表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第2章 チンピラvs傭兵団 〜己の為に武器を取れ〜
18/157

チンピラ、買い物に行く!



「姐さん。どういう事ですか!?」



 店に入って来るなり、ダラムは大声を張り上げて尋ねてきた。



「何やねん。喧しいで」


「いやいやいや。呑気にエールなんて飲んでる場合じゃないですよ!」



 本日10杯目のエールを注文しようとする私にダラムは割って入ってきた。



「姐さん。ルアク傭兵団のナンバー4を倒したらしいですね」


「あんま、大した事なかったで」



 どうやらあの傭兵(ヴァレオン)はルクア傭兵団でも強い方だったらしい。


 確かに少々てこずったが、それ程強くは無かった気がする。



「や、やばいですよ。絶対奴らお礼参り(ほうふく)に来ますぜ」


「へぇー」


「へぇー。じゃないっスよ! どうするんですか!? 構成員200人越えの傭兵団にどう考えても俺たちじゃ勝てないっすよ」



 成る程、どうりで店にいる連中(子分共)がお通夜みたいに沈んだ顔(しけたツラ)している訳だ。



「別にお前らは相手せんでええやろ。私が始めた喧嘩なんやから」


「で、でも、そういう訳には……」


「男がグダグダ言うなッ!」



 確かに、得物を持っているだけで、あれだけ苦労したのだ。


 素手1人で得物を持った200人も相手にするのは相当骨が折れるだろう。



「確かになぁ……」


「姐さん?」


「よしッ、行くぞ! おばちゃーん、おあいそーッ!」




 ***




「んー、どれがええかな〜」



 私はダラムを連れて武器屋に来ていた。


 素手で得物と対峙するのは一苦労だが、得物と得物なら攻撃も得物で受ける事が出来るし、その際に間合いを詰める事が出来ると思ったのだ。



「これとかどないやろ?」



 私が手に取ったのは『モーニングスター』のような柄と棘が付いた鉄球の間を鎖で繋いだ武器だ。



「これやったら、攻撃は鎖で防げるし、振り回したら近寄って来れんし、めっちゃええ感じちゃう!?」


「流石、姐さんっス! 完璧ですね!」



 私が顔を輝かせて尋ねると、ダラムも顔を輝かせて頷いている。


 これで決まりと私達は納得し店主の元へ新しい相棒(モーニングスター)を持って行った。



「それじゃあ、金貨10枚頂くよ」


「はぁあ!? ボッタくってるやろ!」


「戯けッ! 適正価格だ!」



 完璧に予算オーバーだった。


 武器なんて、銀貨5枚くらいで買えて、高くても金貨1枚くらいだと思っていたのだ。



 …………。




 ***




 武器屋からの帰り道、私は上機嫌で歩いていた。



「なぁなぁ! ここに隠してたら女スパイみたいで格好良くない?」



 結局、予算内で買えたのは少し丈夫な初心者向けの短剣(ショートソード)だった。


 私はそれをスカートの中に隠すように身に付け、ダラムに見せた。



「姐さん……」


「ま、まぁあれや、無いよりかはええやろッ」



 そんな顔をするな、コレは仕方ない事なのだ。


 武器なんか買うよりエールを飲む事の方が私にとって大切なのだから。



『いたぞッ!』



 突然、怒号と共にこちらに向かってくる沢山の足音が聞こえて来た。




【購入履歴】


護身用の短剣(ショートソード) 銀貨8枚


※カオルが破壊した長剣(ロングソード)は金貨2枚




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ