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脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第12章 正義ノススメ 〜我らが貫く正しき道〜(前編)
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協力者、暇を持て余す?




「ひぃーーまぁーーやぁぁあああ!」


「…………」



 (ウチ)は、二人掛けのソファーに寝転がりながらこの部屋の主に聞こえるように大きく独り言を叫んだ。


 しかし、主はそんな私を無視して鉄製の鍋の中身を木の棒でゆっくりとかき混ぜている。


 そんな彼女の様子を横目で確認した後、私は再び独り言を叫んだ。



「ひぃーーまぁーーやぁぁあああ!」


「ッるさい!」



 2度目のアピールに、主は机の上に広げた素材や鉄製の鍋がひっくり返るのではないかと思うくらいの勢いで机を叩くと私を睨みつけた。



「なんなの? ガチで意味不! 邪魔しに来たなら出て行って!」


「まま、そんなに怒んなや。暇やから遊びに来たんやん」


「アイラは暇じゃないの」


「そんなけち臭いこというなやー」



 私がこれほど暇を持て余しているのには理由があった。


 アイラとクリスが一悶着したあの日、ナイトレギオンのメンバーが招集され情報の共有が行われた。


 詳しい話は聞いていなかったが、それらの情報から『魔王』に関係した調査任務に舵を切ることになったらしい。


 そして主な任務が調査になったことで、身バレしている私達は任務から外されしばらくの間は休養ということになったのだ。



「というか(うち)らはあかんのに、何で奥野(おっちゃん)はいけるねん」


「あのクソニートはいつもコスプレしてて素性がバレてないからっしょ」



 アイラは諦めたのは作業に取り掛かりながらも私の話に応えた。



「いーなーおっちゃんはー。私もシラクイラに行きたかったしー」


「はぁ……あんな事があったのに?」



 彼女は大きな溜息を漏らすと、振り返ってまじまじと私を見つめている。



「な、なんやねん。なんか言いたげやな」


「べつにー」



 そう述べると彼女は再び作業に戻った。



 …………。



「あ! めっちゃいい事思いついた!」


「ぁいらはパスねー」


「話くらい聞けや!」



 唐突に話を始めたのにも関わらず、彼女は間髪いれずに切り返してきたのだ。



「どうせあの街に行くとかでしょ?」


「え? そ、そやけど?」


「カオちー、さっきの話理解してるの?」


「してるで? 任務じゃなかったらええやん」


「…………」



 私の話に彼女は再び大きな溜息を漏らした。


 そんな彼女を尻目に私は立ち上がり、ぐーっと伸びをする。



「善は急げって言うし今から行ってくるわ! ホンマにアイラは行かんでええんか?」


「パスぱすー」


「ほんじゃ行ってくる」



 振り向かずに手を振る彼女を後に部屋を出ようとすると、突然頭に何かが覆い被さった。



 ……!?



「着てても意味なさそうだけど、着ないよりはマシでしょ?」


「あれか、アイラが始めの頃着てたやつか!」



私に覆い被さっていたのは出会った頃のアイラが着ていたローブだった。



「あんがと! ほな、行ってくる!」




【索引】


 【アイラとの出会い】

  第7章 新たな仲間はJKギャル?

  「ヤンキー奴隷、ヘコむ。」

  https://ncode.syosetu.com/n2224dw/81/



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