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流星の彼方④

 ふわり、と白い羽が降ってきた。


神様からの連絡だ。緊急の緊急時に届く、神様の思考を形どったものみたいな認識をしている。よっぽど切羽詰まっているように見受けられる。メールだと気が付かない時があり、電話だと出られない時があるから、緊急の時はこういうこともある。異世界に居たら電波届かないだろ?とか思われるかもしれないが、神様パワーで通じるのだ。多分。


 手に取ると羽は1通の手紙に変わる。先ほどまで羽だったとは思えない、普通の白い封筒に、中身は赤いラインの入ったシンプルな便せんが2枚。嫌な予感しかしない。何かしら連絡が入る時は嫌なことしかないのだが。


 目を背けるように一度硬く目を閉じ、覚悟を決めて便せんに目を通す。


 内容は、ネガイビトにとって残酷なことが書かれていた。


うわー、マジか。それを陰からサポートしないといけないの、私なんだが。

『お前なら何とかしてくれると信じている』、なんて投げやりではなく、きちんと対処方法を書いて下さい、神様。

『お前の任務は監視がメインなので、さりげなく伝えて、さりげなく助けてやって』って無茶ぶりもやめましょう、神様。

神に祈ってもどうにもならないようなので、一芝居の中に混ぜることにした。



警察署の前で神本雨音と接触させる為に、敢えて情報を遅らせ、テリーたちを警察署に留めさせた。

 神本雨音は緊急事態の対応として送り込まれた人材だったが、本人には別の任務だと伝えられているようだ。


「やっぱりか」


 雨音の姿が見えなくなると、テリーがぼそりと呟いた。


 彼は普段のおちゃらけた様子からは分かりにくいが、かなり鋭い。彼にとっては皮肉なことかも知れないが、元々の潜在能力に生まれ育った環境のお陰だろう。あれだけで、色々なことを察してくれたようだ。


どっかのごっこ遊びしているバカと違って有能だ。

そのバカは目覚めた病院で大騒ぎして、今はベッドに縛り付けられている。しばらくは動けないだろう。


「帰るぞ」


 と星宮流の手を引っ張るテリーの顔にいつもの笑顔はなく、星宮流はどこか戸惑ったように大人しく引かれていた。

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