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脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第4章 避難勧告発令、激戦バーウィッチ! 〜己が力は我が為に〜(後編)
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当事者、冒険者の本気を知る!



「ガチでさっきの(アレ)は反則やろ……」



 ダラムから貰った煙玉を地面に投げつけ、(たちま)ち周囲は煙幕に覆われた。


 足元に巨大な魔法陣が現れた時には、どうなることかと思ったが何とか難を乗り越えれた。



「でも。流石、高いだけあるな〜」



 私は、先程の魔法攻撃を退けた、盾をまじまじと眺めながら呟いた。


 これは防具屋で買った品で、魔法耐性が高い魔具(マジックアイテム)らしく結構な値段だったのだ。


 使うことは無いだろうと思っていたが、意外と役に立った。


 もしもあの攻撃が直撃していたと考えたら、……一瞬身震いがした。



「さて、どーしょっかなー」



 盾をアイテムボックスに収納しながら、この次をどうしようかと考える。


 この煙幕が消えれば冒険者共(ヤツら)は再び連続攻撃を仕掛けて来るだろう。


 パターンは読めて来たが、余りにも攻撃速度、威力、精度が高いので反撃する暇がない。



「あッ、アレ使おーッ♪」



 思いついた物は、借り(パクッ)て来たは良いが使い道に困っていた代物だった。


 街中で使用するには、建物を壊しそうで少々遠慮していたのだ。


 しかし、今はその心配も最早無用。


 私は鼻歌混じりに、大砲(それ)をいそいそと設置し始めた。




 ***




 ズドォォオオーーーンッ!!!



 爆音と共に砲弾が発射された。



「おぉーーーッ!」



 耳を塞いでいても身体に伝わる衝撃に私は歓喜を上げた。


 この心地良さは、癖になりそうだ。



「作戦成功やな」



 煙幕が消え、私は周囲の状況を確認した。


 大砲5門による一斉砲撃は、やはり歩兵である彼らには有効手段だったようだ。


 回避により一時的に連携は崩れ、中には被弾した者も見受けられる。



「反撃開始ッ♪」



 私はすぐさま金属バットを取り出して、掃討戦に移行しようと走り出した。



「ん?」



 しかし、なぜが足が重く一歩が踏み出せない。


 疑問に思い、足元に視線を送ると女剣士(つりめ)が左足に抱きついていた。



「うっとーしいねんッ」



 私は、金属バットを振り上げ、女剣士(つりめ)を薙ぎ払おうとした。



「なッ!」



 その瞬間、右腕に何かが取り付いた。



「そうはさせぬ」



 視線を送ると侍のおっちゃんが頭か血を流しながら、私の腕にしがみ付いていた。



「何やってんねんッ! はよ離せッ!」



 私は二人を振り解こうと、必死に()がく。


 しかし、彼らは必死にしがみつき離さない。



『エリーゼ達に続けぇーーッ!』



 その掛け声と共に、未だ動ける冒険者共が私の身体に取り付き始めた。



「あんたら何考えてるねんッ」


「こっちも必死なんだよ」



 大剣のおっちゃんも剣を捨て、私の左腕をガッチリと固めている。


 最終的には、私の腕、脚、腰に合わせて7人の冒険者が取り付いていた。



 …………ッ!



 いつの間にか足元が輝き始めている。



「おいおいおい。マジか、マジで言ってんか!?」



 地面に浮かび上がっていたのは、巨大な魔法陣。


 彼らは、味方もろとも私を葬り去るつもりらしい。



「嫌や、嫌やッ! あんたら頭おかしいやろッ!」


「大砲使ってくる、あんたの方がよっぽど頭がおかしいわ」



 私は必死に()がき、少しでも魔法陣の外に逃げようと(あらが)い続ける。



「さて。一緒に地獄まで行って貰おうか、カオル君」



 サンディス(イケメン)が爽やかな笑顔でそう述べると、魔法使い(ウィザード)の声が辺りに響き渡る。



『メテオォ・フレイムゥゥゥウウウーーッ!』



 私たちの頭上には、巨大な隕石の様な火の玉が現れ、高速で落下してきた。





【アイテム紹介】


【龍殺しの大盾】

 龍殺しの騎士が使用していたとされる大盾。

 伝承によれば(ドラゴン)のブレスを防いだとされている。


 魔法耐性が高く、対魔法用の魔具(マジックアイテム)として使用されることが多い。

 勿論、物理耐性も高く、通常の盾としても使用できる。



【大砲】

 王国軍に配備されている代物。

 建造物及び敵を破壊、殺戮する為の兵器である。

 威力は、城壁に穴を開けたり、一軒家程度なら破壊することが可能。

 

 カオルは正規王国警備衛兵の駐屯地に忍び込み拝借してきた模様。




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