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脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第3章 異世界からの来訪者? 〜己が力は誰が為に〜
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チンピラ、調子に乗る。



「それで、偉いさんが集まって、(ウチ)に何の用なん?」



 恐らく、8杯目のエールを注文し終わったところで、私はヴィエール(クソジジイ)に尋ねてみた。


 すると、先程まで料理に夢中だったサノワ(イケメン)と、私とエールの飲み比べ状態になっていたアイヴァン(のんべぇ)はピクリと反応した。


 私の問いかけに、ヴィエール(クソジジイ)は咳払いをすると、ようやく本題を話し始めた。



「カオル様のお力をこの街の為に使って頂けないかと思いまして……」


「貴方様のお力は素晴らしいものだと、ここにいるサノワとアイヴァンも申すのです」



 そう言って、ヴィエール(クソジジイ)サノワ(イケメン)に話を振った。



「正直、君みたいな女の子がルクア傭兵団(かれら)を壊滅させた事に、今も驚いているよ」


「あ、別にその事で怒ったりはしてないよ、傭兵団同士の抗争なんてよくある事だし。寧ろ、一般市民に手を挙げる傭兵団なんて見逃しちゃいけないよねー」


「そういう意味で、君には傭兵ギルドの顔に泥を塗ったルクア傭兵団(ヤツら)を倒してくれて、感謝してるのさ」



 以外とサノワ(イケメン)は饒舌だったようで、私が相槌を打つ前にグイグイと話し掛けてくる。



「それで、図々しいのは承知で、君に傭兵団を立ち上げて「おい、ちょっと待て」」



 グイグイ話を進めるサノワ(イケメン)アイヴァン(のんべぇ)が割って入ってきた。



其方(そなた)の力は人知を超えている節がある。是非とも辣腕(らつわん)を冒険者ギルドで振るっては貰えぬか?」



 どうやらアイヴァン(のんべぇ)は私に冒険者ギルドに入って欲しいらしい。



「あーッ! アイヴァンさん、ずるいですよ! 僕が先にお願いしようと思ったのにー」


「ねぇ、カオル。君にはここにいるチンピラ(みんな)と一緒に傭兵団を立ち上げて欲しいんだ」


「君は不思議と人を惹きつける。見た所、ここにいるチンピラ(みんな)は本当に君の事を慕っているようだし」


「やっぱり君には団長っていう職業が似合ってると思うんだッ!」



 二人とも私の事をベタ褒めだ。しかもサノワ(イケメン)にさらっと『カオル』って呼ばれてドッキとしてしまった。


 二人とも、本気で私の事を『欲しい』と迫って来ているのだ。


 ここまで熱心に迫られて、悪い気が起きる(やつ)はいないだろう。



「えー。カオル、どーしよっかなー」



 取り敢えず考える振りをして様子を見る。


 ふと、子分ども(ダラムたち)の方へ視線を送ると、得体の知れないものを見るような目で私の事を見ていた。



 おい! なんちゅー顔しとんねんッ! ちょっと女性らしくした(カマトトぶった)だけやんけッ!



 後でコイツら(ダラムたち)は絞めよう。私はそう決意した。




【登場人物紹介】


【ダラム】

 バーウィッチに住むチンピラ 男 18歳


 ごく普通の平民の家庭で生まれた5人兄弟の長男。

 大柄で強面だが、日雇いの仕事やギルドでも扱わない依頼(おつかい)をして家計を助けている。


 カオルの義理堅い人柄に惚れ込み、子分になる。


 初めて見るカオルの女の顔に少々困惑している。



【ヤヌック】

 バーウィッチに住むチンピラ 男 14歳


 バーウィッチで少々有名な商家の一人息子。

 幼い頃から親の言う事を聞かず、悪さばかりしていたので、現在は放置されている。

 ダラムとは昔からの馴染みで弟分である。


 カオルはタイプではないが、抱いてやれない事もないと日々考えている。


 初めて見るカオルの表情に、「あ、これもあり」と思っている。



【ジョゼ】

 バーウィッチに住むゴロツキ 男 22歳


 他の街からやって来た放浪者(ながれもの)

 様々な街を渡り歩いてきた事もあり、情報収集や危機管理能力は非常に高い。


 カオルの強さに惚れ込み、子分になる。


 初めて見るカオルの態度に、もしかすると自分の大将は阿呆なのかもと動揺している。




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