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UMAハンターKAIN  作者: バーニー
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クロナ&真子VS唐草 その②

山羊の復讐が始まる

2


「くっ・・・!」


クロナ、真子の戦闘服に空いた無数の穴から、血がボタボタと流れ落ちた。


こと程度の出血なら問題は無い。まだ戦える。


だが、唐草のあの武器がかなり厄介だということがわかった。


名傘・雨乃朧月。


クロナの名鳥黒破斬をも防ぐ防御力に、表面から弾丸の水滴を放つ能力。


唐草の身体能力はただでさえ高い。それに、能力武器が加わり、まだ、「悪魔の堕慧児」としての能力を隠し持っているというのか。


「くそ・・・、厄介ね・・・!」


クロナは黒鴉を握り直した。


明鳥黒破斬は、残り二発しか放てない。緊急用のチャージャーは持ってきているが、装填に時間がかかる。


「残り二発で、仕留めれるかしら・・・」


「大丈夫っスよ!!」


真子は名弓天照に新たな矢を掛けてそう言った。


「私がバッチリサポートしまス。クロナ姐さんは、遠慮せず戦ってくださいっス!!」


「わかったわ・・・」




唐草は下駄で床を叩いた。


「まだやる気なんだ。面白いね!」


「まだまだやるわよ!! 覚悟しなさい!!」


クロナが唐草に斬り掛かる。


「面白いね!!」









ギンッ!!










唐草の名傘・雨乃朧月と、クロナの名刀・黒鴉がぶつかり合った。


「僕は強い」


「何それ、ナルシスト?」


「いや、剣戟でもだ!」


クロナを刃を、唐草が押し返す。


「くっ!!」


「はあっ!!」


唐草に吹き飛ばされる前に、クロナは地面を蹴り、自ら距離を取った。


「【夕立】!!」


傘の表面から水滴が浮かび上がり、クロナに向かって放射される。


「っ!!」


クロナの身体を、水滴が貫く。


白陀の白鱗炸裂攻撃程の威力ではないが、地味に痛い。


「ちっ!!」


クロナは床に手を着いて着地する。


「クロナ姐さん!!」


クロナ目掛けて、真子が矢を射った。


「えっ!?」


血だらけのクロナに向かって、真子が放った矢が飛んでくる。


血迷ったか!?


「動かないでくださいっスよっ!!」


クロナを矢が射抜く前に、鏃から、白い煙が放たれた。


「っ!?」


「名弓・天照!! 【回復矢】!!!!」


煙がクロナの傷に触れた瞬間、たちまち痛みが引いて、傷が塞がる。


「これは!」


「ふっ!! 鏃に【椿油】を塗っておきましたっス!!」


クロナの傷が全快する。


(これはちょうどいい・・・!!)


真子の【名弓・天照】は、ただ火を纏う矢ではない。特殊配合の薬品を塗り込むことにより、様々な効果を得ることができるのだ。


「へぇ!! 面白い!!」


唐草はクロナに向かって踏み込んだ。


「その煙、僕も浴びれば、回復するのかな!!」


「馬鹿っスか!!」


真子は次の矢を弦に掛けた。


「わざわざ狙った場所に飛び込んでくれるなんて!!」


唐草は、クロナを取り囲む回復薬の煙を浴びようとしている。


ならば、狙いは定まった。


「名弓・天照!! 爆炎矢!!」


真子が放った矢は、通常の矢を二倍の薬品を塗り込んでいる。


つまり、業火と化して、唐草に迫る。


「甘い!!」


唐草はその爆炎矢を蹴り飛ばした。


「甘いのはあんたっス!!」


唐草が矢を払った瞬間、クロナは名刀・黒鴉の能力を解放させた。


「【名鳥黒破斬】!!!」


「っ!!」











ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドンッ!!!











クロナが黒い大翼を一閃した瞬間、無数の羽が放たれる。


至近距離でそれを喰らった唐草は、身体中から血を噴出させて吹き飛んだ。


「がはっ!!」


壁に激突する。


そのまま、糸の切れた人形のように倒れ込んだ。


「やった!!」


「ざまあっス!!」


至近距離であの強力な技を食らったのだ。ただでは、済まないだろう。


クロナも、真子も、そう確信した。







だが、唐草はフラフラと立ち上がった。


「いいね・・・」


一言、そう言う。


「面白いよ。楽しいよ。君たちのこと、少し見くびってたみたいだ・・・」


唐草の顔には、明鳥黒破斬の羽が突き刺さり、ボタボタと人間の血が流れ出していた。


首をバキ、バキと、鳴らす。


「ちょっと、本気を出そうかな・・・」


そう言った瞬間、唐草は履いていた下駄を脱ぎ捨てた。


裸足で、破片が散らばる床に立つ。


「僕の能力、見せてあげる・・・」


「・・・!!」


唐草は姿勢を低くして、まるで、獲物に襲いかかる獣のようなポーズを取った。


「僕の脚は、山羊の脚・・・」


唐草の脚の表面に、ボコボコと血管が浮かび上がった。










「蹴り砕け!! 【山羊男(ゴートマン)】!!!!!」











その③に続く


その③に続く

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