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脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第5章 救世主様は青二才!? 〜我は汝を主とは認めぬ〜
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奴隷少女、初依頼に挑む!



 バーウィッチ近郊にある森林で、私たちは冒険者としての初依頼に挑んていた。



「シャルジュ、あったか?」


「ん〜〜。あ、あったよッ!」



 返事を聞き、私はシャルジュの元へ駆け寄った。


 彼の手には『キノコ』が握られている。



「鑑定ッ!」




 【笑茸(ワライダケ)】:毒キノコの一種。摂取すると笑いが止まらなくなる。




 …………。



「それハズレや」



 私が一言そう述べると、シャルジュは落ち込んだ様子で再びキノコを探し始めた。


 受付のお姉さん曰く、遅くても半日程度で終わる依頼ということで、私たちはピクニック気分で気軽にやってきたのだ。



 何が「簡単に見つかりますよ〜」やねんッ!



 そう、もう小一時間程依頼のキノコを探しているのだが、見つけたキノコは全て毒キノコだった。


 シャルジュも最初の方は意気揚々とキノコを探していたが、今では半ば諦めモードに突入している。



 ん?



 森林の奥に気配を感じ、私はすぐさまシャルジュの元へ駆け寄った。



「え? どうしたの…「シッ!」」



 慌てるシャルジに、私は口元を押さえ黙るように指示した。



「なんかおるわ」


「なにがいるの?」



 茂みから顔を出し、千里眼のスキルを使用した。



「あーなんか緑色した魔物(モンスター)やな」


「あ、それゴブリンだよッ」



 どうやら私たちが遭遇したのは『ゴブリン』らしい。


 ゴブリン(ヤツら)は3匹、だいぶ距離があるのでまだこちらには気づいていないようだ。



「そういえば、『特産キノコ』がある場所には、ゴブリンがいるかもってお姉さんが言ってたよね?」


「そやったなー。ほんじゃ一丁(いっちょ)やるか〜」



 私は千里眼を起動させたまま、弓を取り出し構えた。



「え? ここから狙うの?」


「んー、多分大丈夫やでー」



 私は更に必中のスキルも起動し、1匹目のゴブリンに狙いを定め、矢を放つ。



「まず一匹」


「ぇえッ!?」



 シャルジュは目を凝らしながら驚いていた、おそらく遠すぎて確認できないのだろう。


 そして、私は2つ、3つと矢を放ち、徐に歩き始めた。




 ***




「本当にゴブリンが三匹……しかも、全員一撃で倒されてる」



 ゴブリンがいた辺りに到着すると、シャルジュは驚きながらゴブリンをつついていた。



「シャルジュ、あったでッ!」



 ゴブリン達がいた側にはお目当のキノコが沢山生えていた。


 すると、シャルジュも慌ててキノコ狩りを再開し始めた。



「さて、(ウチ)魔物(モンスター)の後片付けでもするかなー」



 お姉さんに魔物(モンスター)を倒した際に、所持品や素材となる部位、魔石を持って帰ってくると買取をしてくれるという話を思い出したのだ。



「カオルぅー、いっぱいあったよ〜〜♪」



 そう言って戻って来たシャルジュは全身泥だらけになりながらも、腕の中には沢山の『特産キノコ』を抱えていた。




 ***




「こちらが特産キノコ10個の報酬銀貨2枚になります」



 私は受付で報酬を受け取り、次に買取の窓口に向かった。



 …………。



「ほい、今回の依頼の報酬やでー」



 私たちはギルド内のテーブルに座り、今回の報酬銀貨2枚と銅貨6枚を眺めていた。



「報酬は山分けでええよな?」


「うん」


「ほな、銀貨1枚と銅貨3枚な。お疲れさんッ」



 私が分け前を手渡すと、シャルジュは慌てて食事処の注文口に向かって行った。



「はい。カオル!」



 戻って来たシャルジュの手にはエールジョッキが握られていた。



「今回はこれで許してくれる?」



 不安そうに私を見つめる少年の頭を撫でて、私はこう言った。



「ありがとな。ご主人様」




【お知らせ】


 『脳筋乙女の異世界花道』を御愛読頂きまして、誠に有難う御座います。


 次回から第6章に突入致しますが、それに伴って更新頻度を1日1回に減らします。


 更新頻度しか取り柄がない作品が更新頻度を下げてしまうのもどうかと思いますが、


 これからも応援頂けると幸いです。



 最後になりましたが、ブックマーク・感想・評価を下さいまして


 「めっちゃ、あんがとぉーーッ!」




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