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脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第11章 変身!?ヒキニート!! 〜32歳童貞無職、趣味は正義の味方〜
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元自宅警備、震える。



 し、司令室は今、悍ましい程の重圧に包まれている。


 僕の心のアイドルであるリアたんの『爆撃(イタズラ)』で朝比奈さんがキレてしまったのだ。


 そして、物凄い殺気を放つ朝比奈さんからリアたんを庇うように、ベラたんがそれを遮った。



「そこどけや。メイド」



 そして凶暴な魔物(モンスター)が敵を威圧するかの如く、朝比奈さんはベラたんを鋭く睨んでいる。



「む。」



 勿論、そんなことで怯む様なベラたんではない。



「……エリザベラ」


「あ?」


「……メイド、じゃない。エリザベラ」



 この二人、話が噛み合っている様で合っていない。



 …………。



「(この状況……ま、まずい……ですよね?)」



 一触即発。まさにその言葉が似合う場面だ。


 というか、そんな事を悠長に考えている暇はない。


 朝比奈さんはともかく、ベラたんがこんなところで暴れたらタダじゃ済まないッ!


 僕は勇気を振り絞って、声を上げた。



「あ、あの……け、喧嘩は……」



「「うるさいッ」」



「ひぃッ! すびまぜんッ!」



 僕の声は即座に二人に掻き消された。


 ……そして若干ちびった。



「(だ、誰か……)」



 僕は助けを求めるため、辺りを見回した。


 真っ先に視界に入って来たのはクリスさんだった。


 しかし、彼女は悠長に煙草に火をつけ、一服し始めているではないか。



「(この人はダメだ)」



 そういえば彼女は放任主義者だった。恐らく、この件も本人たちに解決させるつもりなのだろう。



「(と、とりあえず朝比奈さんだけでも……)」



 朝比奈さんを説得できればと、仲間である池淵さんに助けを求めようと彼女を探した。


 そして、視界に入った池淵さんを見て唖然とした。



 …………。



 彼女はこの状況下で爪の手入れをしていたのだ。



「(ま、マジですか!? 何考えてるんですか!?)」



 『私、知りませーん』的なオーラを全面的に押し出しながら、この状況を見て見ぬふりをする彼女を見ているとふと視線が交わった。



「ちッ」


「(す、すいません)」



 池淵さんに舌打ちされたので、思わず条件反射で頭を下げてしまった。


 ダメだダメだ。


 このままでは事態は最悪な方向に進む。



「(ここはリアたんに……)」


「ぅう……ぐすん」



 ダメだダメだダメだ。


 リアたんはこの状況が怖いのか涙を流していた。



 ん?



 いや、正確には泣いていない。


 時折、伏せた顔を上げてチラチラと二人の状況を確認している。


 その姿は、さながら小動物の様でとても愛くるしかった。



「(リアたん、マジ天使)」



 って言ってる場合じゃない!


 どどど、どうする。


 僕。




【登場人物紹介】


【エリザベラ】

 ナイトレギオン メイド? 女 18歳


 普段はメイド服を着用し、施設内の掃除を行う少女。

 しかし、その正体は『掃除』が趣味の戦闘員である。


 異名は『殺戮のベラ』


 噂によれば、賞金首として懸賞金が懸けられているとかいないとか……


 メイド服はリアマリアの要望で着用しているらしい。



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