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脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第8章 緊急事態発生、街道の安全を確保せよ! 〜我等の障壁は粉砕す〜(前編)
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薫風団、問題児の集まり?



 当たり前の様にテーブルに着き、エールをグイッと傾けるギルドの最高責任者にその場にいた全員が動きを止めた。



「ぎ、ギルドマスター、ここで何してるんですか?」



 我に返ったダルベルトが恐る恐るアイヴォン(のんべぇ)に尋ねた。



「ホホホ、お主らを労おうと思っての。ここ最近、主らには少しばかり無理をさせとるからのー」



 アイヴォン(のんべぇ)の言う通り、ここ数日高ランクの冒険者たちは高難易度の依頼に従事させられている。


 今日、私たちが壊滅させたゴブリンの集落の件も本来は複数のパーティで行う様な依頼だ。


 恐らく、聖なる盾(アイギス)白竜団(パロロコン)も同じ様な依頼を請け負っていたのだろう。



「冒険者として当たり前の事ですよ」



 サンディスが爽やかな笑顔でそう答えると、他の連中もうんうんと頷いている。



「儂らも原因を調査しておるんじゃなが、未だ原因が掴めんのじゃ」


「別に(ウチ)は暴れられるんやったら何でもええでー。あ、(ウチ)もエールで」



 お代わりを頼むアイヴォン(のんべぇ)に便乗して、追加のエールを頼む私にシャルジュとジョゼが苦笑していた。



「明日も、ちと大変になるじゃろうが、宜しく頼む…『あぁーッ!』」



 運ばれてきたエールをいそいそと口元へ運ぶアイヴォン(のんべぇ)の言葉を遮るように、ギルド内に大声が響き渡った。



「マスターッ!! こんなところでサボってたんですね! さあ、仕事に戻りましょう」


「ギャスタン君、少し待ってくれ。儂の、ワシのエール……」



 ギルドの奥から現れたギャスタンと呼ばれる男性はアイヴォン(のんべぇ)を捕まえると、名残惜しそうにエールを見つめるアイヴォン(のんべぇ)を引きずりギルドの奥へ消えていった。




 ***




 翌日、冒険者全員に召集が掛かり私たち薫風団もギルドに集まっていた。



「ふぁ〜……こんな早くに何やねん」


「何いってるんですか、もう昼ですよ」



 大きな欠伸をする私に、ジョゼが小さく耳打ちをした。



「今回集まって貰ったのは……」



 冒険者達の視線の先には昨晩ギャスタンという副ギルドマスターに連行されていたアイヴォン(のんべぇ)だ。


 あの後も仕事をしていたのだろう、彼の目の下にはくっきりとクマが出来ていた。



 …………。



 今回、冒険者が召集されたのは、街道で頻発する魔物(モンスター)騒ぎをギルド全体で対処に当たる為らしい。


 低ランクの冒険者は、街道沿いの警備と出現する魔物(モンスター)の討伐。


 中ランクの冒険者は街道沿い、バーウィッチ近郊の森にて魔物(モンスター)の掃討戦。


 そして、私たち高ランクの冒険者は、複数のパーティ合同で森の奥へ向かい、原因の調査という事らしい。


 調査に高ランクの冒険者が複数パーティで向かうのは、余りにも高ランクの魔物(モンスター)が頻繁に出現する為らしい。



「それで調査へ向かうパーティの組み合わせなんじゃが……」


「はいはーい! あぃらはサンディスさんと一緒じゃないとこの依頼放棄しまーす!」



 アイヴォン(のんべぇ)が調査の組み合わせを発表しようとした時、薫風団(うち)アイラ(あほ)が突然そんな事を言い出したのだ。




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