在監者、奴隷になる。
地下牢の外に連れて行かれた私は、無理矢理服を剥ぎ取られ頭から真水をぶっ掛けられた。
外の世界はそろそろ冬になるらしく、以前は青々と葉が生い茂っていた木々達が、今は寂しげに枝だけを空に掲げている。
そんな中で丸裸にされ、水を頭から被ったのだ、私は余りの寒さに震えが止まらなくなった。
「これを羽織れ」
そう言って渡されたのは薄汚い布だった。
私は縋る思いでその布を纏い、再び正規兵に連れて行かれた。
***
連れて行かれた部屋は、いかにもと言う様な高級感溢れる客室だった。
私の視界に入って来たのは、上質な洋服に身を包み顎に髭を蓄え肌ツヤも良い小太りの男性だった。
このおっさんが……
私は壁際に立たされ、男性達は商談か何かを話し合っていた。
そして話が終わると、男性が私に尋ねた。
「何か言いたい事はあるかね?」
私は覚悟を決めて、口を開いた。
「地下牢にだけは戻りたくない。せ、性奴隷でも何でもするッ! せやから……」
私の言葉を男性は難しい表情で手を掲げて制止した。
終わった。
また、地下牢に行くのか?
それは、嫌だ。
それならいっその事……
「うん。君に決めたよッ!」
俯く私に、幼い少年の声が聞こえた。
思わず顔を上げた視線の先には、宝石の様な綺麗な藍色の瞳に美しいブロンドの髪が映える美少年が座っていた。




