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脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第2章 チンピラvs傭兵団 〜己の為に武器を取れ〜
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チンピラ、巷の噂になる。



 私は昼から子分を引き連れていつもの酒場へやって来ていた。



「「姐さんお勤めご苦労様です!」」



 店に入ると、昼から酒場に入り浸っている連中が挨拶してきた。



「おーっす」



 私は適当に返事をするといつものテーブルに着いた。


 朝から私との手合いをしたいという子分(ヤツ)の相手をしていたから、腹が減って仕方がない。


 取り敢えず、従業員(おばちゃん)に適当に腹に溜まる物をお願いして、エールを煽った。


 店内を見回してみると、何をするでもなく店に居座っている連中が見受けられた。



(そういえば、子分たち(コイツら)ってどうやってお金を稼いでるんやろ?)



 ふと思った疑問を何やら頭を抱えて唸っているヤヌックに聞いてみた。



「俺らみたいな、半端な奴らは傭兵ギルドや冒険者ギルドでも扱わないような、目々っちい仕事か親の仕事の手伝いですね」


「それやったら、どんなけ儲かるん?」


仕事(モノ)によりますが、大体銀貨1枚になればいい方ですね」


「兄貴がそう言ったのは詳しいんで後で聞いて下せぇ。ちょうど今その仕事に行ってますから」



 私は、従業員(おばちゃん)が持ってきた蒸した芋を食べながら、適当にヤヌックの話を聞いていた。



「そ、そんな事よりも姐さん! たたた大変な事になってますよッ!」


「ふぁんはねん?」(何やねん?)


「姐さんがゴロツキを集めて、傭兵団のような事をしていると傭兵ギルドでもっぱらの噂になってますぜ」


「ふぉうか」(そーかー)



 ヤヌックは何を焦っているのだろう。


 別に私たちは傭兵団でもなんでもないし、傭兵ギルドとやらが首を突っ込んでくる事でもないだろう。


 そう思って私はヤヌックに適当に返事した。



「や、やばいですって、仕事を横取りされたくない連中(傭兵団)に知られ「ちょっといいなか?」」



 テーブル越しに声が聞こえたので、私は顔を上げた。


 そこには、全身に防具を身につけ、腰に得物()をぶら下げた男性が立っていた。



「ひぃぃ」



 その姿を見た瞬間、ヤヌックは椅子から転げ落ち、その騒ぎを聞いた連中が一斉に立ち上がった。



「鬼人のカオルという人物を探してるんだが、知らないか?」


「ほふぃ?」(はぃ?)



 口の中に芋が残っていたので上手く返事できなかった。急いで芋を飲み込んで、私は返答した。



「……カオルってのは(ウチ)やけど?」




【組織情報】


【傭兵ギルド】

 各都市に設置されている傭兵団の為の共同組織。別名を組合(ギルド)


 細かい役割など基本的には冒険ギルドと業務内容は同じだが、斡旋している仕事内容は基本的に『対人』に関する物がほとんどである。


 主に、護衛、兵隊への人員補充、盗賊や山賊の討伐などの依頼が多い。



【傭兵団】

 成り立ちは様々であるが、自警団、自衛団、盗賊や山賊などが発展し構成員を増やした組織。


 傭兵ギルドから正式に仕事の依頼を受けて働いている。


 雇われて働く武装した破落戸(ならずもの)と言われるように、金銭的に危うくなると盗賊や山賊のように窃盗や強盗も行う。そう言った意味で、ただのゴロツキやチンピラとは一線を引かれている。



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