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脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第6章 カオル式新兵訓練計画 〜我は汝を漢に成す〜
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奴隷冒険者、窮地に陥る?



「姐さんッ! これじゃキリがありませんよッ!」



 ジョゼは涙目になりながら必死に目の前の魔物(モンスター)を斬り伏せている。


 しかし、倒しても倒しても魔物(モンスター)は再び立ち上がり、ゆっくりとした動きで私達と距離を詰めてくる。



(ウチ)の事は隊長って呼べって言ってるやろッ!」



 私は同じ様に長剣(ロングソード)魔物(モンスター)を薙ぎ払いながら、ジョゼに怒鳴った。



「今はそんな事言ってる場合じゃないよッ! これ全部アンデッドだッ」



 …………。



 『不死者(アンデッド)


 魔法や瘴気によって死者が再び復活した魔物(モンスター)


 その者に意志はなく、そして死ぬ事もない、別名を『生きる屍(リビングデッド)』。


 彼らには通常攻撃・魔法は意味を持たず、唯一の有効攻撃は神官(プリースト)が習得できる『神聖魔法』しかない。



「カオルぅ、少し時間を稼いで」


「おうッ、任しときッ」



 シャルジュはそう述べると、その場で目を瞑り祈り始めていた。



『此の世を彷徨う尊き魂よ、……』



 魔法の詠唱が始まりシャルジュの体が淡く光始めた時だった。



「姐さんッ! 一匹抜かれましたッ」


「なにやってんねんッ! シャルジュッ!」



 慌てって私はシャルジュを守る為に走った。


 しかし、もう既に不死者(アンデッド)はシャルジュの目の前まで迫っていた。



 …………ッ!



『ターン・アンデッドッ!』



 シャルジュに迫っていた不死者(アンデッド)の攻撃は寸前んで防がれ、繰り出された神聖魔法によって辺りの不死者(アンデッド)と共に浄化された。



「貴様、主人であるシャルジュ様を危険に晒すとはどういう了見だ?」


「ずっと隠れてコソコソやってた奴には、言われたないな」



 不死者(アンデッド)の攻撃を防いだのは、いつかの女騎士だった。


 名前は確か……



「ルベルレット!」


「ご無事で何よりです王子。それに見事な神聖魔法でした」



 彼女に気がついたシャルジュは嬉しそうに顔を輝かせた。



「シャルジュ、ルベルレット(ストーカー)との話は後に置いときぃ。先にお客さんの相手せな」


「なッ! 私は決してストーカーなどではないぞッ!」


「どの口が言ってんねん。(ウチ)らの事ずーーーーッとつけとった癖に」



 私の話にルベルレット(ストーカー)は慌てふためき、言い訳を始めた。



「姐さんたち、早く手伝って下さいッ! 俺じゃ抑えきれませんッ」



 半泣きのジョゼに私は肩を竦めて、周囲に(うごめ)不死者(アンデッド)の大群に向かって行った。




【登場人物紹介(再)】


【ルベルレット】

 無職(ニート) 女 24歳


 アステーナ王国騎士団親衛隊に所属していたシャルジュのお目付役の元女騎士。


 冒険者になったシャルジュを影から見守る為に騎士団には休暇を申請していたが、休暇日程は遠に過ぎており退職扱いになっている。


 現在は貯金を切り崩しながらシャルジュの追っかけ(ストーカー)をしている。



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