表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第12章 正義ノススメ 〜我らが貫く正しき道〜(前編)
144/157

捜索隊、後始末に従事する。



「これからどうするんだ? シャルジュ」



 ここはジェレノー伯爵の屋敷の一室。客間にしてはやけに豪華な部屋で僕たちは小休憩を挟んでいた。



「どうするも、『この一件』が片付くまでこの街からは出られないよ」



 僕の予感は的中してしまった。


 昨夜、屋敷の地下牢が何者かによって襲撃され、その場に駆けつけた僕たちが目撃したのは、鉄格子が広げられ機能を失った牢とその場で腰を抜かすテオドリク子爵達だった。


 そして事情聴取の結果、シラクイラで頻発していた失踪事件の犯人がテオドリク子爵率いる貴族の御曹司達だった事が判明したのだ。



「けどよー、後始末はジェレノー伯爵に任せればいいんじゃないのか?」


「貴族が起こした犯罪に関しては王族の管轄になっている。貴様はそんなことも知らないのか?」



 ジョゼの問いにルベルレットが代わりに答えてくれたようだ。


 ちょっと言い方に棘はあるけど……



「と、とりあえず。今は僕がその最高責任者になるんだけど、もうすぐ護送の為の騎士団が来るから彼らに身柄を引き渡せばそれで僕の役目は終わりだよ」



 本来、こういった事は兄様達の領分なのだ。


 今回は偶然その場に居合わせたので仕方なく責任を全うしているだけで、本来の目的は人探し……



「だから彼らが来るまでは街で、『今回の件』の情報をもう少し集めようと思うんだ。誘拐されていた少女達も行方も気になるし……」


「というのが建前で、本当は姐さんを探しに行くんだろ?」



 ニヤニヤとジョゼは笑みを浮かべ、ルベルレットは何も言わず頷いた。




 ***




「やっぱり、あの後ろ姿は姐さんだったか」



 街で聞き込みをしていた僕達は、誘拐され地下牢で軟禁されていた少女から話を聞くことが出来た。


 彼女たちは、テオドリク子爵の仲間に連れて来られた2人の女性と天井を破壊して現れた変わった鎧を全身に纏った人物に助けられたらしい。



「変わった訛りで話す女性と気だるそうに訳のわからない言葉を話す女性ってカオルとアイラしかいないもんね」



 被害者からの証言が得られた事もあって、テオドリク子爵の有罪は確定した。


 さらに、彼女のお陰で僕たちはカオル捜索への糸口を掴むことが出来たのだ。



「まあ、こっから先がちょっと難しいだろうがな」


「ほう。流石の貴様でもそれくらいはわかるのか」



 ここからカオル達の捜索が困難になる理由。


 それは……



 『義賊』



 それに加わるとカオル達が鎧の人物に話していたらしいからだ。





【登場人物紹介(復習)】


【シャルジュ=アステーナ】

 アステーナ王国、第三王子 男 10歳


 カオル=アサヒナ、アイラ=イケブチと共に冒険者として活動していた家出王子。


 帝国との一件以後、王城に戻りカオル達と共に生活していたが突然カオル達が失踪。

 現在は彼女達の捜索を行なっている。



【ルベルレット】

 アステーナ王国騎士団親衛隊所属 第三王子護衛騎士 女 24歳


 シャルジュ大好きの女騎士。


 シャルジュが冒険者活動をしていた際は独断で活動(ストーキング)していたが

 今回は正式にシャルジュから護衛騎士に任命されている。



【ジョセ】

 第三王子付き伝令役 男 23歳


 放浪者(ながれもの)から王子付き伝令役になった『叩き上げ』


 様々な街を渡り歩いてきた事もあり、情報収集や危機管理能力は非常に高く

 カオルに鍛えられた事もあり、その実力は王国騎士団でも通用するほど。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ