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脳筋乙女の異世界花道  作者: 藤沢正文
第11章 変身!?ヒキニート!! 〜32歳童貞無職、趣味は正義の味方〜
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流浪人、新たな出会いに乾杯す?



「ぷふぁ〜〜ッ!」



 沈黙が支配するとある建物の一室、長方形の大きな食卓を囲む様に並べられた椅子の1つに座る私は上機嫌でエールを嗜んでいた。


 私の正面には恰幅の良い眼鏡を掛けた黒髮の男性が座っており、沈黙に耐えきれなくなったのかようやく口を開いた。



「あ、朝比……さんたちは、……で、あ、ああんな所に……でしゅか!?」



 滑舌が悪いのか吃っているのか、その両方なのかわからないが、緊張した様子の男性が私たちに質問を投げかけた。



「なんか知らんけど、成り行きでああなってん。なぁアイラ?」



 空になったジョッキにエールを注ぎながら私はアイラに話を振る。



「だねー」



 私たちから少し離れた席に座る彼女はチラリと流し目でこちらを見ると、素っ気なく返事を返す。


 彼女は、私の目の前に座る脂汗を額に滲ませ妙に鼻息が荒い黒髪の男性をどことなく拒絶している様にも見える。


 そもそも先程からの沈黙も彼女の彼に対する態度によるものなのだが。


 まあ、アイラのイケメンとそれ以外への対応を知っている私からすればいつもの事だろうと、その事は流し私は再び男性に視線を戻した。



「そういえば、『おっちゃん』のスキルやっけ? あの服装ってあれやんな……」


「よくぞ聞いてくれましたッ!!」



 私の話に男性は突然身を乗り出して大声を上げた。


 そして興奮した様子で先ほどより更に鼻息を荒げ、話を始めた。



「先日、あなた方がご覧になった変身フォームは平成ライダーの第1作目と言われている、ク◯ガでありまして! ……ハァハァ。ク◯ガは元来の作品で定着していたライダーは人造人間であるという常識から逸脱した全く新しいライダーなんです。とはいっても、それまでの作品のなかで人造人間でないライダーもいなかった訳ではありません。……しかし、ライダーが人造人間であるという事はこれまで揺るがない共通概念だった訳です。それが今作品を皮切りに共通概念であった『ライダー=人造人間』が崩れ、ライダーに新しい風が吹いた訳ですッ! ……ハァハァ……」



 先程の吃りが嘘の様に早口で意味がわからない事を熱弁し始めた彼に、私は顔を引きつらせた。


 そして彼はそんな事など気にも留めず、唾液をそこら中に撒き散らしながら熱弁を続けている。



 バンッ!!!!



「……マジキモい」



 食卓を叩いたアイラはその視線で人が殺せるのではないかと思えるような冷たい視線で、熱弁を振るっていた男性を睨んだ。


 『もぉお前黙れ。いや、寧ろ死ね』と言わんばかりのアイラの言動に男性は黙り込み、部屋は再び沈黙に支配された。



 …………グビグビ。



【ステータス紹介】


 【名 前】 エイジ=オクノ

 【年 齢】 32

 【職 業】 異世界から来たニート

 【レベル】 ???

 【体 力】 ???

 【魔 力】 ???

 【攻撃力】 ???

 【防御力】 ???

 【俊敏性】 ???


 【スキル】

 アイテムボックス 異世界会話 Lv.2 鑑定 Lv.4

 

 【ユニークスキル】

 英雄願望(なりきりヒーロー) 英雄補正(ヒーローほせい)




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