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脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第4章 避難勧告発令、激戦バーウィッチ! 〜己が力は我が為に〜(前編)
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お尋ね者、小金持ちになる。



 子分どもが傭兵ギルドで働き始めてから、酒場(ここ)には子分が集まらなくなった。


 それもそうだ。


 元々居場所(よりどころ)がなかった連中が(ここ)に集まっていただけで、新しい居場所(よりどころ)が出来れば自然とそこに集まる。


 それでいいと私は思っている。



「ッで、お前らはいつまで私の所(ここ)に居るつもりやねん?」



 いつもの酒場、いつものテーブルに、いつもの面子(めんつ)が集まって宴は始まっていた。



「何言ってるんですか。俺はいつまでも姐さんの子分ですよ」


「まだ姐さんを倒してないからな、それまではここにいる」


「寧ろ、姐さんは商会(うち)で働いてるから、俺の子分じゃ……」


「「「それはないッ!」」」



 私とヤヌックは最近一緒にいるので、時折こういった冗談も言うようになった。


 勿論、その時は容赦なく殴るようにしている。


 ダラムとジョゼは仕事が終わると必ず酒場(ここ)に顔を出し一緒に飲んでいる。



「そういや姐さん。傭兵ギルド(こっち)でも噂になってますよ」


「そうそう。賞金稼ぎから賞金稼いでるって」


「「ワハハハーッ!」」



 二人は噴き出した様に笑っていた。



「兄貴、実はそのついでに賭博(かけ)もしてるんですぜぇ」


「知ってる知ってる。けどよ、姐さんが勝つんだから賭けにならないだろ?」


「それが、最近ほかの街からの来た奴が多いから……ねー、姐さん?」



 ヤヌックが悪い顔をしながら私の顔を見た。


 私は従業員(おばちゃん)からエールを受け取って、一口煽った。



「この間は金貨5枚くらい儲かったんやっけ?」


「正確には金貨4枚と銀貨7枚ですぜ」



 私とヤヌックの会話を聞いて、ダラムとジョゼは口を半開きにして呆けていた。



「「マジかッ!」」



 少し遅れて二人は驚き始めた。無理もない、彼らの1ヶ月分の給料ほどの金額だ。



「っというか、姐さん。今いくら持ってるんですか?」


「それ、俺も気になる」


「俺は、姐さんのパンツの色の方が…「「お前は黙ってろッ!」」」



 ヤヌックが二人に()されたのは放って置いて、私はエールを飲み干した。



「知りたいか?」



 私は勿体(もったい)ぶると、ダラムとジョゼはうんうんと黙って頷いた。


 二人の真剣な眼差しに私はアイテムボックスから皮袋を取り出し、テーブルに置いた。



「え? 姐さん。これ全部金貨ですよ!?」


「そやで、それは『金貨だけ』入れてる袋や」



 そう言って私はアイテムボックスに入っている皮袋を全て出した。



「ち、ちょっと待って下さい。マジでこれ全部、(かね)なんスか?」


「そやで、最近数えんのも面倒なったから、ついでに数えてや」



 私の提案に、ダラムは慌ててヤヌックを叩き起こした。



「ヤヌック起きろ。死ぬぞ」


「はいッ! え? 何ですかい?」


「いいから手伝えッ!」




 ***




 私がエールを5杯飲み終わった所で、ようやく勘定が終わったらしい。



「それでいくらやった?」



 私がニヤニヤしながら尋ねると、ダラムが疲れた様子で結果を教えてくれた。



「き、金貨が634枚。銀貨が、せ、1045枚、銅貨が1275枚、黒貨が113枚」


「合計、金貨で約751枚分になります」



 私は所持金の合計を聞いてニヤリと微笑んだ。



「あんがとッ♪」




【異世界価格相場】


 屋台の串焼き   1本 黒貨5枚


 エール      1杯 銅貨2枚


 護身用短剣    1本 銀貨8枚


 エール樽     1樽 金貨1枚


 モーニングスター 1本 金貨10枚



 ※作中にこれ以上の金額が登場していないので参考程度に…


 

 金貨751枚、エール樽換算すると751樽。一樽あたりエール100杯なので。

 75100杯分エールが飲めますよ、カオルさんッ!(笑)

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