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脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第8章 緊急事態発生、街道の安全を確保せよ! 〜我等の障壁は粉砕す〜(前編)
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薫風団、冒険者と仲良くなる?



 ゴブリンを『集落ごと』討伐するといった普通は複数のパーティで行う依頼を終えた私達は日暮れ前には冒険者ギルドに帰って来ていた。



「お、お疲れ様でした。相変わらず早いですね……」



 依頼完了の報告に受付へ行くとアンジュが顔を引きつらせながら、労いの言葉を掛けてくれた。



「あー、ゴブリンなんちゃらとかゴブリンなんとかを持って帰って来たんやけど、向こうに持って行ってええ?」


「あ、はい。倉庫の方へお願いします」



 手続きをしていたアンジュに断りを入れると、彼女も慣れた様子で返事をする。


 Bランクになり高ランクの魔物(モンスター)を討伐するのが多くなり、それらをギルドで買取って貰うことが増えたのだ。


 ここ最近はその量も増えてきたので、買取の窓口を通さず直接倉庫へ持って行っている。




 ***




 ゴブリンの上位種を解体のおっちゃんに引き渡しギルドに戻ると、先ほどよりギルドが騒がしくなっていた。



「でー、そのゴブちんなんだけどー」


「ちょっと、どっか行きなさいよ! この女狐ッ!」



 依頼から帰って来た聖なる盾(アイギス)の面子とアイラが揉めている様だ。



「でさー、安定のAIモードで余裕勝ちしたんだよねー」


「キィーッ! 無視すんなッ!」



 アイラがサンディスの腕に抱きつき、今日の出来事を楽しそうに話している。


 それを良しとしないエリーゼとハナがアイラをサンディスから引き離そうと躍起になってサンディスの周りで騒いでいる。



「あ、おっちゃん達も依頼終わったん?」


「ぉお、カオル! 俺達も終わりだ」



 そんな彼女達を無視して、私は食事処にいた白竜団(パロロコン)のダルベルト達のテーブルに腰掛けた。



「じゃあ今日は一緒に飲もうやー」


「おしッ! 飲むかッ!」



 一戦交え、顔見知りであった私達は最近一緒に飲む機会が増えてきている。


 それを知っているからか、シャルジュとジョゼも私を見つけてテーブルにやって来た。



「カオルぅ、終わったなら僕らの所に戻って来てよ」



 テーブルに着き、頬を膨らませるシャルジュにすまんと一言述べ、白竜団(パロロコン)の連中と乾杯を行った。



「姐さん、アイラは放っておいていいんですか?」


「ひぃふか! ほっほけ!」(知るか! ほっとけ!)



 私は口いっぱいに肉を頬張りながらジョゼに返事した。



「ガハハハッ! サンディスはやっぱりモテるよなー」


「ねぇカオルちゃん、俺はアイラちゃんより君の方がタイプだなー、今度……いでッ痛い、痛いって」



 弓使い(アーチャー)のアルマルクが私を口説こうとして無口なセルヴィアに頬を(つね)られていた。


 これも毎度お馴染みなのだが、いくらアルマルクがチャラ男だわかっていても、口説かれると一瞬だがドキっとしてしまう。



『あーーッ! 見つけたわよ、カオル=アサヒナ!』



 あー、もう見つかったか。



 大声を張り上げてこちらへ向かってくる女は隣に来るなり、テーブルを勢いよく叩いた。




【登場人物紹介(再)】

 

 【白竜団(パロロコン)】Bランクパーティー

  ダルベルト:男 37歳 剣聖(ソードマスター)

  リードルフ:男 35歳 剣士(ソードファイター)

  アルマルク:男 21歳 弓使い(アーチャー)

  ダミア  :女 32歳 魔法使い(ウィザード)

  セルヴィア:女 25歳 巫女(プリースト)


 バーウィッチを拠点としているベテランバーティ。

 王国に複数いる剣聖(ソードマスター)の一人、ダルベルトがリーダーを務めている。


 王国中を転々とし、高難易度の依頼をこなしている。


 対カオル戦の後も別の街へ行っていた様だが、最近戻って来たらしい。




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