事を返すと、Death Scytheを中段に構えた。


そして、柄を強く握りしめ、再び力を込める。


すると、先程と同様に、刃が白い光を帯びた。


「飛ぶ斬撃さ」


刃が、眩く発光した瞬間に、Death Scytheを振り切る。


放たれた光は、ぐにゃりぐにゃりと変形した後に、三日月型の斬撃となって西原に迫った。


西原は、指を鳴らす。









「結界!!」










西原の目の前に、緑色の半透明の壁が現れた。


西原の能力で作り上げた結界に、響也の斬撃が直撃する。










ドンッ!!!










能力と能力の衝突。


轟音が辺りに響き渡り、衝撃波が木の葉を落とした。


砂煙が立ち込め、二人の姿をかき消す。


「なるほど・・・」


砂煙が晴れた時、西原は顎に手をやってたっていた。


目の前には、ビキビキとヒビが入った結界。


響也の斬撃は消え失せていた。


(確かに、響也様の斬撃の威力は上がったようだが・・・、まだ私の結界を破るほどでは無いらしい・・・)


だが、あの一撃で、西原の結界は半壊した。次の一撃は耐えられない。


西原は、指を鳴らして、一度結界を解除した。


そして、再び展開する。


(もし、響也様が能力に適応して、今より強力な斬撃を放ってきたら・・・、次は耐えられないな・・・)


この間に、さらに強い結界を張っておく必要があった。


「結界!!」


指を鳴らすと、西原の前に重なって、三枚の結界が出現した。


(さあ、これでどうですか?)


単純に、防御力は三倍以上だ。


響也の攻撃力を警戒して、守りに転じる西原を見て、響也は、髑髏の面の奥で鼻で笑った。


「お前の【覚悟】ってのは・・・、そんなものなのか・・・」


「・・・・・・」


「私はね、【壊したい】んだよ・・・」


Death Scytheを地面と平行に構え、身を捩る。腰を落として、足の筋肉に力を蓄積させた。


「【守りたい】んじゃない。【壊したい】。カレンの周りを取り巻く、敵からカレンを守るんじゃなくて、カレンに仇なす奴らを、全部全部、ぶっ壊したいんだよ・・・」


骸骨の目の穴の奥で、響也の瞳が鋭く光った。









「決着と行こう・・・。私の攻撃力と、お前の防御力・・・、どっちが【強い】のか、確かめようぜ・・・」










その③に続く

その③に続く

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