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脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第12章 正義ノススメ 〜我らが貫く正しき道〜(前編)
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捜索隊、捜索に行き詰まる…




「……結局、有力な情報は無かったな」



 数日間で歩き慣れたシラクイラの大通りを進みながらジョゼがぼそりと呟いた。



「そうだね……けど、失踪事件の方は無事に解決できそうだね」



 数日間、この街で聞き込みを続けていたのだが、カオル達や義賊に関する情報は全く集まらなかった。


 代わりに、行方不明であった少女達の身柄が奴隷商人に引き渡された事がテオドリク子爵の聴取から判明した。


 今はその彼女達の行方を確認するために奴隷商人の元へ向かっている道中なのだ。



「引き継ぎが済めば、幾らでも奴らを探せるであろう。何を弱気になっているのだ」


「っていってもさー。手掛かりも無しに、どうやって姐さん達を探すんだよ」


「た、確かにそうだが……や、奴らの事だ、またどこかの町で目立っているに決まってる」



 手掛かりがない事もあり、流石の二人も若干弱腰気味だった。



「全くないわけじゃないでしょ?」


「あー、確かに……けどなぁ」


「流石に我々だけであの場所を捜索するのは……」



 僕の提案にジョゼとルベルレットは返答を渋った。


 唯一の手掛かり、それは誘拐された少女を救い出した後に義賊が向かった方角……



「クシャトリア大森林って王国一の広さだっけか?そんな所を俺らだけで捜索するとか無理だろ」


「そうです。それこそ騎士団1個小隊を投入しても捜索に何ヶ月かかるか分からない広さですよ?」




 『クシャトリア大森林』


 アスティーナ王国北部に広がる広大な森林。


 原生林が生い茂り、危険度の高い魔物が跋扈する為、未だに探索が行われていない。


 大森林の奥地にかつての古代文明の遺跡があるらしく、熟練の冒険者が危険を省みず探索に向かう事が稀にある。


 その帰還率は極めて低い。




「そ、そうだよね」



 クシャトリア大森林を捜索すれば何かしらの情報は得られるかもしれない。


 けれど、それは現状では不可能なのだ。



 …………。



「こうなったら怪しい奴を片っ端から取っ捕まえて、無理矢理にでも何かしら聞き出すかー」


「おいジョゼ。シャルジュ様の従者であろう者が無頼漢じみた事をするつもりか!」


「騎士様と違って、俺は元々そっち側の人間だからな。必要であればするさ」



 詰め寄るルベルレットに対してジョゼはあっけらかんとした態度で肩を竦めた。



「俺が言いたいのは、何かしら行動しないと状況は改善しないって事だ」


「それもそうだね。ジョゼの言う通り怪しい人がいたら話を聞くぐらいはいいんじゃない?」


「流石、シャルジュ! どっかの騎士様と違って分かってるじゃなぇーか!」



 ジョゼがその場の空気を変えようとしてくれた事に気がつき、僕もジョゼの提案に冗談交じりに乗っかった。



「まぁそんな人そうそういないし、ここは地道に……」


「って事で早速『怪しいヤツ』を見つけたけど、どうするよシャルジュ」


「ぇえ!?」



 僕は慌てて、ジョゼが指し示す方向に振り返った。


 そこには誰がどう見ても怪しいと思えるくらい挙動不審の男性が歩いていた。




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