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脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第12章 正義ノススメ 〜我らが貫く正しき道〜(前編)
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シラクイラ情報戦(2)

2020/4/20~ 『改訂版:脳筋乙女の異世界花道』を連載開始しました。

こちらの旧作も更新再開いたしますが、改訂版の方を優先しますので頻度は少ないと思います。

詳しくは、活動報告をご確認くださいませ。



 シラクイラの酒場街、その中でも商人達が情報共有の場として使う食事処で私は少し早い夕食を取っていた。


「お父様、今日はご一緒に夕食を頂けて嬉しいですわ」

「そうだな、俺も父様と一緒に食べれて嬉しい」


 私の事を父と呼ぶ彼らの名は(ゲン)(スイ)。彼らとは家族……という訳ではなく、この場で程よく食事する為の役割だ。


「ははは、二人にそう言って貰えると私も嬉しいよ」


 こうやって食事をしていれば、端から見れば家族で食事を取る微笑ましい光景だ。誰にも怪しまれる事はない。

 本来であれば人目を避けて行動する私たちだが、今日は特別な日なのだ。少しくらい彼らにも良い思いをさせて上げるべきだろう。


「このようなご褒美を貰えるのなら……」


 カトラリーを上手に使い食事する翠が何かを見つけ止まった。

 動揺した彼女の視線の先を追いかけるように私が振り向くと、そこには見知った少女がカウンターで食事を注文していたのだった。



 ***



「おっちゃん、ホットワインくれ」


 ローブを羽織った少女は気さくに店員に話しかけているが、自分が警戒されている事に気がついていない。


「お嬢さん、少し寒くなってきたからとはいえ店の中でローブを羽織っていると怪しまれますよ?」


 私は彼女に近づき一つ席を開けて、カウンターに座る。


「そーなんか、あんがと」


 忠告を受け彼女はすぐさまローブを脱ぐ、すると彼女が着ている服を見て店員は慌てた様子でホットワインを提供した。

 彼女の服装は動きやすい剣士の格好であったが、冒険者にしては上等な物を着ていたからだ。


 まあ常識を知らなさそうな所から貴族のご令嬢とでも勘違いしたのだろう。

 それはそれで都合がいい。


 私は店員を呼び、銀貨を三枚ほど差し出す。すると、何も言わず店員は銀貨を受け取りカウンターから姿を消した。


「それで『朝比奈さん』、この街にはどのようなご用件でいらっしゃたのですか?」


 ふーふーとホットワインを冷ましながら飲む彼女の名前を呼ぶと、何かに気づいた様子で私に殺気を放ってきた。


「あ? 誰かと思ったら植田やんけ。わざわざシバかれに来たんか?」

「まーまー、落ち着いて座ってください。他の方もいらっしゃいますし、何より貴方もお忍びで来られているんでしょ?」


 私が落ち着くように促すと、何かを思い出した様子でホットワインを舐めるように飲み始めた。


「ふん、しゃーないからお前の事は見なかった事にしたるわ」

「有難う御座います。では、そんなお優しい『義賊』の朝比奈さんに私から面白い情報を一つ」


 義賊という言葉に目を見開いて驚く彼女に、私は話を続けた。




【登場人物紹介(復習)】


【キヨシ=ウエダ】

 異世界からきた詐欺師 男 ??歳


 バーウィッチ近郊にムラン帝国の軍隊を招き入れたとされる人物。


 アイラからはムラン帝国で何かあったらしく憎まれている。

 素性もステータスも全て隠蔽されているので何もかもが不明。



【玄】

 ???? 男 13歳


 翠と共にバーウィッチで冒険者をしていた少年


 魔法、剣術共に秀でており魔法剣士としてAランクの冒険者をしていた。

 しかし、その裏では植田の諜報員として活動していた。

 植田の事は心から慕っているらしい。



【翠】

 ???? 女 13歳


 玄と共にバーウィッチで冒険者をしていた少女


 魔法使いとしてAランクの冒険者をしていたが、その裏で玄と共に諜報活動を行っていた。

 死霊を操る魔術や死霊を作り出す事が可能。

 植田の事は玄と同じく心から慕っているらしい。 


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