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脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第5章 救世主様は青二才!? 〜我は汝を主とは認めぬ〜
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奴隷少女、事情を説明する。



 突然の叫び声によりギルド内に静けさが駆け巡った。


 しかし、しばらくするとギルドは再び騒がしさを取り戻していった。



「あー、あん時の女剣士(つりめ)か。久しぶりやなー」


「『吊り目』って何よッ! 私にはエリーゼって名前がちゃんとあるのッ!」



 私の側までやってくると女剣士(エリーゼ)は、私の顔の前でビシッと指差しそう述べた。



「すまんすまん。(ウチ)あんたらの名前知らんかったしー」


「カオルぅ、知り合いなの?」



 凄い剣幕の女がいきなりやって来たので、シャルジュは私の後ろに隠れていたようだ。


 今はひょこっと後ろから顔を出している。



「んー、難しいけど。知り合いっちゃ知り合いやな」


「はぁ!? そんな訳ないでしょ、貴方のお陰で私達の被害は尋常じゃないのよ!?」



 私がやんわりと関係を説明すると、女剣士(エリーゼ)は再び凄い剣幕で迫って来る。


 その姿に、シャルジュは慌てて私の後ろに隠れていた。



「今すぐ表へ出なさいッ! あの時の決着を今着けて上げるわッ」


「あ? やんのか、コラぁ」



 女剣士(エリーゼ)はシャルジュの事は関係なしに、私に喧嘩を吹っ掛けてくる。



「カオル、ダメッ!」


「エリーゼ、止さないかッ!」



 私が喧嘩を買おうとしたところで、シャルジュに止められた。


 そして女剣士(エリーゼ)も別の誰かに制止され、私を睨むだけに留めている。



「カオル、先輩冒険者(センパイ)と喧嘩しちゃダメだよ」


「はーい。すんませーん」



 私がご主人様(仮)の説教を聞き終わり、顔を上げると見知った顔が増えていた。



「久しぶりじゃの、カオル殿」


「カオル君、元気そうだね」



 私たちの目の前にいたのはアイヴォン(のんべぇ)サンディス(イケメン)だった。




 ***




「それじゃあ、カオル殿は彼の奴隷なのじゃな?」


「そやでー。ほら」



 私はこれまでの経緯を一通り話し、奴隷の印をアイヴォン(のんべぇ)達に見せた。



「ほぉ、それでこちらの少年は?」


「シャルジュやで。えーっとなんやっけ?」


「もぉ、ちゃんと僕の紹介してよー」



 アイヴォン(のんべぇ)にシャルジュの事を聞かれたので、私は名前だけアイヴォン(のんべぇ)に伝えた。



「シャルジュ……ん? もしかして、貴方はシャルジュ=アスティーナ王子ではありませんか!?」



 シャルジュの名前にサンディス(イケメン)が思い出したように話を切り出した。



「はい。僕はシャルジュ=アスティーナ、この国の第三王子です」



 突然の王子様の登場で、皆が静まり返った。


 シャルジュも気まずそうに私に助けを求めている。



「シャルジュは王子様を辞めて、冒険者になるんやって。(ウチ)はその手伝い!」


「そ、それは誠でありますか?」



 私の説明にアイヴォン(のんべぇ)が恐る恐るシャルジュに尋ねた。



「はい」



 その返事にアイヴォン(のんべぇ)は納得した様子で何度か頷いた。



「将来有望な冒険者が増える事は、儂にとては嬉しいことじゃッ!」


「ありがとうございます」



 アイヴォン(のんべぇ)への説明も終わり、私たちは再び受付へ向かった。




【今回のストーカー(ルベルレット)の呟き】


 「ひょこっと顔を出すシャルジュ様、ふぁーーーッ♪」


 「流石、シャルジュ様。奴隷に対して…なッお前のその態度はなんだッ!」


 「あの騎士、中々鋭いな。冒険者には惜しい……」


 「凛々しいシャルジュ様も、これはこれで……ッ♪」



 ※どのシーンでのストーカー(ルベルレット)の呟きかは、ご想像にお任せ致します。




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