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脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第7章 新たな仲間はJKギャル? 〜汝と我は水と油〜
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ヤンキー奴隷、互いに実力を示す。



「マーダーグリズリーだ……」



 今回の依頼は未確認危険種の調査と討伐だった。


 恐らく、この巨大熊が今回の騒ぎの当事者だろう。



「マーダーグリズリーってAランクの魔物(モンスター)じゃないですかッ!」


「お、お俺らじゃコイツの相手は無理だろッ」



 シャルジュとジョゼは突然現れた危険種にビビり、震えていた。



「あ? 何や、ただの熊やんけ。脅かすなや」


「まじウケるー、ジョーさんとシャルたんビビり過ぎー」



 一方、私とアイラ(ギャル)(おく)する事なく件の魔物(モンスター)と対峙する。



「ほな、お前が相手しいや」


「カオちー、マジ鬼畜(きち)



 アイラ(ギャル)はそう言いつつも、どこからとも無くチ◯ッパチ◯プスの様なキャンディを取り出し、それを咥えた。


 そして、スーッと息を整えた彼女の周りに光の粉が舞い始める。



宜保(ぎぼ)れ』



 彼女が訳の分からない言葉を口にした瞬間、巨大熊(マーダーグリズリー)が突然暴れ始めた。


 しかし、どこを攻撃する訳でもなく巨大熊は空中を引っ掻き回す。



『カム着火インフェルノーォォォオオウ』



 再び彼女が訳の分からない言葉を唱えると巨大熊は炎に包まれ、跡形も無く消え去った。


 そして巨大熊がいた辺りには大きな魔石が一つ転がっていた。



 …………。



 巨大熊(マーダーグリズリー)を一瞬で焼き切った規格外の攻撃に全員が驚きに目を見張っていた。



「アイラ……凄過ぎでしょ」


「つか、あんなの秒で終わるっしょ」



 シャルジュが驚きに声を漏らすと、アイラ(ギャル)は大した事ないとつまらなそうに飴を舐めていた。



「さて、お客さんはまだおるらしいで」



 動揺を隠せない、シャルジュとジョゼに私は残酷な現実を突き付けた。



『『グルルルゥゥゥウッ』』



 どうやら巨大熊(マーダーグリズリー)は1匹ではなく複数体いたらしく、私たちは周りを囲まれてしまっていた。



「ヤバイ、パナい! あぃら魔力切れなんですけどー」


「しゃーないな今度は(ウチ)が相手したるやんッ。シャルジュとジョゼはそっちの1匹やで」


「「ぇえッ!?」」


「ほな行くでぇ、気張って行きやー」



 私は短剣(ナイフ)を二本取り出し、巨大熊(マーダーグリズリー)の目に向かってそれを投げ、走り出した。


 短剣(ナイフ)は見事巨大熊の両目に刺さり、熊は悶え苦しむ。



「おりゃーーッ!」



 私は熊の鳩尾(みぞおち)に正拳突きを加え、そのまま連続で正拳(パンチ)を加える。



「おりゃおりゃおりゃおりゃーーッ!」


『グアアァッ!』



 熊もすかさず腕を振り下ろし私に攻撃を仕掛ける。


 勿論、すぐさま後ろに回避した私に攻撃が当たることなく熊の爪は空を切った。


 着地後、私はすぐさまジャンプし熊の脳天に(かかと)落としを喰らわせる。


 そして体勢を崩し凄い勢いで倒れ込んだ熊に、私は大剣でトドめの一撃を入れる。



『グオォォ』



 すると、熊は悲鳴の様な雄叫びを上げて絶命した。




【スキル解説】


異界詠唱術(ギャルスラング)


 アイラ=イケブチのユニークスキル。


 異界の言葉に魔力を込めて詠唱する事により、魔法を発動する事が出来る。

 詠唱時間が短い分、魔力消費が通常の魔法を使用するよりも遥かに大きい。



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