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脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第7章 新たな仲間はJKギャル? 〜汝と我は水と油〜
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ヤンキー奴隷、真髄を披露する。



 ハンパない、マジで……



 私はわざと大げさな魔法でみんなを驚かせるつもりだった。


 勿論、そのせいで魔力不足に陥ったのは少し反省しないといけないと思う。


 けど、目の前で巨大熊(マーダーグリズリー)相手に一方的な攻撃を繰り出し続ける彼女に私は度肝を抜かれている。


 巨大熊(マーダーグリズリー)は確かに強い。けれど、私クラスの冒険者なら勝てない相手ではない。



「ジョゼ! 攻撃が来るよッ」


「ぜ、全然効いてないように見えるんだが……」



 それでも、シャルたんやジョーさんがそうであるように、普通は彼奴らに有効攻撃を加える事すら難しい筈なのだ。



「よっしゃーッ! 次やッ」



 しかし、彼女はそんな事関係ないと言わんばかりに『素手』で有効攻撃を巨大熊(マーダーグリズリー)に叩き込んでいる。



「ちッ(らち)が明かないぞコレ」



 やはり、ジョーさん達は苦戦しているようだ。



 つか、そろそろいけんじゃね?



 私は自分のステータスを確認した後、詠唱省略(ギャルスラング)を使用した。



「アゲぽよ、サゲぽよッ!」



 詠唱した魔法は強化魔法(エンチャント)弱体化魔法(デバフ)だ。


 シャルたんとジョーさんに全ステータス上昇の強化魔法(エンチャント)巨大熊(マーダーグリズリー)には全ステータスを低下させる弱体化魔法(デバフ)を掛けた。



「あれ? 急に体が軽く……」


「アイラが強化魔法(エンチャント)を掛けてくれたみたいだね」



 流石(さす)シャル、ぱねぇ。



 取り敢えず、これで彼らは何とかなるだろう。


 さて、魔力飴(コレ)のお陰で魔力は大方回復したし、彼女の手助けでも……



「どぉーーんッ!!!」



 彼女の掛け声と共に爆発音が鳴り、巨大熊(マーダーグリズリー)に何かが炸裂する。



「はぁ♪ たまらんなぁーッ」



 頬を紅潮(こうちょう)させて、悶える彼女の目の前には2門の大砲が白煙を上げていた。



「マジパネー。大砲とかまじアリエンティー」


「おい、アイラ何見てんねんッ。動けるんやったら彼奴(あいつ)ら助けたれよ」


「いぇあ、秒でいきまーす」




 ***




「俺らでマーダーグリズリーを4体討伐か……マジか」



 あぃら達の目の前には3体の巨大熊(マーダーグリズリー)が転がっている。


 ジョーさんの言う通り、正直最初はこのパーティでは無謀だと思っていた。


 しかし、シャルたんもジョーさんもこの間までG・Fランクだったとは思えないくらい奮闘していたし、何より一人で2体の巨大熊(マーダーグリズリー)を倒した彼女が凄すぎる。



「とりま、カオちーのアイテムボックスに入れといてよー」


「はぁ? お前も持ってんねんから自分のに入れや」



 あ、やっぱ知ってるんだー。



「え? アイラはアイテムボックス持ちなの?」


「まーねー」



 まあそれくらいは別にいいか、みんな悪い人じゃないみたいだし。



「ほな、コレはアイラが持って帰って「無理」」


「は?」


「なんかー、アイテムボックスが汚れそー、ていうか無理みたいな、マジで」


「あ? んな訳ないやろ。シバかれたいんかワレ?」



 このパーティなら上手くやっていけそうかも。



「カオちー、ガチ怖ーいッ」


「シ・バ・くッ♪」


「「姐さん(カオル)、落ち着いてッ!」」



 でも、やっぱ今時ヤンキーは無いわ。



【アイテム解説】


【魔力飴】

 アイラ=イケブチのユニークスキル『異界錬金術(マカフシギ)』によって生成された異界の飴。


 使用すると魔力を少量回復し、使用中の魔力回復速度を飛躍的に加速させる。


 見た目は、チ◯ッパチ◯プスで、調合する素材によって味が変わる。

 アイラのお気に入りの味はストロベリーフレーバー。




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