「3人の女達」
処女作品です。なかなか、書くのは難しいもの。どこまでできるかやってみようかなと想います。
カタカタ…カタカタ…カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ。
深い闇の中、青い灯りがぽーと灯る。意識朦朧としている私は瞼を開ける。
カタカタ…カタカタカタカタカタカタ…カタカタカタカタ。
散らばった、数々のカップラーメンのラベルを確認。
とても表現しにくい甘ったるい匂い暗闇中漂う。
カタカタ…カタカタカタカタカタカタ…カタカタカタカタ。
音が鳴り止まず、音の張本人である彼に声をかける。「ちょっと良いですか?」
カタカタ…カタカタ…カタカタカタカタカタ……。
しかし私の声かきけすように音鳴り止まず、虚ろな瞳をパソコン画面に向けたままの男。「此処は、どこなのか知りたいのですけれど。」
カタカタ…カタカタ…カタカタカタカタ…カタカタカタカタカタカタ。
「ちょっとぉ、声聞こえてる?貴方、耳聞こえてないの?」
「うるさい、うるさい、うるさい」と見知らぬ男から声が響く。その声に私は、顔をしかめていた。
「うるさいのはそっちじゃないですか。」と勇気を出して見知らぬ男に言い返してやった。
ドブネズミみたいな格好の肥った男が私に向かって「僕は、君のせいで忙しいから」と一言言い放った。「?」私は、何も特に迷惑かけていないし、この状況がいまいち理解できない。
私といえば専業主婦というものをしていた。子どもはまだ居ない。夫は、優しく至って普通のサラリーマン。まさか誘拐か?監禁でもされているのだろうか?色々疑問を残したまま再度、ドブネズミのような男に声をかける。
カタカタ…カタカタ…カタカタカタカタ…カタカタカタカタカタカタ。
音が鳴り止まず、その音に嫌悪感と不快感を覚え始めた。
その気持ちを知ってか、知らずか「お腹空いた」とドブネズミのような男はイライラ。卵焼きを食べたいなー。
卵焼きと言えば片栗粉を入れると形が崩れにくくなるし、お弁当とかに向いているから夫のお弁当に色々活用させてもらったなぁ。
そんなことより私は、家に戻って夫の夕食の支度をしなければいけないし今何時だろう?もう一度「私を家に返して下さい」と言ってみた。ドブネズミのような男は虚ろな瞳をこちらに向けて「君は気楽で良いよね、君みたいなやつに構ってられないほど僕は、仕事で何時もいーつも忙しいんだよ。」と溜息をつきながらパソコンにまた、目を向ける。
「専業主婦というものは忙しいと思っています。暇人ではありません。夕食を作らないといけないので部屋に返して下さい」実際、専業主婦というものは世間では気楽でいいわよね。と言われてしまうけど主婦も楽ではないなと夫と結婚8年目で感じている。薬指にあるシルバーリングは私にとって、最近重みでしかないとも想うし結婚というのは女の墓場だと知ってしまっている。
帰りたいのに帰りたくないと、何か矛盾した気持ちが私の心を徐々に支配しはじめていた。
読んでくださって有り難うございます。これから、話を徐々に広げて行こうかなとゆっくり更新していきます。