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脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第4章 避難勧告発令、激戦バーウィッチ! 〜己が力は我が為に〜(後編)
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エピローグ



 『バーウィッチの厄難(やくなん)



 後世にまで語り継がれることとなった、バーウィッチ市街地に突如出現した(オーガ)に関連した災害の総称である。


 事の始まりは、ヴィエンヌ商会に突如現れた一匹の(オーガ)だった。その(オーガ)は特殊な形状の金棒を操り、ヴィエンヌ商会の商館を破壊し姿を(くら)ました。


 バーウィッチで流通の要となっていたヴィエンヌ商会の機能不全は、バーウィッチは疎かアステーナ王国の流通基盤そのものの脆弱化の引き金となったようだ。


 程なくして、バーウィッチ中央議会は冒険者ギルドに(オーガ)討伐を正式に依頼する事となり、本格的に冒険者が(オーガ)の討伐に乗り出した。しかし、その後一週間余り(オーガ)の目撃情報は一切なく、これが俗に『沈黙の一週間』と謂われる『バーウィッチ市長退任に関する報告書(本誌 P.34)』に関わるこの事例の謎の一つである。


 『沈黙の一週間』の翌日、行方を(くら)ましていた(オーガ)が再び出現し、避難勧告が発令されバーウィッチの市民は全て郊外へと避難、市街地にて(オーガ)討伐作戦が開始された。冒険者ギルドでは(オーガ)討伐の為の討伐隊が既に編成されており、Aランク相当の冒険者13人がその討伐に当たった。(資料 P.12)


 そして三日間の激闘の末に(オーガ)の討伐が完遂された。しかしその被害は甚大で、討伐隊の重軽傷者は12名、更にバーウィッチ市街地の三分の一が崩壊する事態となった。アステーナ王国随一とも謂われたの美しい街並みを失った事により、避暑地、観光都市として栄えたバーウィッチは衰退の一歩を辿る事となった。


 討伐した(オーガ)は既に消滅しており、詳細は不明、討伐に当たった冒険者からも詳細は語られていない。唯一、(オーガ)が使用していた金棒については、冒険者ギルドに保管されていたが後に何者かによって持ち出され、現在その行方は不明である。この一連の事例に関する(オーガ)の詳細の一切が不明であることが『バーウィッチの厄難(やくなん)』の一番の謎とされている。


 現在でも、市街地に(オーガ)が突如出現する事態は王国では起こっていない。そもそも、市街地に突然魔物(モンスター)が出現すること事態が稀であり、この事例はヴィエール侯爵(元バーウィッチ市長)の目に余る所業に神様が天罰をお与になったと考える者が多く、半ば『都市伝説』となっている。



 (『アステーナ王国の近代史』より)



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