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脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第6章 カオル式新兵訓練計画 〜我は汝を漢に成す〜
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奴隷冒険者、再会を果たす。



「再会を祝してッ!」



 ジョッキを打ち鳴らし、私はテーブルに集う久しい顔ぶれを見回した。


 久しぶりの酒場に、久しぶりの従業員(おばちゃん)、そして私の事を慕ってくれる連中がテーブル(ここ)には集まっていた。



「姐さん、生きてたんですね……」


「てっきり俺らぁ」


「俺もギルドで会って驚きましたよ……」



 ダラム、ヤヌック、ジョゼは嬉しそうに話掛けてくる。



「いやぁ、(ウチ)も色々あってん。出てきたんも最近やしな〜」


「ところで、姐さん。その子供(ガキ)は……?」



 その一言で、私の隣に気不味そうに座る美少年に全員の視線が向けられた。



「ま、まさか姐さんのむす…「な訳ないやろッ!」」



 ヤヌックが有りもしない事を口走ったので取り敢えず殴っておいた。


 しかし、何故か(アホ)は嬉しそうに痛がっていた。


 あまりにも気色悪い反応に少々引きながらも私は事情を説明した。




 ***




「そ、それじゃあ、この子供(ガキ)は姐さんの御主人様なんですか!?」


「そやでー。な、シャルジュ」



 私が話を振ると、今まで黙ってジュースを飲んでいたシャルジュが姿勢を正し自己紹介を始めた。



「はじめまして、僕はシャルジュ=アスティーナ。カオルの主人です」



 シャルジュが凛々しくそう述べると、ヤヌックとジョゼは固まった。


 唯一、ダラムだけが状況を今一理解出来ない様子で2人様子に首を傾けていた。



「おい、ヤヌック、ジョゼ。どうしたんだよ?」


「あああ、あ兄貴。こここのお方は、アスティーナ王国の王子しゃまですぜぇ」



 動揺を隠しきれないヤヌックが、阿呆な兄貴に説明すると、(アホ)も目を見開いてシャルジュに尋ねた。



「それは本当なのか?」


「何言ってんだよ、ダラム。アスティーナの名前を持ってる方なんて王族以外いないだろッ!」



 ジョゼが慌ててダラムにそう言い聞かせると、ダラムの顔がどんどん青くなっていった。



「確かに、僕は王子だけど第三王子ですし、今は王位継承権も放棄した駆け出しの冒険者です。なので、そんな(かしこ)まらないで下さい」


「そやでー、何借りてきた猫みたいになってんねん。キモいぞお前ら」


「「「いやいやいや」」」



 シャルジュに同意するように私がそう述べると、全員から突っ込まれた。



「ところでカオルぅ。この人達とはどんな関係なの?」


「んー……子分?」


「そういや姐さん。さっき『出て来た』って言ってましたけど、どこにいたんですか?」


「え、地下牢やけど?」


「「「は?」」」



 全員からの質問攻めが始まり、私は仕方なく避難勧告があった『あの日』からの話をする事にした。



【登場人物紹介(復習)】


【ダラム】

 バーウィッチに住む元チンピラ 男 19歳


 ごく普通の平民の家庭で生まれた5人兄弟の長男。

 大柄で強面だが、傭兵ギルドで仕事をこなし家計を助けている。


 カオルの義理堅い人柄に惚れ込み、子分になる。



【ヤヌック】

 バーウィッチに住むニート 男 15歳


 バーウィッチで酒屋を営むティアーノ商会の一人息子。

 ダラムとは昔からの馴染みで弟分である。


 シャルジュがカオルの息子でないことに一安心している。



 ※二人はジョゼと同じく44話まで登場していました。



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