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脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第3章 異世界からの来訪者? 〜己が力は誰が為に〜
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お調子者、冒険者ギルドへ行く!



「おーっす。って誰もおらんやん」



 私は朝起きて、何も予定がない事を思い出し、二度寝した。


 昼過ぎにいつもの酒場へ行くと、店はすっからかんで誰もいなかった。



「姐さん、お勤めご苦労様です」



 いや、正確には一人いた。


 ヤヌック(あほ)だけが、いつものテーブルに何やら資料の様な物を広げてそれを読んでいた。



「何、読んでるん?」


「何って、姐さんが昨日、『お前が読んで説明しろ』って言ったじゃないですか!」



 そういえば昨日の帰り際に、サノワ(イケメン)から傭兵団を立ち上げる為の資料と傭兵ギルドの規約の文書を渡された事をすっかり忘れてた。



「それで、全部読んだか?」


「今、読んでますよッ!」



 取り敢えず、従業員(おばちゃん)にエールを頼んで、ヤヌックに尋ねると少々切れ気味で返事された。



 …………。



「こぉーも、誰もおらんと暇やなー」



 一人でエールを煽りながら呟くと、ヤヌックが資料から顔を上げた。



「そういえば姐さん。冒険者ギルドへは行ったんですか?」


「あ、忘れてた」



 私は急いで、冒険者ギルドへ向かった。




 ***




「すんません。アイヴォンのおっちゃんおる?」



 私はギルドに入ると、真っ直ぐに受付のお姉さんらしき人に尋ねてみた。


 冒険者ギルドの内装は傭兵ギルドと大差なく、食事処の奥に受付が設けてあった。


 傭兵ギルドと違う点は、冒険者の連中がこの時間(ひるま)でも結構いるという事だ。



「アイヴォン……あ、ギルドマスターですね。どの様な御用件でしょうか?」



 私が受付のお姉さんと遣り取りしている最中にも関わらず、冒険者たち(れんちゅう)は私に向かって殺気を放ってくる。


 確かに、町娘の格好で冒険者ギルドの中を彷徨(うろつ)いている私も悪いのだが、余りに調子に乗らないで欲しい。


 思わず()ってしまいそうだ。


 取り敢えずは、お姉さんの質問に答える。



「アイヴォンのおっちゃんに(ウチ)が呼ばれたんやけどー」


「そうでしたか。すぐにお呼びしますので、お名前をお伺いして宜しいでしょうか?」


「カオル」



 私が自分の名前を口にした瞬間、騒がしかったギルド内が一瞬で静かになった。



 あれ? (ウチ)、なんかしたかな?



 辺りを見回すと私に向けられていた殺気は無くなったが、代わりにすごい数の冒険者に視線を向けられている。


 そして受付のお姉さんはガタガタと震えていた。



「す、すすぐに……呼んでみゃいりますッ!」



 あ、噛んだ。



 慌てて受付から飛び出していったお姉さんを見送って、私は先程から気になっていた場所へ向かう。



「い、いらっしゃい」


「おっちゃん。エールくれッ!」



 ギルドのフロアの大部分は食事処になっている。


 私は注文カウンターへ向かい、エールを注文した。


 そういえば、今日はまだ何も食べていなかったので、オススメの料理も注文して、適当な空いてるテーブルに座った。



「んーッ! ここのエールもいけるなーッ」



 従業員(おねえちゃん)がエールと料理を持ってきてくれて、私は一人で飲み始めた。



「相席しても?」



 すると、私の正面に見知らぬ男性(イケメン)が現れた。



【組織情報】


【冒険者ギルド】

 各都市に設置されている冒険者の為の共同組織。別名を組合(ギルド)


 冒険者と依頼主の仲介業務を主な仕事としている。斡旋している依頼内容は基本的に『対魔物(モンスター)』に関する物がほとんどである。


 主に、魔物(モンスター)の討伐、希少な植物や鉱物の採取、ダンジョンの探索などの依頼が多い。



【各ギルド内にある食事処】

 運営母体は各ギルドが運営しており、他の食事処や酒場よりも少しだけ割安になっている。


 (ゆえ)に、ギルドに所属している者の多くはギルド内にある食事処で飲食を済ませる者が多い。


 (ちな)みに、食事処は一般にも解放されており、ギルド会員(メンバー)でなくても利用できる。





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