…………、…………?
「進行状況はどうなっている?」
軍服を着た男性が尋ねると下士官らしき男性がすぐに姿勢を正した。
「全部隊、順調に行程を進んでおります」
テーブルの上に広げられた地図に視線を下ろす男性に、スーツを身に纏った男性が近づく。
「大佐殿が前線で指揮をとるとは、珍しいですね」
「おお、君かね。お陰で作戦は順調に進んでいるぞ」
大佐と呼ばれるその男性は、スーツの男性に歩み寄り握手を求める。
「お褒めに預かり光栄であります、大佐殿」
大げさに喜んで見せるスーツの男性に軍服の男性も終始笑顔で話しを進める。
「そうそう、君から借りている彼らだが……」
「彼らが何か致しましたでしょうか?」
「少々やっかいな敵に遭遇したらしくてな、例の作戦は失敗したらしい」
「なんとッ! た、大変失礼致しました。どの様な処分でも私は受ける所存であります故」
「それはいいのだ。彼らは十分役目を果たしてくれている」
軍服の男性は顎髭を撫でながら頷く。
「近い内に君には向こうに潜入して貰う事になるだろう。その時は宜しく頼んだぞ」
「かしこまりました。その時は大佐殿のお力になれるよう、全力で任務を全う致します」
跪くスーツの男性は不敵な笑みを浮かべそう述べるのだった。




